#異世界サウナ 登場人物・世界観メモ

このページは、不定期連載中の『異世界で追放されても、サウナさえあれば幸せです ーできれば水風呂と外気浴スペースもつけてくださいー』通称 #異世界サウナ の登場人物や世界観について、備忘等のためにまとめるページです。

登場人物

主人公たち

ユージーン
『サウナ&スパ みなの湯』店主、元フィン王国騎士。通り名は『絶界のユージーン』ほか、『邪炎竜殺し』『一人陸軍』『生きる防衛線』。無表情で屈強な大男。
武力はこと専守防衛において比類なく、シント防衛戦をはじめ多くの戦いで武勲を上げ、国民からの人気も高い成り上がり騎士。元は孤児。
フィン王国国王からの邪炎竜ナストーン討伐の命を受け、魔族の助けを得てこれを達成する。帰還後魔族への不干渉を国王に訴えたためフィン王国騎士団から追放される。
以後は魔族の少女ハラウラとともに『みなの湯』を経営している。
寡黙でぶっきらぼうだが、実際には思慮深く思いやりのある性格。サウナのことになると饒舌になる。
討伐遠征の際にサウナに目覚め、以降は「誰にでも安らぐ権利がある」として、魔族・人間双方別け隔てなく利用できるサウナを経営している。
一人称は「おれ」二人称は「お前」
【追記】
かつて『勇者』モーガンと共に戦いに臨んでいた。5年前のガダラ平原解放戦役では現在の大司祭クラウスとともに大きな武勲をあげている。
ユージーンがサウナを作ったのは、彼女にいずれ入ってもらうためである。

ハラウラ
本名ウラ・キャス・ハラウラ。『サウナ&スパ みなの湯』従業員。通り名は『ウ族の魔術師』。小柄な褐色の体に不釣り合いな大きな胸、銀色のウェーブした髪と長い兎のような耳を持つ女性。
氷の魔術を得意とし、その腕前はウ族随一。諸事情により氏族から追放されていたところを、氷の魔術をかわれてユージーンに同行する。ナストーン討伐において主力となる功績をあげた。それ以降も現在にいたるまでユージーンと行動をともにしている。
基本的には落ち着いた女性だが、お菓子やユージーンなど好きなもののことになると時折はしゃいだ表情を見せる。
一人称は「ボク」、二人称は「きみ」。(作者が忘れやすいので記載)

ラクリ(5話)
『サウナ&スパ みなの湯』従業員。通り名は『メカニック』。二足歩行する猫のような外見をしたネ族の少年。小柄で、ポケットのたくさんついた服に工具を収納している。
『転生者』のなりそこないで、この世界の文明レベルから逸脱した機械づくりの知識を持つ。その影響か、物事の効率について考えたり言及せずにはいられない性格で、もともとネ族の群れから浮いていた。
上記の短所を除けば、基本的に善良で明晰な少年。人当たりも良い。
常にク族の娘ホロンと行動を共にしており、そのことからネ族の群れを追放され、二人で『みなの湯』に転がり込む。
改装後の『みなの湯』の様々な設備を制作しており、遠赤外線ストーブやシャワー、ドライヤー(及びそれを転用したロウリュ用ブロワー)、オートロウリュなども彼が手掛けたものである。

ホロン(5話)
『サウナ&スパ みなの湯』従業員。全身にふわふわとした長い毛皮をたくわえる、巨大な二足歩行の狼のようなク族の女性。人間にしては大柄なユージーンを超える体躯と膂力を持つ。常に小声で喋るので、ラクリとハラウラぐらいにしか聞き取れない。
もともとはク族の大きな群れの出身で、序列が高く力も強いが、性格はおとなしく戦いや争いを嫌うため、落ちこぼれとみなされていた。
ラクリと出会い、群れや種族にとらわれない彼の生き方に惹かれ、行動をともにするようなる。結果、群れからは追い出され、ラクリと二人で『みなの湯』に転がり込む。
力仕事に加え、料理と家計の管理が得意。声が小さいので接客はできないが、『みなの湯』を裏方で支える重要な戦力になっている。

その他

セレーネ(1話)
フィン王国国王の末娘。結婚など人生に悩み王城を抜け出し、『みなの湯』でつかのまの安らぎと活力を得る。美しい金髪と美肌が特徴。ハラウラから『鍵の腕輪』を受け取っており、直通で『みなの湯』にアクセスできる。外気浴を経て露出に目覚め、王国女性のファッションを開放的にする。
【追記】
『みなの湯』常連になっており、新装開店の際にマ族の姫ショチトと、互いの境遇をしらないまま仲良くなる。

アミサ(2話)
劇作家。現在はセレーネの家庭教師も兼業している。貴族の娘なので教養もあり知的な女性。メガネと赤髪がトレードマーク。美男子に目がなく、美男子同士の恋愛を描いた過激な脚本が売り。取材力と観察眼には優れており、ユージーンとは戦記ものの取材をしたことのある仲。
【追記】
『勇者』モーガンと『英雄』ユージーンについて、取材して脚本を書いたことがある。その中でモーガンは「女性とみまがう秀麗な美青年」として描かれたため、市井に多大な誤解を振りまく結果になった。

