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【フェデリコ・フェリーニ生誕102周年】初見&苦手な人にこそ観てほしいフェリーニ監督作品2選(ネタバレなし)

はじめに

本日1月20日はイタリアが世界に誇る映画監督フェデリコ・フェリーニ(1920-1993)の102回目の誕生日である。
この名監督の誕生日を記念して、きょうはフェリーニについて書きたいと思う。
題して「フェリーニ初見&苦手な人にこそ観てほしい作品2選」。具体的に言うと『青春群像』(1953)『フェリーニの道化師』(1970)の2本。

興味がありましたらぜひお付き合いください。

フェデリコ・フェリーニとは

フェデリコ・フェリーニ(Federico Fellini, 1920-1993)

1920年、イタリア、リミニ生まれ。映画監督、脚本家。「映像の魔術師」の異名を持つ。
高校卒業後、記者の仕事を経て、ラジオドラマの脚本を書き始める。
映画界のキャリアは脚本家としてスタート(有名な作品にロベルト・ロッセリーニ監督『無防備都市』(1945)がある)。
その後脚本家のキャリアを重ねるが、1950年に『寄席の脚光』にて映画監督デビュー(アルベルト・ラットゥアーダとの共同監督)。
2作目『白い酋長』(1952)からは単独で監督する。本作から作曲家ニーノ・ロータ(1911-1979)とのコラボレーションがはじまる。ロータは1979年に亡くなるまで(作品でいうと『オーケストラ・リハーサル』(1979)まで)全フェリーニ作品のスコアを書いた。
代表作に『道』(1954)『カビリアの夜』(1957)『8 1/2』(1963)『サテリコン』(1969)『フェリーニのアマルコルド』(1973)など。
『道』『カビリアの夜』『8 1/2』『フェリーニのアマルコルド』の4作でアカデミー賞外国語映画賞(当時)を受賞している。
映画以外では、テレビ映画やテレビCMなどの監督も務めた。
1993年、ローマにて死去。
妻はフェリーニ作品に欠かせない俳優のジュリエッタ・マシーナ(1921-1994)。フェリーニの死まで添い遂げた。

その他フィルモグラフィなど詳細については、Wikiさん、よろしくお願いします。

フェリーニ作品ってクセ強いよね

わたしはフェリーニが大好きで、どうにか全作品観たいと奔走していたが、昨年までにようやく全監督作品(一部オムニバス等除く)を観ることができた。(注1)しかし、全部観なくてもわかる。フェリーニ作品ってクセ強い。
そして、最初の方にクセが強すぎる作品を観ると、人によっては引いてしまい、しばらく観なくなる(笑)

余談:わたしの場合

(ここは自分語りなので、読み飛ばしても支障ありません)

わたしの場合、1作目に『フェリーニのアマルコルド』を観て、「結構好きかも」と思った。
本作は途中から1, 2位を争うほど好きな作品になった(今もそう)が、第一印象もそこそこよかった。
しかし、2作目に『カサノバ』(1976)を観て、正直引いてしまい、しばらくフェリーニ作品を観なかった(笑)
カサノバのヴィジュアルに悪意を感じたし、長い(148分、155分版もある)し、セットであることを一ミリも隠そうとしない。当時の自分の映画全般についての知識不足も手伝って、自分にはすんなり受け入れるのが難しかった。
カサノバが行く先々で女性とメイクラヴしてるだけに見えたしね(カサノバの話なんだからそりゃそうなのだが)(注2)
フェリーニ作品を他に色々観てから改めて本作を観ると、そのへんも含めて好きになった。
満たされない、なんとも寂しいカサノバの人生にも思いを馳せられるようになった(さすがに少し長すぎるとは思うが)。

参考:ドナルド・サザーランド演じるカサノバ
画像引用元:イタリア語版ウィキペディア

話を戻して、わたしは今でこそフェリーニが大好きだが、クセの強さを否定はできない。
そして、当時のわたしのように、最初のほうに観る作品を間違えて、その後観なくなるのはもったいない。
作品によっては観やすさと個性のバランスが取れた作品もあるし、そういう作品から観るのが良いのではないかと考えた。

