麻雀用語を用いない麻雀講座を考える第11回「順位点の概念を身につける」

 入門者向けの麻雀講座には書かれないものの、麻雀で勝てるようになるためには非常に重要な概念。それが「順位点」です。順位点と言えば順位に応じてつく点数であることが分かりやすいですが、そのように呼ばれることは少ないですね。順位点には大きく分けて、「ウマ」「オカ」の二つがあります。

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 画面上の説明に「ウマ」という単語が見えます。麻雀を知らない人がウマと聞くと動物の馬のことしか思い浮かばないかもしれませんが、実は「馬」が語源。競馬の馬身、着順差から来た言葉です。

 +15、+5、−5、−15と、一見控えめな数字が並んでいますが、麻雀において「+1」とは1000点のこと。つまり+15なら15000点。1位を取ると15000点もボーナスが入ります。親の満貫12000点よりも高い。麻雀は単に得点を競っているのではなく、順位を競っているということがよくわかります。

 「オカ」は言うなればトップ賞。トップの人に更に得点がボーナスされるルールです。漢字で書くと「丘」。最初は平たい点数がトップの人に点数が渡ることで丘のような傾斜が出来ることがその語源となったのでしょうか。オカに関する現在最も主流なルールは一般的に「25000点持ちの30000点返し」と呼ばれます。原点の30000点から四人が5000点、合計20000点を供託に置いて、トップの人が総取り。実際に点棒のやり取りをしているわけではないのでイメージが湧きにくいですが、20000点となると親の跳満18000点以上。高い手を和了したり和了されたりで一喜一憂しているのを尻目に、実は対局終了後にとんでもない点棒のやり取りが行われているのです。こんなに重要なルールを、「知らなくても遊べる」という理由でないがしろにするのはもったいないことですね。

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 雀魂(四麻)は25000点持ち。それなら当然オカもある…と思い込んでいたのですが、(46900−25000)/1000=21.9、ウマ15を足して+36.9。よって、「25000点持ちの25000点返し」でオカは存在しません。(その割には30000点を超えていないと西入があります。変なルールですね。)

 雀魂の順位点はオカに加えて「段位点」があります。「玉の間四人打ち東南戦」なので、1位+110、2位+55、3位−5、4位は段位によって変動。今回4位だった方は段位が雀聖☆2だったので−225。小数点以下は+なら切り上げ、−なら切り捨て。36.9+110=146.9。切り上げで+147ptを獲得することができました。

 …麻雀において、「+1」とは1000点のこと。つまりは147000点!持ち点は最早飾りも同然。ややこしい得点精算をしているにも関わらず、実はほぼ順位のみを争っているのです。

 麻雀講座の仕様上、順位点の話は取り上げるとしても一番最後の方になります。ほとんどの人は一番最初から読み進めるでしょうから、最後の方は読んでいたとしても印象に残りづらくなってしまいます。今後麻雀講座を書くのであれば、順位点の話は一番最初に持ってきてもよいかもしれませんね。

 順位が決着する最終局(オーラス)で具体的にどのように打てばいいかはこちらをご覧下さい。麻雀は「終わりよければ全てよし」。オーラスこそ集中して打つべしと書いていますが、人間の集中力には限りがあるので、「終わりに近くない段階では気楽に打つ」くらいがちょうどいいかもしれませんね。

 次回からは、従来の麻雀用語について一旦整理するとともに、「麻雀用語を用いない(正確には、従来の麻雀用語以上に意味を把握しやすく、簡潔に記述することができる)麻雀講座」の制作に取り組むことにいたします。

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