メッツ(3話)
錬金術師。副業として薬や化粧品も作っている。高名な錬金術師に師事し、若いながら実力は折り紙付き。性格は凝り性で真面目、女性に免疫がない。アミサとは飲み友達。
ササヤとのロウリュ勝負を経て、『みなの湯』に石鹸や香油を卸すようになる。

ササヤ(3話)
キ族の薬師。北の森の白樺・338番目の株。301番目の株・サレイから薬師の役割と知識、経験を引き継いでいる。奔放な性格。キ族の中では若いほうで、年に一度花も咲く。
人間の木工師に頼んで体を削り出してもらったところ、妖艶な女性の体型を思わせる形になった。『みなの湯』に石鹸や香油を卸している。

クラウス(4話)
人間の聖職者・暗殺者。細身で生気のない青年。治癒の魔術の才能と、手先の器用さに恵まれ、以前は傭兵として活動していた。ガダラ平原解放戦役では、ユージーンとモーガンについて後方支援を行っている。
その後、家族を魔族に殺され、教会への所属を決意。才能を生かして暗殺者として技を磨き、教会の汚れ仕事をこなすうちに、若くして大司祭の地位を得る。
治療魔術を使った捨て身の攻撃は、ユージーンの膂力を上回るが、ユージーンが本気で怒るとユージーンのほうが強い。

モーガン(4話)
槍使いの女。ユージーンと並ぶほどの実力の持ち主で、あらゆる敵・あらゆる局面に勇敢に立ち向かっていく姿から『勇者』と呼ばれ慕われた。
肩書通りの剛毅で恐れ知らずな戦士で、陽気な性格だったが、数年前、窮地に陥った仲間を救うべく「何か」と契約し、人間でも魔族でもないモノに変化した。以降の目撃情報は少なく、行方は定かではないが、魔族と人間の戦場にあらわれては魔族を機械的に倒しているらしい。近年、魔族側からの侵攻が小競り合いにとどまっている理由であると推測されている。
教会は、モーガンを変化させた「何か」を信奉する「神」であるとして行方を追っている。

国王(1話)
フィン王国の国王。人間国家の対魔族同盟を主催する立場でもあり、強硬な魔族排斥派。教会への信仰も篤く、政治手腕も高いため国民の支持は高い。
【追記】クラウスを使って教会や国に都合の悪い存在を暗殺している。

ショチト(6話)
マ族の女で『魔王』の娘。一般的に『人間狩り』を行うことを種族全体の娯楽とするマ族の中で、ほとんど唯一それを厭う存在。だが、嫌いなだけでやらないわけではない。
強烈なサウナ行為によって快感を得ることを覚え、常連と呼ばれるほど『みなの湯』に通っている。『鍵の腕輪』を持っている。
直情的で考えなしな性格。

『魔王』(6話)
マ族の女で、ショチトの母。『魔王』と呼ばれるが、マ族全体を統治しているわけではなく、あくまでフィン王国周辺のマ族のトップであり、苛烈な『人間狩り』の腕前から、称賛を込めて『魔王』と呼ばれる。(スポーツや競技の飛び抜けて強い者が『絶対王者』とか呼ばれたりするのと同じ感覚)本人もそれを気に入り、ショチトにも同じように育ってほしいと考えている。

世界観等

人間:一番数が多く、広く分布する知的生命体。
【追記】もともとは肌の色や生まれにより別の種族とされていたが、マ族の活発な侵攻、及びそれに対抗する教会の発足と同時期に、異形の魔族と異なりおおよそ同じ容姿を持つ者、として「人間」という呼称が一般的になった。

魔族:人間以外の知的生命体に対する、人間側からの総称。そのため、姿かたちや知能の程度は多岐にわたり、様々な種族がいる。「魔族は人間を食う」とされているが、その性質を持つのは一部にすぎない。
過去の経緯もあり、現在に至るまで人間国家とは衝突を繰り返しているが、衝突の度合いは地域により異なる。
なお、人間から異種族を『魔族』と言うことは、魔族側からすれば差別的な表現にあたるが、親しい間柄であれば許容されることもあるし、人間側の語彙にあわせて、魔族自身が異種族を総称して魔族と表現することもままある。
【追記】その名前は、異種族を統率して軍を作り人間を襲う「マ族」に由来する。マ族が率いている異種族の集団全体を見て、恐れをこめて異形の種族全体を魔族と呼ぶようになった。

ウ族:兎のような長い耳を持つ種族。サウ山脈周辺に住み、氷の魔術に長ける。サウナは古ウ族語で「熱い家」を意味する。
【追記】石に水をかけておこる蒸気、及びそれをみんなで集まって浴びることを、古ウ族語で『ロウリュ』という。