そこで、この名監督の誕生日に、フェリーニをはじめて観る人や、代表作を少し観てみたけど苦手だなと思った人がスッと受け入れられる作品を紹介したいと思った。
というわけで、今回はわたしが選んだ作品2本『青春群像』(1953)と『フェリーニの道化師』(1970)を紹介したい。

(文脈的に『フェリーニのアマルコルド』じゃないんか、と言われそうだけど、見やすさ最優先でこの2本で…あと、本作は思い入れが強すぎて、酷い文章になりそうなので今はやめておく…笑)

どう「クセが強い」のか(ざっくり)

作品紹介の前に、どう「クセが強い」のかについて軽く触れておく。

クセ強い、つまり、フェリーニの作風は好き嫌いが分かれると思う。
詳細は『8 1/2』以降の作品を実際に観てみてほしい。カラーになるともっとすごい。

1. ストーリーがほぼない(中期以降)

フェリーニ作品、『甘い生活』あたりからストーリーがぼやけてくる。『8 1/2』でほとんどストーリーらしいストーリーがなくなる。(注3) その後の初のカラー作品『魂のジュリエッタ』(1965)以降はとりわけ、「今何見てるんだろ…」というシーンが増えていく(笑)(注4)
そこが好きなのだが、人によっては苦手意識を感じることになりそうだと思う。 フェリーニ映画の登場人物みんなクセ強いからこそ見ているだけで楽しいし、映像美には感動するのだが。

2. 映像に凝りすぎて退屈な時間がある&そのせいか長くなる(中期以降)

良くも悪くもたいへん映像に凝っている。コテコテである。
映像に凝りすぎた結果、この映像入れる意味あるのか?と感じるところや、意外に退屈な時間が結構あるし、結果として長尺になりがち。
退屈な時間帯についてはある意味集中力が要らないので楽かも…と思うけど、それはわたしが馴らされているからだと思う。
ちなみにセットも凝っている。チネチッタの第5スタジオをわが城としていたフェリーニ。中期以降はスタジオ撮影にこだわっていた。
セットの規模がでかすぎて予算爆上げタイプである(セットで道路を再現するとか)

3. 登場キャラもクセ強い(特に女性キャラ)

中期以降、巨乳巨尻のインパクト大な女性キャラを出しがちなフェリーニ。なんだかメイクもすごい。貫禄もすごい。
見た目も独特だけど、キャラも独特よ。サラギーナとか。常に発情してるヴォルピーナちゃんとか。タバコ屋のおばさんとか。ダッチワイフ的な人形とか。
『女の都』(1980)とかいう作品もある。しょうもなさが嫌いじゃないけど、内容が内容だけに今のご時世で上映したら怒る人がいそう(爆)
男性陣もなかなかすごい。特に『サテリコン』のメンツとか。
さすが(?)紀元前のBL。
(フェリーニはまともに原作を読んでいないらしいが笑)

『8 1/2』のサラギーナのルンバ↓

などなど。

 「フェリーニ初見&苦手な人にこそ観てほしい作品2選」

ようやく本題である。前置きが長くなりすみません。
念のため再掲すると、『青春群像』『フェリーニの道化師』の2本です。

できれば両方観てほしいが、両方観るとしたらどちらを最初に観てもいいと思う。『青春群像』はフェリーニがどうとか関係なく映画として面白いと思うが、フェリーニの個性を知るという目的で見ると少しパンチ弱め(だからこそ最初の方に観るのが良い気がする)
『フェリーニの道化師』はよりフェリーニの個性が強めだけど、バランスが取れていて、入門に最適なのではないかと思う。

青春群像 (I vitelloni, 1953, モノクロ)

左から、レオポルド・トリエステ、フランコ・ファブリッツィ、
フランコ・インテルレンギ、アルベルト・ソルディ、リッカルド・フェリーニ
画像引用元:フェデリコ・フェリーニ映画祭公式Twitter

概要・コメント

フェリーニの初期代表作であり出世作。第14回ヴェネツィア国際映画祭でサン・マルコ銀獅子賞を受賞、第30回アカデミー賞では脚本賞にノミネート。生誕100周年の映画祭(2020年)でも上映された。

