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実は、自由は怖いものだって知ってた? / 新曲『不羈磊落』に込めた想い②

コンプリヘンドの新曲『不羈磊落』(ふきらいらく)のリリックムービーができました👏
の、②ということで、今回はメインキャラヘ込めた想いの話です。

コンプリヘンドとは?

私がアートワーク&マネジメントをしているバンドです。
正式名称は『comprehend』
「自分を生き抜く」をテーマに歌う、メロディアスなオルタナティブロックバンドです。

①はモブキャラに込めた想いの話です。
あえてモブキャラから語りました。
というのも、「自分を生きる」を伝えるためには反対の「一般の中に埋もれて見えない個人」の話を先に伝えたかったからです。


リリックムービーに込めた想いの話

改めて、新曲『不羈磊落』のリリックムービーを載せておきますね。

今回の記事も、ここに出てくるキャラクターたちの話です。

不羈磊落とは?

世間の習慣やくだらないことにこだわらず、縛られないこと。
という意味の四字熟語から採用したタイトルです。



メインキャラに込めた意味①「枠に縛られない」

メインキャラには、ジェンダーレスファッションの人物を配置しました。

実は私、性別のイメージをつけないジェンダーレスファッションというジャンルにとても感動しています。

バンドのテーマも一貫して「自分を生き抜く」であり
今回のタイトルは「習慣にとらわれない」という意味です。

ここで、「ジェンダーレスファッション」を使った意図が関わってきます。
今回お話する内容で使うジェンダーとは、男性らしさ女性らしさのイメージとして今回は話します。

ジェンダーロールの枠を曖昧にすることで、キャラクターを自由にさせたいと思ったのです。


好きな色すら使えなかった経験はありませんか?

たとえば、人それぞれ嬉しいや苦しいが違うよねって話です。
好きなものが当てはまるならいいけれど、違った時の苦しさったらないよね。

スカートや裁縫=女性とか、メカニックや理系工学系=男性とか、昔は選べないものが多かったと思います。
今の学生さん世代は少しずつ曖昧になっているけれど、昔は女性のサッカー部や野球部=マネージャーしか選べなかったりもしたな。

好きな色すら「男みたい、女らしくない、男なのに」などと言われて使えないことすらありました。
最近のお子さんたちは枠がどんどん曖昧になっているようで、ランドセルのカラーが多様なのも嬉しく眺めています。

もちろん、カテゴライズされた枠に入ることで安心感もあります。
変な目で見られないとか、目立たないとか。
でも誰かが安心だからといって、全ての方が安心するとは限らないのです。

前回の投稿「集合体は、個人個人の違いのある集まりである」というメッセージを、メインキャラにも託しています。


メインキャラに託した、曖昧さ

キャラクターとしては、男性女性の括りをしていませんが
若干男性寄りにしています。

ファッションにおけるジェンダーの枠が厳しいとされるのは男性の方が多いので、曖昧にした男性を描きたかったのです。
とはいえ、もうちょっと曖昧にできなかったのは私の画力のせい。
もっと上手く描きたいな…。

みんなが好きな格好をして、心地よく過ごせたらいいよなと思っています。
誰もが好きな色、好きな服、好きな環境で暮らせた方が、幸せだもの。

自分の幸せと、他者の幸せを混同しないでさ、
みんな否定の干渉をすることなく、好きに生きられたらいいな。
みんな自由であれ!



メインキャラに込めた意味②「怖いからこその勇気」

そしてもう一つ、メインキャラに託したメッセージがあります。

「怖い、傷つく、不安、その裏側にある想いに従って立ち上がる勇気」です。


実は、自由ってすごく怖いものなんですよね。
突然「明日から自由にしていいよ」と言われたらどうします?
会社、家族、社会のグループ等から解放されて肩書きが全部なくなったら、何をしますか?

