雑感

割と最近まで鬼のように仕事が忙しくて、結構しんどかった。ムカつくことばかりだ。こんなところでおれは一体なにをしてるんだろう。異郷でしんどい状況にある時、人はしばしば地元をなつかしく思うものである。疲れ切った私の頭に浮かんできたのは、地元の田んぼの景色だった。
そんなわけで私は、その田んぼの景色をなつかしく思い返して、そして今の私自身の状況を憐れみながら、詩のようなものを書き散らした。


時は過ぎていくけれど、ふるさとの田んぼの稲は育つよ、年が巡っても
学校帰り畦道を自転車で走っている
あたりは5月のまばゆい日の光に包まれている
そよ風吹けば、稲の青葉がさらめいて
田の面は波打ち、光の子を散りばめる
まるで光の海のよう
自転車から降りて飽くことなく稲の葉の輝きを見つめていた

東京暮らしも久しくなった
アパートの近くには畑はあるけれど、田んぼはない
東京の畑の景色も心なごむものではあるけれど
野川のせせらぎもやさしいけれど
ふるさとの田んぼの景色がなつかしい

思えば遠くまで来たものだ
田んぼの景色も今や遠くなってしまった
遠いところまで来てしまった

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