"I vitelloni”は〈乳離れをしない子牛(複数形)〉の意味で、それが転じて〈のらくらもの〉という意味だそう。
北イタリアの港町で定職に就かずダラダラしている5人の若者(アラサー)たちを描いている。
作中には港町出身のフェリーニが故郷で見た人々や景色が反映されている。
故郷を懐かしむ作品というよりは、決別の意思を感じる内容。
ちなみにフェリーニは港町出身だけどカナヅチらしい(そういうところに親近感を覚える)

しかし、次作『道』や50年代の代表作『カビリアの夜』と比較すると語られる頻度が低いような。
確かにこの2作はまぎれもない代表作で、両方ともアカデミー賞外国語映画賞(当時)を受賞しているし、妻のジュリエッタ・マシーナが主演でアイコニックだし、盟友ニーノ・ロータのスコアも素晴らしいのはわかる。
でも、わたしは初期作品では『青春群像』がいちばん現代人のわれわれに響くのではないかと思っている。
アラサーニート5人組がダラダラしている、言ってしまえばただそれだけの話だからこそ。
ちなみに本作は、スタンリー・キューブリックのオール・タイム・ベストだそう。

スタッフ・キャスト・視聴手段について

スタッフとキャストについて、詳細はブルーレイを販売している「復刻シネマライブラリー」さんにお任せ(笑)リンク先の通り4Kのブルーレイが販売されている。U-NEXTでも観られるよ。

あらすじ

1950年代、北イタリアの港町。女遊びにうつつを抜かすファウスト、姉から小遣いをせびって遊ぶアルベルト、劇作家になるのを夢見るレオポルド、歌の上手なリッカルド、そして最年少のモラルド。5人の若者たちは定職にも就かず、毎日ぶらぶらと過ごしている。モラルドの妹を妊娠させたファウストは責任をとって結婚するものの、父親の自覚はまるで芽生えない。そんな友人たちを眺めるうち、モラルドの心にある変化が訪れる。

出展:Amazonの本作の紹介ぺージ

『青春群像』がオススメの理由

1. ストーリーがある

『カビリアの夜』までのフェリーニ作品にはストーリーがちゃんとある。『青春群像』にもちゃんとある。
その点で本作はフェリーニあまり知らない&後期作品が苦手な人でも受け入れやすい。
また、初期2作のちょい滑った感じ(そこが味とも言えるが)や、直後の『道』や『崖』(1955)に見られる説教臭さや重さもない。純粋に娯楽映画として楽しめる。
ウィークポイントは妻ジュリエッタが出演していないことかな。(ジュリエッタ、やはりフェリーニ映画には欠かせないおひとりである)

2. 短い

108分と比較的短くて観やすい。上映時間ってやっぱり大切だと思うの。(注5)

3. ラストとサントラが良い

ネタバレになるので詳細を書かないが、ラストが良いのよ。
そしてやっぱりニーノ・ロータによるサントラ。前作『白い酋長』以降、1979年に亡くなるまでフェリーニ作品のスコアを書いた作曲家ニーノ・ロータ。フェリーニを語るときにロータの名前なしでは絶対に語ることはできない、最重要人物である。
映画音楽で活躍したけど本人的には本業はクラシックの作曲家らしい。『ゴッドファーザー』シリーズの例の曲の人でもある。
ロータのフェリーニ作品のスコアは基本全部良いので、『青春群像』のスコアを理由に他作品と比較して本作を激推しすることはないが、本作もコンビ2作目にして素晴らしいスコアを提供している。
なんとも寂しく美しく湿度があるメイン・タイトル。港町の潮風を感じる。

4. イタリア映画史で活躍した俳優が複数出演

日本で有名なイタリア人俳優というと、マルチェッロ・マストロヤンニがトップに来そうな気がするが、本作のメインキャラのひとりであるアルベルトを演じているアルベルト・ソルディは、本国ではマストロヤンニと並ぶスターである。
ここでは、本作に出演しているイタリア映画史で活躍した俳優3名(ソルディ含む)について軽く触れておきたい。

アルベルト・ソルディ(1920-2003)アルベルト役
ローマ出身の俳優、声優、歌手、作曲家、映画監督、脚本家。
イタリアのアカデミー賞、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で主演男優賞7回受賞。これは最多タイ記録である(ヴィットリオ・ガスマンと同率1位)。
代表作(出演)に『戦争・はだかの兵隊』(1959)『好敵手』(1962)など。
他のフェリーニ作品では『寄席の脚光』、『白い酋長』と『フェリーニのローマ』(1972, 出演シーンはカット)に出演している。
ちなみに本国には彼の名にちなんだガッレリア・アルベルト・ソルディという商業施設がある。

