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私の見ているウクライナ危機 ~認知の世界を出た目線~

 少し普段と毛色の違うことを書いてみたいと思います。
 先に断っておきますが、私はほとんどYoutubeも見ないし陰謀論サイトを訪問することは皆無です。
 そしてもちろん、今のロシアとウクライナの戦争が一日も早く終結することを心から願っています・・・。

マスコミは"不必要に語らない"

 トランプVSバイデンのアメリカ選挙あたりから一気に加速し始めた「マスコミは嘘つきだ!」という一部の風潮。
 私は「嘘つき」というよりも、ニュース番組においては「真実を語らない」がより正しいニュアンスではないかと感じています(ちなみに「嘘」はニュースではなく所謂教養番組とかで発信しているイメージ)。

 ロシアが戦争を仕掛ける直前から、違和感はありました。

 ロシアの主張とウクライナの主張を相互に流す大手メディアの報道を聞いていても、理解できる形で頭に入ってこない。

 なぜなら、ウクライナ側の主張や状況には説明が入るにも関わらず、ロシア側の主張には説明が全く入らない。

 またそれと同様に、国外出身のロシア大企業の役員が辞任した際の彼のセリフ「ロシアも悪いがNATOも悪い」等について、その真意を一切語らない。

 報道の仕方があまりにも一方的すぎるのでは・・。

 そして最も肝となる、ロシアが何を意図として侵攻したのか、またなぜこのような状況を招いたのかの糸をほぐすための説明が大手メディアからはほぼされなかったのです。

 私には、ロシアが侵攻をしかけた理由が明確にならない出だしでした。

ウクライナもだが、日本のメディアも大概か

 その後の戦況を伝える報道を見ていて感じたこと。

 ウクライナ側は、戦争に関係のない施設や人々が戦に巻き込まれ、ロシア側がいかに非人道的なことをしているかを強く訴え続けている。

 戦争になれば、直接的に戦いに関わらないものが巻き込まれるのは必然だろう。過去の戦争の歴史を振り返れば、戦争に人道性なんて存在しないことは明白だ。

 国外に難民として逃げていく国民に対し、男性は戦の担い手として留まるよう命令した大統領。

 非戦闘民を戦闘に巻き込もうとするのは、ウクライナの一般国民を戦に巻き込んだロシアとやってることは変わらないのでは。
 いや、これから戦で死ぬことを考えるとそれ以上かもしれない。
 そしてこれが、第二次世界大戦時の日本と変わらない戦争の現実なのでしょう。

 東部の子ども12万人をロシアが"連れ去った"というウクライナ側の主張。

 あるとすれば、「ロシアに避難した新ロシア派住民のうち、12万人が子ども」が近似値ではなかろうか。

 決して降伏しない大統領と、ウクライナに武器を提供する諸国。

 ロシアの経済制裁は長期的には効果があるだろう。
 しかし短・中期戦の中、武器だけが供給され兵士が減っていくウクライナは、やはり不利。
 もしも国民の命が大切ならば、戦争を長らえさせるのは賢明な選択肢なのか。

 そして何より最近特に鼻につくのが日本のメディアの報道だ。

 他国の報道と比較して、日本はやたら犠牲になった子どもの数、その姿にクローズアップするのがお好きと見える。

 死傷者の数を伝える時、必ず子どもの数を内訳に入れる日本メディア(他国はそうでもない)。

 亡くなった多くの大人より、指を怪我した子どもにフォーカスする日本メディア。
 亡くなった多くの大人より、暗闇で怯える子どもにフォーカスする日本メディア。

 マーケティングの基礎理論である「人は子どもに反応する」と、"犠牲者が少数であれば悲劇、多数であれば歴史"の理論をフル活用して、感情に訴えてこようとする日本メディア。

 申し訳ないけれど、見てる私はけっこうげんなりです。

 また、もう一つ目につくことがある。

 ロシア側の主張について、全てをウソだと言い張る日本メディア。
 もしこれが、ロシアが何に言及し、どういう理由でウソなのかまで伝えてくれれば私は納得する。

 しかし、それもせず「ウソ」の一言で切り捨てる日本メディア。

 ・・・どこかで見たことあるような・・・。

 あぁ、中国や北朝鮮と同じことやってるんだなぁ。。

 最新の「報道の自由度ランキング」では、日本は67位。
 数値的には"今の"香港とかなり近い状況にあるのは注目すべき点かもしれません。

ロシアの側から見た現状と"バッファの国"の立ち位置

 ものすごくざっくり語ります。

 冷戦時代、西側諸国と東側陣営は互いに軍事同盟を組織して睨み合ってきました。

 それが、NATOとワルシャワ条約機構。

 ワルシャワ条約機構はソ連崩壊と共に瓦解しましたが、当時のワルシャワ条約機構は非常に大きな勢力圏を誇っていました。

当初、ワルシャワ条約機構は東ドイツまでを含んだ広大な軍事同盟だった!

 ソ連崩壊後は当時の東側陣営をどんどん取り込んでNATOは拡大、そして東進。
 ウクライナのお隣まで勢力を拡大したNATOに、今度はウクライナが加盟すると言い始めたのです。

外務省より。ロシアに斬新するNATOの図

 ロシアからすれば、ロシア民族が多く暮らす隣国が西側に取り込まれてしまうところまでNATOが近づいた。

 これはたまったものではないでしょう。
 ハッキリ言って、西側はやり過ぎたのです。
 (バッファとしての壁を作っておけばよかったのでは)

 ロシアの停戦における最大の要求(と見てます)は、ウクライナがNATOに加盟しないこと。

 現状からすると、当然とも言える内容です。

 ウクライナの国内情勢を考えれば、NATOに加盟した途端いつ火がついて大規模な西VS東の全面戦争になってもおかしくありません。

 ・・・だからといって、攻撃を仕掛けることを是とすることはできませんが。


 開戦当初、真っ先に私が思ったことはこうでした。

 私が大統領なら、絶対にNATOに加盟なんかしない。
 バッファの国の元首なら、この舵取りを間違えてはいけない。
 その後何が起きるかは目に見えている。

 戦争が始まった今、出来ることは一つ。
 今すぐNATOには加盟しないと宣言し、即刻ロシアに撤退してもらうことだ。

 その後しばらく経過の後、結局ゼレンスキー氏はNATOに加盟しないことを表明しましたが、その時はすでにロシアの東部侵攻がかなり進んでいました。
 即刻戦線から引けるほどに、状況は簡単ではなくなっていたのです。

 彼は、大きな判断誤りをしたなぁと思いました。

どちらかに肩入れしない見方

 私はロシアの肩を持つわけではありません。

 元々「歴史の真実の瞬間をこの目で見たい」と報道記者を目指していたこともあり、偏見報道はとにかく気持ちよく聞くことができません。

 どちらの側に立つ、ではなく、報道の内容を組み立ててパズルのように理解できる状況か。

 理解できなければ、そこに必ず空白がある。

 それが、メディアが報じない真実なんだろう。

 「ロシアは悪、ウクライナは可愛そう」

 そんな簡単な構図ではない今回のウクライナ危機。

 一旦今ある認知を外してみると、気づくことが随所にあるのではないでしょうか。

 ちなみに。

 沖縄に避難してきたウクライナ難民の方の生活支援に、家の家財をいくつか提供しました。
 国の争いはさておき、困っている人にはフォーカスする。

 ここは、決して忘れているわけではありませんよ。

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