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その言葉で本当にいいのか?

こんにちは。
バンドの裏側作りの人「根本すず」です。

今回、わたしが取り上げたいテーマは『言葉』です。


夫と会話をしている時に感じたのですが、『言葉の意味』って人それぞれニュアンスが変わるんだと気づきました。
だからこそ、どういう意味で言葉を発しているのか意識しなくてはいけないんだと感じる日々です。

特にバンド運営ではキャッチコピーや曲のテーマを共有しながら進めるのですが、伝わらないこともしばしば。
失敗する中でわかったのは、
『小手先は透けて見える!』がダントツでした…!

誰かが使う言葉を当たり前だと思い、使ってしまうことってありませんか?
私は自分の不出来を心配して、他の人が正解なのだと思ってしまう癖を持っていました。

でも使おうと思っていた、その言葉。
言葉の意味、与える印象、意図も曖昧なままじゃないですか?

私はなんと責任感の無い言葉の選び方をしていたのか…。
気付いた時、ゾッとしました。


■例:『唯一無二』 / 本当はみんな唯一無二では?

以前、バンドで『唯一無二』をキャッチコピーに使ったことがありました。
『唯一無二』とは、「ただひとつのもの、ふたつとないもの」です。

ふと、言葉に違和感を感じたんです。

だってどのバンドを見ても、みんな違うんです。
ジャンルは色々、思想も、編成も、声質も、使う機材も、演奏スタイルも何もかも違う。

ということは、
“ ただひとつ ” という意味を使ってまで伝えたいものは何なのか』
を言葉にしないと、何者なのかなんて一欠片も伝わらない。

これが、私が言葉選びの重要さに気づいたきっかけでした。
ちなみに『唯一無二』という言葉は、これならば使えると感じられるほどに理解するまでは使うまい!と決めています。

唯一無二を掲げるバンドが多すぎて、言葉にする努力は必要だと感じています。
そして、その一歩踏み込んだ言葉の選択ができた時、他のバンドとは一味違った印象を伝えていけるのだと思っています。


■例2:『一生に一度!』と言えるほど、本当にたった一度だけのものを作っているのか?

「ライブは毎回、一生に一度しか見られないものです。」
「バンドは生モノ!」

という、バンドの誘い文句についても違和感を感じています。
私がここに取り上げた理由は、1人のお客様の言葉から。
SNSで発信されたのがこちら。

“「バンドって生モノだから見れる時に見ないといけない」みたいな言い方好きじゃない。
だってバンドが生モノということと同時に、ファンだって生モノ。
行かない・行けない、ということは理由に関わらず尊重されて欲しい。
行けたらそれは最高だけど、どんなことだってお互い様だと思う。“

投稿者様をお守りする意味も込め、内容は少し改変しました。
ご本人様には、お話する許可もいただいてから記載しています。

実はわたしもずっと違和感を感じていて、noteにも書きたいけれど、どう伝えようか悩んでいたときに、投稿者様が言葉にしてくれたのですよね。
「そう!これ!!!」って、見てすぐに熱くなったんです。


SNSに書くのって、ものすごく勇気いったと思うんですよ。
だってね、この方は色んなバンドが大好きな人なんです。
毎月たくさんのライブに通っているし、バンドマンのフォロワーもたくさん居る中での発言。
本当にみんなのことが好きだからこそ。
たくさんのバンドにもっと良くなって欲しいからこそ。
勇気を持って、じぶんの気持ちを言葉にしてくれたんだと思います。


それと同時に、この投稿見た時に、
「私たちバンドマンはお客様になんという気持ちにさせてきたのか…」
と衝撃でした。

だってさ、お客様は
「行かない、行けないことに罪悪感が湧く」
ということですよ。


罪悪感を感じさせていると知って、どう思います?
罪悪感を持ちながらライブに行きたいと思う?
わたしだったら、どんなに好きでも正直帰りたくなると思う。
次から行くの断ろうかな…とか思わせてるかもしれない。


オブラートに包まず、正直に言いますね。

『一生に一度』『バンドは生モノ』という言葉に共感するのは、
バンドマンです。


お客様が自分から『あのライブに行けなかったことが悔しい!』と感じるようなライブをして欲しい。

来てくれた人たちが自主的に
『あいつらのライブは見ないと損だよ!』
って、勝手に宣伝して回りたくなるようなライブをして欲しい。

そして、バンドマン自身の言葉でも、
『行けば良かった!』
と後悔するくらい、どれだけ最高なライブなのかを全力で伝えてください。


■伝える努力を怠けちゃダメだ。

私、前身バンドの時にとあるプロデューサーさんから言われたことがあります。

「君たちはどんなバンドなのか、一言で言える?」

私ね、この言葉がずっと忘れられないんです。

当時、全然無理だった。
伝えたいくせに、一言に凝縮なんてできなくて。
後悔が深く刺さってます。


一言だけしか伝える時間が無いなら、何と伝える?

たった一言で、運命だって変えられるかも知れないって考えたら、凄くない!?


『たった一言』なんですよ!

「一度聴いてよ!聴いたらわかるから!」では足りないと思うんです。
「あぁ、聴いておくよ」ってCD受け取って、そのまま開封もされないかも。

ジャブを打つような、相手を試すような言葉じゃまとまる気がしない。
今なら、研ぎ澄ました矢みたいな言葉でズバッといきたい。

もちろんね、失敗だってするかも知れない。
振り向いてすらもらえない言葉になるかも。
嫌われるような言葉になってしまう可能性だってある。
正義感や正解不正解なんて、人によって違いますし。

でもさ、一度試してみる価値はあると思う。
伝えてみたら、すぐに反応がわかる。
もしだめだったなら、すぐに改善もできる!
次はもっとすごい言葉に変わっていくかも知れない!

感情も脳みそも五感もフルに使って、
じぶんたちが、最高のバンドである証明をしていこうじゃないか!


「あなたたちは、どんな音楽やっているんですか?」
「あなたたちは、どんな人ですか?」



#バンドの裏側作りの人 #失敗例 #キャッチコピー #バンドは生モノ #バンド #セルフ運営

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