レオポルド・トリエステ(1917-2003)レオポルド役
レッジョ・ディ・カラブリア出身の俳優、映画監督、脚本家。
代表作(出演)にピエトロ・ジェルミ監督の『イタリア式離婚協奏曲』(1961)、『誘惑されて棄てられて』(1964)など。
『赤い影』(1972)『ゴッドファーザー PART II』(1974)、『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988)などにも出演している。
他のフェリーニ作品では『白い酋長』に出演。

フランコ・ファブリッツィ(1916-1995)ファウスト役
コルテマッジョーレ出身の俳優。
ミケランジェロ・アントニオーニ監督の長編デビュー作『愛と殺意』(1950)で銀幕デビューした。
代表作にディーノ・リージ監督『困難な人生』(1961)やピエトロ・ジェルミ監督『蜜がいっぱい』(1965)など。
ルキノ・ヴィスコンティ監督の『ベニスに死す』(1971)に出てくる理容師も彼である。ちなみにファブリッツィ本人は理容師の息子らしい。
他のフェリーニ作品では『崖』『ジンジャーとフレッド』(1986)に出演。

ちなみに、リッカルド役のリッカルド・フェリーニはフェリーニの実弟である(似てるよね〜)

『フェリーニの道化師』(I clowns, 1970, カラー)

画像引用元:イタリア語版Wikipedia

概要・コメント

かつてフェリーニ自身が魅了されたサーカスの世界と道化師をテーマにしたドキュメンタリー風(モキュメンタリー)映画。
元はテレビ局の声かけで製作がスタートした。放送形式でプロデューサーらがもめた結果、最初にテレビで放送(モノクロ)、次に劇場公開(カラー)で公開された。しかし、視聴率的にも興行的にも成功しなかった。
(この経験が後年の『ジンジャーとフレッド』でのアンチ・テレビ演出に繋がっていると言えるだろう)

フェリーニとサーカス、道化師は切り離せないものである(詳細は後述)。
そんなフェリーニがサーカスと道化師を真っ向から取り扱った作品であるにもかかわらず、取り上げられる頻度が少ないように見受けられる。
テレビが絡んだ(結果興行も奮わず)からか、前後数年の作品が強者揃いだからだろうか(『サテリコン』『フェリーニのローマ』『フェリーニのアマルコルド』)
きっと後者でしょうね。

スタッフ・キャスト・視聴手段について

スタッフとキャストについて、詳細はブルーレイを販売している「IVC」さんにお任せ(笑)こちらは2Kのブルーレイ。Amazonでもレンタルがあるよ(Amazon版は以前観たとき字幕に難ありだったけど、だいたいは把握できた)

あらすじ

幼少期、道化師に恐怖を感じつつも、魅力的なサーカスの世界、道化師たちに魅了されたフェリーニ。大人になり、フェリーニは消えゆく現在の道化師たちに取材すべく、撮影隊を引き連れて旅に出る。

『フェリーニの道化師』がオススメの理由

1. ストーリーがある

「ストーリーがある」というか、ドキュメンタリー仕立てなので、大変わかりやすい。
ドキュメンタリー(風作品)にありがちなトラブル展開もあったりして飽きない。
余談だが、おっちょこちょいのスクリプター、マヤちゃんがかわいい。

2. 短い

本作は91分と大変ありがたい上映時間。上映時間ってやっぱり大切だと思うの。サクッと観られる。

3. ラストとサントラが良い

ネタバレになるので詳細を書かないが、ラストが良いのよ。
音楽担当ニーノ・ロータ、今回もいい仕事している。道化師が持つ楽しさと寂しさ、時代とともに消えゆくその儚さが絶妙に音楽にも表れていると思う。
明るくて泣かせようという感じでもないのに、妙に涙腺を刺激される感じがいい。

ここまで『青春群像』とほとんど同じ流れになった(笑)

4. フェリーニ本人も出演

監督本人が出演している。体格が良いけど声は優しい。そんな優しい声で結構しゃべる。
小ボケを披露する(?)などちょっとしたファンサービスを見せてくれている。
ちなみに本作には『甘い生活』のアニタ・エクバーグやチャップリンの娘さん(ジョセフィン・チャップリン)も登場。

