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もっと勝つための現代麻雀技術論実践編

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記事一覧

近況報告と今後の予定

①『令和版現代麻雀技術論』実践編

 実践編も鉄人社から出版します。旧版の90問(基礎60問応用30問)に加え、新規で60問追加予定。これから問題を収集する作業に入りましょう。

②魂天何切る

 第3回は今年3月30日(土)開催【四麻】となりました。私は当日までに四麻魂天になれていれば解答者として参加します。来月からは実践編の問題収集も兼ねて段位戦を再開しましょう。

③FANBOX

 台詞は

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実践編問90

 絞りと聞くとアガらせないための守りの手筋と考えがちですが、アガるためには他家にアガらせないことも必要なので攻める場合に用いることもあります。むしろ結果に与える影響を踏まえると、アガりたい局面における絞りの方が技術として重要までありそうです。こうした技術は軽視されがちですが、今回の局面のように、「他の要素で大差つかないから考慮するに越したことはない」ことが割かしよくあるのが麻雀。これまで何度も申し

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実践編問89

 もし7sをカンしていれば2sをツモってリーチして2sをツモりカン裏が2sでトップ終了。これ自体は結果論ですが、よりよい結果が得られた可能性がある選択肢に気付けるようになることは重要です。

実践編問88

 『勝つための現代麻雀技術論』出版後に天鳳を再開した際の対局より引用。実戦は四段配分(75-30-0-▲90)ということで押して結果的にはラス。しかし南をカンしていなければ耐えていたうえにカンせずとも打点が足りていたので南カンが疑問手だった可能性はあります。この点数状況なら何が何でも上位狙いと考えていましたが、あくまで場面場面に応じて選択同士を比較する必要があることに改めて気付かされます。

実践編問87

 元の牌譜は天鳳で新しくアカウントを取り一般卓で打っていた時のもの。当時の一般卓はトップにのみptが加算されるルールだったこともあり、最大限に跳満ツモを追う手順としてメンツを崩す選択が思い浮かび、実際にメンタンツモ三色赤をアガることが出来ました。

 天鳳に限らず、オンライン麻雀の打ち始めは初心者救済措置の意図もあってか特殊な順位点が採用されがち。高段位を目指す打ち手にとっては単なる通過点に過ぎま

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実践編問86

 一般論として牌を絞らない方が良いと言われるのは、下家のアガリ率を下げることが出来ても自分のアガリ率も下がり、代わりに上家と対門のアガリ率が上がること、上家や対門が鳴いていないならリーチがかけられるので鳴き手の下家より高い手をアガられてしまうリスクもあるためです。

 逆に言えば、絞り対象の打点が平均的リーチより高打点、子なら4飜親なら3飜が見込まれる仕掛けなら絞りが候補になることも増えます。今回

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実践編問85

 本来であればどの時点で鳴きが入ったかまで明記すべきでしたが、元データが牌画のみであったため分かりませんでした。基本的な押し引き判断から入るとどうしても、「鳴き手はリーチと異なり聴牌不確定かつ打点も安いことが多いから押しやすい」という発想になりがちですが、「手牌構成が絞れるので、通ってない牌の放銃率が高く、安手に見えても実はドラを抱えている可能性が読める場合もある」という要素もあります。読みの技術

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実践編問84

 鳴き手が聴牌しているかどうかの目安として分かりやすいのは、2副露+数回の手出しで聴牌とするもの。しかしこの方針ではたまたま1副露で高打点を聴牌した鳴き手に対するガードが脆くなってしまいます。副露数と副露牌だけでなく、どんな牌が河に並べられたかを確認しましょう。「この牌を切って聴牌していないことがどれほどあるだろうか(限られたケースしか想定できないので聴牌率が高い)」と考えれば、結果的に思わぬ大物

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実践編問83

 改めて見ると切る牌が通常無筋でも押し寄り(リーチ者のドラ所持率が低い、高打点1シャンテンについて当時の基準よりも押し寄りの見解が出ている)に見えますが、押すにしても比較的安全な牌から切ることで放銃率だけでなく和了率も改善します。和了には放銃しないことが条件だからです。

 聴牌なら押すことが多く、非聴牌なら引くことが多いのは確かですが、「聴牌に近づくほど有効牌が減り、元の有効牌が少ないほど有効牌

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実践編問82

3456から3を切るか6を切るか。これだけで一冊の問題集が出来ると言ってもよいくらい実戦では頻出事項。気付けば簡単でも実戦でうっかり間違えてしまうものから、気付いていても選択が難しいものまで様々あり、本問題集でも同様の問題を掲載したいと思っていたのですが、偶々おあつらえ向きな牌図が当時Twitterに挙げられていたので掲載させていただきました。

実践編問81

 本問題集の解答検証は当時の勉強会仲間数名と行いました。当時の私は研修で京都滞在中。夜間に宿泊所の最寄り駅にあるネカフェからスカイプを通して行いました。本書に採用されなかった問題を含めると100問以上ありましたが、集まったのは二日間だけで検討時間もトータルで6時間ほど。当時のメンバーの優秀ぶりに改めて驚かされる次第です。

とはいえ応用編については、もう少し時間をかけて検証したかった問題もいくつか

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実践編問80

悪形のみ手追いかけリーチの是非については以前取り上げましたが、本書の出版時期は「安牌切りなら対親リーチであってもベタオリに比べれば悪形リーチのみが局収支で勝る」ことが示される以前。現在では上記のようなダマ寄り要素があるとはいえ、親かつリーチ者がドラ北を切っていることを踏まえると天鳳段位戦想定でも打8pリーチとしそうです。

実践編問73



打9s 三色やチャンタなら4メンツ1雀頭の候補が足りていますが、鳴くと2翻以下になりやすい。それよりは1手変化が必要ですが、鳴いて3翻以上見込めるホンイツ、トイトイを狙う方が有力です。鳴き手はツモや一発、裏ドラがないので、高打点の受けや変化はメンゼン以上に価値が高くなります。特に鳴いても2翻つく手役に関しては、多少アガリ率を落としても積極的に狙うことが多いです。

 実力者でもベテランは迷わず

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実践編問79

前問に引き続き複数の引き寄り要素で押し引きが変わると判断した問題を取り上げました。問題作成から実に8年以上の月日が立ちましたが、改めて見返してみると実戦で同じように打てるか自信の無い問題ばかり。個人的にも押し引き基準の仕組みを改めて確認したいと思いました。