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SDGs×ビジネス(68):水素基本戦略

みなさんこんにちは!

私はエネルギー企業で事業開発をする中で、エネルギー×SDGs×ブランディングについて考えています。

このnoteは、読んでいただく読者の皆様と共に学び、知識の整理と共有を目的に継続していきます。

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今回は、2017年に作成された水素基本戦略を読んでいきます!


水素基本戦略とは

2017年12月、日本政府は水素に関する国家戦略=水素基本戦略を制定し、その中で将来的な水素のコスト目標を明らかにしました。また、2019年3月にロードパップを改定し、戦略の実現に向けて目指すべきこすろ目標の深掘りを行いました。

▼水素基本戦略▼

▼水素・燃料電池戦略ロードマップ▼

現在、日本における水素の取り組みの基礎となっている水素基本戦略の見直しが進められていると考えられます。これは、水素基本戦略内に対象期間の記載があるからです。

本戦略は、2020 年度を区切りとして進捗状況などをフォローアップすることとし、必要に応じて見直しを行うこととする。

見直しの時期を迎え、前回まで取り上げたIPCCによる第6次報告書のWG1の公表を受け、日本におけるエネルギー戦略も転換を迎えることになるかと思いますが、それに伴い、水素基本戦略も見直しが行われるかと思います。

その資料の一つとして、資源エネルギー庁の2020年11月の「今後の水素政策の検討の進め方について」という資料から、水素基本戦略の全体を見ていきます。


水素基本戦略における達成目標

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エネルギー基本計画(草案)にも記載されていますが、現在の水素の目標については、コストが2030年において30円/Nm3、2050年において20円/Nm3となっています。また供給量についてはエネルギー基本計画案においては2030年において300万トン、2050年において2,000万トンとなっています。この数値は水素基本戦略の見直しが進む中で、供給目標が上方に修正された形となっています。

また、水素の製造や調達に当たる供給側については以下のような見通しです。

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2030年に300万トンの供給を見込んでいますが、現在の日本のポテンシャルはどのようなものなのでしょうか。副生水素と呼ばれる、石油精製所などで副産物として発生する水素が190万トンほどあると言われています。現在、これらの水素は回収され、同一工場などでアンモニアの合成や熱源として利用されていますが、貴重な国産水素として、余力についてはしっかりと活用することが期待されています。短期的には石油などを原料に作られるグレー水素、もしくはCCUSを組み合わせブルー水素が水素供給の中心となるでしょう。

一方、消費側は以下のような見通しです。

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短期的には輸送、特に自動車における活用を最大化、また乗用車に限らずバス、トラックへ拡大します。また普及に向けた水素ステーションの拡大もFCVの普及にとって重要な課題となってきます。

中長期的には水素が産業における貴重な熱源であり、発電のエネルギーになることが期待されているため、エネルギー・産業分野においての試験導入、実証が進められてくことになるかと思います。





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