5. 「世界はサーカス、人は道化師」

「フェリーニとサーカス、道化師は切り離せない」と先ほど書いたが、幼少期のフェリーニがサーカスに魅了されたことだけが理由ではない。
フェリーニにとって道化師たちは「ぼくの天職を伝えてくれた使者たち」(注6)であった。結果として「特派員とサーカスの団長と画家を交じりあったような仕事」(注7)である天職・映画監督の仕事をすることになった。

そしてフェリーニは「世界はサーカス、人は道化師」(注8)だと語っている。サーカス(世界)に存在する道化師(人)について、トゥッリオ・ケジチのフェリーニ伝記の言葉を借りると、下記のように説明される。

道化師には白い道化師とオーギュスト(イタリアでは伝統的に〈トニー〉と呼ばれる)の二種類がある。言い換えるなら主人と召使い、社会に順応したものとそれに反抗する者、金持ちと貧乏人、理性と狂気だ。

トゥッリオ・ケジチ(押場靖志訳)『フェリーニ 映画と人生』(白水社、2010)461ページ。

そんな世界の見方をしているフェリーニが、文字通りの「サーカス」と「道化師」を真っ向から描いた本作には、フェリーニイズムが濃縮されている。
それでいてストーリーが分かりやすく、純粋に面白い(と思う)ので、きっと見入ってしまうこと請け合い。

おわりに

「初見&苦手な人にこそ観てほしいフェリーニ監督作品2選」として、『青春群像』と『フェリーニの道化師』を紹介したが、なんだか文字数のバランスが悪い紹介になってしまったような。
両方機会があればぜひ観てみてほしいです。
いずれ『フェリーニのアマルコルド』についてちゃんと書きたいな(未練)

おわり

2022.1.20 フェリーニ102回目の誕生日に Monet

注釈

(注1)作品コンプリートには2020年に発売されたThe Criterion Collectionのブルーレイ・ボックスセットにかなり助けられた。
英語字幕でもOK&金額が許せば(1枚あたりに換算すると破格だけど…)高画質で数多くのフェリーニ作品(と豊富な特典映像)を堪能できる。
後期作品がちらほら抜けているけど、日本盤がプレミアになっている『そして船は行く』が入ってるので良しとする。

下記はThe Criterion Collection本家による商品紹介ページ
(日本からは直接本家から買えないのが残念)

(注2)フェリーニはカサノバの自伝を好んでおらず「(読むにたえない)電話帳」とこき下ろしていたとか。
(注3)中期以降といっても『フェリーニの道化師』『ジンジャーとフレッド』あたりは比較的ストーリーがある。
(注4)初のカラー作品ということで、フェリーニのウキウキぶりが映像に現れている。しかしジュリエッタとは当時かなり険悪な仲だった模様。
そんな状況でジュリエッタ主演で「主人公が夫の浮気を疑う」という映画を撮るフェリーニ、どうかと思う(爆)
(注5)ちなみにフェリーニ作品で一番長い作品は『甘い生活』(174分)だけど、複数エピソード分かれてるし、少々ストーリーはあるし、雰囲気もいいしで、なんとなく3時間観れてしまう(と思う)。主演のマストロヤンニもかっこいい。
(わたしはマストロヤンニも大好きなので、じっくり話したい気持ちがあるが、またの機会に)
ちなみに次に長いのが『カサノバ』(148分)。体感時間では『甘い生活』より長い(と感じる)。
(注6)トゥッリオ・ケジチ(押場靖志訳)『フェリーニ 映画と人生』(白水社、2010)460ページ。
(注7)フェデリーコ・フェリーニ、リータ・チリオ(竹山博英訳)『リュミエール叢書24 映画監督という仕事』(筑摩書房、1996)168ページ。
(注8)トゥッリオ・ケジチ(押場靖志訳)『フェリーニ 映画と人生』(白水社、2010)461ページ。

参考文献

↑フェリーニの親友が綴った公認の伝記とのことだが、絶版になってて泣いた
(出版元の白水社のwebサイトからも削除されていた)
ちなみに下の2冊も絶版で泣いた。

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