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がんばれ藍住さん⑤


 藍住さんは降りる時の手順は出来ていることが多いのですが、たまに今回のように2シャンテンから生牌の字牌を切ってしまうことがあります。

 理由として考えられるのは手牌を崩したがらないこと。現物は2p4p5sがありますがいずれもメンツかリャンメンの一部。いずれも和了を目指すのであれば手をつけることがない牌。手牌を崩したがらないというのは和了を諦めきれないということですから、無スジの数牌ならともかく、字牌くらいなら切ってしまおうと判断してしまったのではないでしょうか。

 前回は和了を諦めず現物を抜かない選択が功を奏しましたが、今回は現物を抜いてでもベタオリすべきケース。こうした問題点の解決策として考えられるのは、「リーチがかかったら押すか引くかの方針を決める(決めるのはあくまで方針。押すと決めても最後まで押すとは限らないし逆も然り)」ということ。そうすることで、「押せないのに引けてない」「引く必要がないのに押せてない」のような、結果に与える影響が大きい悪手の割合を減らすことに繋がります。

「押しすぎ」「引きすぎ」という言葉はよく聞きますが、天鳳位クラスの超実力者間ですら押し引きの傾向に個性が出るのですから、「押しすぎるだけ」「引きすぎるだけ」なら十分実力者。「押してもいないのに引いてもいない」打牌を減らすことこそ上達のコツです。

 藍住さんは七対子が苦手ですが、一番好きな役は二盃口。二盃口も七対子の形やんけと突っ込みたくなりますが美しさが段違い。私も大学に入ってしばらくしてからのクラス合宿で同級生から二盃口を和了った時は喜び勇んだもの。今年に入ってからその同級生と久しぶりに連絡を取りましたが、彼も当時の出来事を覚えていました。それくらい二盃口というのは美しく印象に残る手役です。

 しかし美しいというのはそれだけ自由度が低いということ。どんな牌でも使用可能で、メンツが1つもなくても和了可能な七対子の自由度の高さとは比べものになりません。そのうえでダマ出和了二盃口は3飜40符5200。ダマ出和了七対子ドラドラは4飜25符6400。何とも難儀なものです。

 藍住さんは手役に限らず美しいものが大好きですが、その感覚が麻雀で勝つためには足枷になっているかもしれませんね。麻雀では何処までいっても外見より中身。点棒がなんぼ稼げそうかで勝負しましょう。つまり局収支おじさん、資本主義おじさん(彼女の彼氏への渾名)になるということです。

 藍住さんはくっつき1シャンテン「23331」の形を認識するのが苦手。2334sの形を残して1245sツモでもリャンメンテンパイに取れるように受けます。

 「シャンテン数」「ブロック数」の概念はすっかり浸透したように見受けますが、両者を併記した戦術記事を見ることは不思議とあまり多くありません。藍住さんも時折シャンテン数やブロック数を数えたりしているのですが、それが効果的に活かされてないのも両者が結びついてないことに理由があるように思われます。最近くっつき1シャンテンを「23331」(先頭の2が雀頭、3がメンツ、1が浮き牌)と表すようにしたのもその為。単に数字を並べただけですが、「」の総和が13より1少ないから1シャンテンであり、「」の中に浮き牌を表す1が含まれているのでブロック不足というように両者を併記した表現です。

 打3pなら47pリャンメン待ち。タンヤオドラ3で巡目も深いことからダマでしょうか。藍住さんもリャンメンで待てたはずの聴牌からシャンポンにしてしまう人でした。

①23899p
②22399p
③22334r599
④22334r566

 ①~④まで14p待ちに受けられる牌姿ですが、待ち取りの選択肢も1~4通り。つまり待ち取りでミスをしてしまう可能性は①<②<③<④の順に高いと言えます。

 しかし手牌の価値も①<②<③<④の順に高いのは言うまでもありません。ミスの程度と頻度が低いほど実力が高いのは間違いありませんが、最初からミスを恐れていては価値の高い手組を作る技術が身に付かなくなる恐れがあるのですね。

 ツモった牌が2pだったのもミスの原因に挙げられそうです。ツモ1473pなら打5pとするところ。聴牌したら5pを切るつもりが、ツモったのが当初の想定ではない牌だったということです。

 このような内容は「初心者向け講座」でも扱われることは少ないものです。何故なら「初心者向け講座」を書く程度に麻雀に携わる打ち手は、初心者の頃からこうした平易な待ち選択を間違わないものだからです。私自身もそうでした。

 ある程度実力がついてもミスしがちな打ち手。こうしたミスはしないのに伸び悩む打ち手。その差は数字を画像認識する能力の違いに起因すると考えます。苦手な人が前者になりがちで、得意だけど自分の認識にとらわれがちな人が後者になるのですね。

 そういうわけで彼女には記憶力と算数力を上げるトレーニングを積んでもらうことにしました!成果が上がるといいですね。

 しかし結果的には先にラス牌8pをツモ和了。

 しかもリーチで跳満に上乗せされてしまったので、オーラス高めツモ裏1で倍満にするも点数足らず。藍住さんの逃げ切りトップとなりました!

 しかしここで運を使い果たしてしまったのか先週に引き続きトータルではラス。罰ゲームは休暇中の温泉旅行レポとなりました。彼氏とお子さんと三人で楽しんできてくださいね!

※本記事をサポート下さった方には、私の同級生との麻雀エピソードをお知らせしましょう。

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