楽しく勝つための現代麻雀技術論第2回「リャンメンで『待てるように』なれ」

 「楽しく勝つ」麻雀講座のパイオニアとでもいうべき麻雀漫画『打姫オバカミーコ』。第1回のテーマは「リャンメンで待て」。主人公ミーコの師匠役の波溜プロが、「役とか無視で、リャンメン率80%で打て。10回に8回だ。」と言うシーンが出てきます。

 リャンメンで待つ。基本にして重要な教えですが、性格の悪い自称麻雀オタクの私はつい、「テンパイ時のリャンメン率が80%もある雀士がいたら、先手が全然取れてない負け組。」と突っ込みたくなってしまいました。

 「何としてでもリャンメンで待とうとして、先手が全然取れない負け組。」これはまさに昔の私のことで、だから皮肉を言いたくもなったのですが、師匠に会うまでのミーコは、「山越本」もびっくりの中張牌単騎リーチの使い手。先手を取るのが上手い打ち手であればそれも効果的ですが、先手を取るのが上手くないうえに、「リャンメンで待てる時に待ててない」打ち手にとっては、「リャンメンで待て」こそ効果的なアドバイス。麻雀の正解が一つだとしても、そこに至るまでの適切なアプローチは人ぞれぞれです。

 ミーコは師匠に会ってからも、時折とんでもない悪形でリーチ(しかも結果的に大成功になったりする)することがありました。当時の私は、「そんなことする人はおらんやろ」と思っていたのですが、学生時代に麻雀覚えたての友人と卓を囲んで似たような事態(結果的に大成功になったところまで同じ)になったのを度々見て認識を改めることになりました。

「初心者はシャンポンや単騎待ちを好みがち」と言われることもありますが、私のように初心者の頃からなるべく待ちをよくしたいと考えるタイプの打ち手もいます。この違いはどこからくるのでしょうか。

 麻雀とは全く関係なく、全国デカ盛り巡りをしていた時の話。大食いブロガーナツメグ氏の車でお店に向かっていたのですが、ナツメグ氏から突然、「数字を画像のように頭の中でイメージできますか?」と聞かれました。「できる」と答えると、「やっぱり麻雀を打っている人はできるんですね。あれ意外と出来ない人がいるんですよ。」と言われました。

 数字を画像のようにイメージできるのが当たり前だと思っていた私は、この話を聞いてハッとさせられました。数字をイメージできないとなると、実際に見えている数字にとらわれがち。手牌にある数字がそのまま待ちになるのは、シャンポン待ちと単騎待ち。「初心者がシャンポンや単騎待ちを好む」のではなく、「数字をイメージできないとシャンポンや単騎待ちが残りがちで、そこから脱却できないが故に初心者止まりの人が多い」というのが実際のところではなかったでしょうか。

 見えない数字をイメージするのが難しいのであれば、23m、67pのようなリャンメンが強いということを形で覚える必要があります。「リャンメンで待て」というよりは、「リャンメンで待てるようになれ」と言った方が適切ではないかと思ったことです。

 逆に、見えない数字を容易にイメージできる人は、手変わりを過大評価したり、他家の反撃を恐れすぎるが故に悪形待ちでのリーチを控えがち。見えないものに過敏にならないようにしたいですね。

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