なにしたらいいかわからないですよね。
そう、自由の第一段階目に来るのは怖いことに
「何もない、無価値のような自分と向き合うこと」です。

ちなみにこれは、2017年の私に起きたことでもあります。
会社の倒産と、バンドの活動休止が同時に起きて、何も無くなりました。

でも、生きるしかないんですよ。
命は、どんなに環境から切り離されても勝手に終わらないし。
他者に幸せを委ねてきた私は、完全に無になりました。

この時の私は無我夢中で生きたけれど、毎日ドロドロに泣いてました。


いつ自分に起きてもおかしくない「無価値感」

例えば、無趣味の仕事人間が定年退職後に、鬱になるとかもあります。
お子さんが実家を出て、暇になった親が鬱になるとかもあります。

これらと同じ。

奉仕する他者が突然無くなるということです。
残るのは、自分への無価値感。

実はね、自分の幸せや価値観を人に託すことはとても楽なんです。
そして日本では、他者貢献が素晴らしいことだとされ過ぎている。
なので、うっかり他者貢献をしていることで安心してしまいます。

実際は、自分が空っぽなのを他者で埋めているだけだとしたら?
と言われても…怖いですよね。(自分も怖かったからなぁ)

他者貢献のみに力を注ぐのは、無価値の自分がいつか強制的にやってくるので、本当に自分を1度見つめてやってほしい。
強制が来る前に。


この経験をキャラの演出に活かした「自分を生きるということの、本当の意味」

強制的にやってきた「無価値の自分の価値を知り直す期間」を得た経験から
「自分は何を望んでいるのか、心に従って立ち上がる勇気」が一番伝わって欲しいと願って、メインキャラの動きを考えました。


まずは、怖がって諦めて塞ぎ込んでいるキャラクター。
内にこもって諦めている段階です。

そして、周りの人のように立ったほうがいいのかと思い立ち上がっても、ずっと座り込んでいると立ち上がる力も無く転びます。
これは、最初は力が枯渇していることの表現です。

怪我は、心の傷の表現。
立ち上がることすら諦めてしまったり、自分を疑いたくなる期間です。
やめておけばよかったと、うずくまるのです。

でも、何も無いと思っていた自分を見つめ直すと、心が呼んでいるはず。
人は、本当に望むことの方が「怖い、嫌だ」と感じるそうです。
人から変だと言われたり、やめろと止められたりもしているはず。
それでも、気になっていて、諦めきれない。

それならば、立ち上がってみるしかない。
また転ぶかもしれないし、人から何か言われたり、止められるかも。
それでも、諦めきれないなら、自分だけでも立つしかない。

立ち上がってみれば、思っているよりも軽やかだったり、心地よかったりするのです。
なんだ、やってよかったんだ。
そう思える世界が来たらいいなと思い、演出をしました。



コンプリヘンドが伝える「自分を生き抜く」というテーマ

まずは自分の力で立ちたい所で立ってみようと勇気を出してみてほしい。
立ち上がる勇気を出す姿に、勇気をもらえる人がいます。
自分自身を生きようとしている姿に勇気をもらえる人がいます。

ただ、自分自身を生きているだけで、周りは勇気をもらうんです。


優しくしたり、何かをあげたり、頑張って何かをしなくても
ただ本当に心地よく生きる姿だけでも、「私もこうしたい」と思ってもらえる。
立ち上がることは勇気がいるけれど、その勇気は伝染します。

すごいよね。
私は、この最初の勇気を後押しできたら嬉しいと思っています。

そういう意味で、好きなことをしてって伝え続けているのが
comprehendというバンドです。

一番伝えたい話だったので…長いなぁ(笑)


この記事を見た人が、勇気を出してみたいと思える世界と出会えますように。
そして、その勇気の後押しに、コンプリヘンドのメッセージが力となれたら嬉しいです。



お知らせ

新曲『不羈磊落』は配信もしています。
🔗 視聴 / DL / ストリーミング
よかったらこちらからも聴いてやってくださいな!

見てくれたみなさまへ
コンプリヘンドの音楽や、私の書いたこの記事が
自分を生きる勇気を出す後押しをできていますように。

それでは、またね!

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