ク族:犬のような外見の種族。石工や金細工に長ける。群れで行動することが多く、厳しい序列がある。
【追記】ネ族とは種族単位で仲が悪い。

ネ族:猫のような外見の種族。クリスタルの扱いに長ける。
【追記】香木を好み、リラックスすると語尾に「にゃん」がつく。ク族とは種族単位で仲が悪い。

キ族:樹木のような種族。長命で薬の扱いに長ける。
【追記】森ごと、木の種類ごとに部族がわかれる。部族全員のもとになる「大樹」があり、キ族の個人はそこから株分けされて殖える。(有性生殖を行わないため、雌雄の別はない)株が枯れると、知識や経験は次の同じ役割の株に引き継がれる。体を削って形を整える風習があり、削り出しが良いほど美しいとされる。

マ族:魔族の中で最も強い種族。数年に一度激しく活動し、他の魔族を率いて人間を襲い食らう。『魔族』という言葉の語源であり、魔族の持つとされる、人間を襲う・人間を食う・夜に活発になるといった性質をすべて持つ。
【追記】マ族は体質として刺激に対し鈍感で、一般的な食事・娯楽・欲求の充足で快楽を感じることが少ない。マ族が快感を得られるのは、強烈な刺激を伴うものと、『人間狩り』と呼ばれるマ族に特有の行動――多種族を率いて人間を襲い、食らうこと――による高揚のみである。

フィン王国:人間国家による対魔族連合の中核に位置する国家。禁欲的な教会の信仰を国教としている。

教会:正式名称は『教えの光の会』。フィン王国の国教であり、その他の国でもそれなりの信徒を持つ宗教。「神」とその「教え」を信奉している。「教え」の代表的なものは、欲深く享楽的であることを禁じる『禁欲』、魔族を敵として関わることを禁じる『反魔族』。かつてマ族と常に戦いが繰り広げられていた時代に発足し、『反魔族』の教義のもとに人間を団結させ守ってきた背景がある。

邪竜:各地に定期的にあらわれる巨大な生物。発生の原因や方法、周期などは解明されていないため、一種の災害とみなされている。人間に危害が及ぶ範囲に出現すれば、王国騎士団などが対応するが、討伐は容易ではない。討伐されたあとも、鱗や骨の体の一部は邪竜の持っていた性質を残し続ける。
なお、邪竜という名前をとり、多くが巨大な竜の形態をとるものの、一般的な竜とは全く異なる存在である。

南洋ドネシア群島:建前上は対魔族連合の一角である島嶼国だが、古くから海の魔族とつきあいが深いため、今も通商や交流がある。

ジンギス帝国:対魔族連合の一角である巨大国家だが、極東地域は魔族と古来より関連が深い。

魔術:超常の力により様々な現象を引き起こす技術。古くは魔族のみが使ったためこのように呼ばれているが、少数ながら人間にも使える者がいる。扱える魔術の性質や規模は使用者の適性に依存する。
【追記】教会の聖職者が使う魔術は、奇跡と呼ばれる。

クリスタル:様々な性質を持つ石の総称。灯火や蓄熱のクリスタルは比較的よく採掘できるため安価で一般に普及しているが、伝声や遠見など希少なものもある。

『電気』『ショートケーキ』『ゴム』:転生者と呼ばれる特異な能力や知識を持つ人々によってもたらされた技術により作られたもの。技術を理解し製造できる人材が少ないため、希少な品。他にも『鍵』(シリンダー錠)や、各家庭に引けるだけの水道などの衛生インフラ、人間国家の共通言語(魔族も用いる)、摂氏温度やメートル法をはじめとする統一単位など、現在では当たり前に生活に馴染んでいるものも、過去の転生者由来の技術であるが、それを知るものはごく一部。

『転生者』:この世界から逸脱した知識や技術を持って生まれてくる存在。どこか別の世界で生きた別の誰かが、意識や知識を持ったままこの世界に生まれ変わってくる、という考え方があり、そのことから古来よりこの名前で呼ばれていたが、教会は生まれ変わりを教義に持たないため、「世界を生に転じる」という意味であるとしている。
『転生者』がもたらす知識はこの世界の技術の進歩を大きく推し進める。特に顕著に影響が見られるのは公衆衛生の分野である。数十年前、世界に大規模な病が広がったが、『転生者』が公衆衛生という観念、及び上下水道・清掃事業・公営病院・保健所・公衆浴場などのインフラ整備に関する知識と技術をもたらし、致命的な結末を防ぐことができた。
ただし、上記の例は極めてうまくいった場合の例であり、いくら『転生者』が卓越した技術や知識を持っている場合でも、それを他者に伝える技術がなかったり、そもそも完全な転生に失敗して知識のみ・人格のみが転生後に「焼き付いた」場合などは、よくて一代限りの達人、最悪単なる異常者として扱われるだろう。

機械:『転生者』や一部の天才のみが作ることのできる、複雑な機構を持った装置。(難しそうなものはだいたい機械と呼ばれる)
性質上大量生産ができないため、美術品と似たような扱いを受け、珍しいものは王族や貴族などが収集しており、一般の庶民に渡ることはまずない。ただ、機械をもとにして有能な職人などが、理解できない機構をクリスタル等の現存するものに置き換えるなどして、その劣化版を作れるようになることはままあり、直近の例ではシャワーなどがそれにあたる。

サウナに行きたいです!