INTPの日常話

今日の、やっぱり母とは話が合わないな、と思った出来事。

夕食の場でのことだった。
私の母は嫌いな食べ物が多い。更年期というのもあるのだろう。
大まかに挙げると肉、魚、米、パン。その他にもあるけれど、これだけでもかなり食事の幅が狭まる。
それでも食事は作ってくれているのでその事に感謝はしつつも、「生臭くて食べられない」「気持ち悪くなる」などの言葉とともに勤め先の愚痴を聞きながらの夕食は、正直あまり気分は良くない。
他の家族の虫の居所が悪い時でない限り、そこには誰も触れないけれど。
経験上、面倒臭くなるのがわかっているから。

今日の夕食は、母が比較的食せる鍋料理だった。肉は後入れ式の。
私が酒缶のプルタブを開けた時、ダイニングのテレビに映った、ある芸能人を見て母が言った。
「私、この子嫌いなのよね」
聞いてもいないのに、母はつらつらとその理由を述べ始める。
父は無言だ。
ああ、いつもの嫌な感じがする、と思った。
今日は両親と私だけの夕食だったので、私が何かしらを返すしかない。
父も弟も、どうせこの手の母には何を返しても火に油と分かっているから、こういう時はいつも無言で食べ進める。
だから私が返すしかないのだ。
共感能力の乏しい、ガチガチ論理思考INTPの私が。

「わかる〜」と言ってほしいんだろう。
でも、私は母の嫌うこの芸能人について然程知らないし、興味もない。
画面越しの小娘相手に、「こういう人間はテレビに出るべきじゃないでしょ」なんて言ったとて、どこかしらの層に需要があるから彼女も仕事を得ているんだろうに。知らないけど。
「相手の気持ちを考えもしないで、自分の要求だけ突き通して」、「この顔じゃなかったら許されてないだろうに」、「私は何を言っても許されるみたいな態度とか、目上の人にも食ってかかるところとか本当に嫌い」
母がそんなようなことを言っていたので、「そういう人も需要があるんじゃない?」、「まあ芸能人だし」、「彼女が俗に言うコミュ症というものの中の、本物のそれなら仕方がないし、それが今のメディアでは売りになっているということなんじゃない?」みたいなことを返したと思う。
私としては出来るだけ穏やかな返答をしたつもりだったが、案の定母は「食欲失せた」とだけ吐き捨て、部屋を出て行った。
自分の望む答えしか受け付けないモンスターか?

父は終始何も言わなかった。
母が部屋にいなくなったので、父も何かを言うかと思ったが、やはり何も言わなかった。
私も自分の皿と酒の残りを流し込み、席を立った。
自室に戻り、煙草を吸う。
私が喫煙していることは既にバレているが、それでも一応隠れて吸い続けている。
私は、母も煙草を隠し持っているのを知っている。
数年前のある時、「女の人は煙草を辞められない」と父が零していた。
昔は両親共に喫煙者だったが、父は禁煙をした。
父も、母が煙草を隠れて吸い続けているのを知っているのだろう。
父の言葉を聞いた当時は、何を根拠とした話なのかということ、または女と一括りにした父に対する多少の侮蔑もあったが、まあそういうことなんだろうと思う。
結果的に、今の私は母と同じく煙草を辞められそうにないわけで。
早死にしたいので、辞める気もあまり無いけれど。
と、まあそれだけの話。







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