パニック障害は自分には関係ないと思っていた私の話①
しょっぱなから病気のネタとなりますが、「自分だけじゃないのかー」「そういや職場にパニック障害の人いたな」と読んでくだった方が、一人でもいてくれたらこんなに嬉しいことはありません。もし良ければお付き合い下さい!
その頃、私は車での移動が多い仕事についていました。1日200キロの移動も珍しくなく、「アタイ、ゴールド免許だもんねー」と高速でも、楽しく運転して楽しく仕事に打ち込んでいたものです(ちなみにこのゴールド免許はあえなくスピード違反という己の迂闊さでサヨナラとなりましたが、それはまた今度の機会に)。
本当に突然のこと。
それは、他県で仕事での移動中、信号待ちでのことでした。
「グシャ!」と言う音と、首がヘッドレストに激しくバウンドする衝撃。「追突された!」と気付いた瞬間にミラーで後続車を見ると、泣きそうな顔をした若い男性が…。
よくある交通事故でした。不幸中の幸いで、車間距離を開けるクセがある私の車は前の車にはぶつからずに玉突き事故を回避できました。うん、そこだけは褒めたい、私。
病院での診断は「軽いムチ打ちですね」。確かに大した痛みもなく、追突してきた青年も心から謝罪してくれたし、対応してくれた警察も保険会社の方々もよくしてくださったし、まあこれで済んで良かったんだと思っていました。
「後遺症に気をつけて」と周りに心配もされましたが、数日の休みで仕事にも復帰した私は「追突されちゃってさー」と笑って友達にも報告するくらい元気でした。
この追突事故のことすら忘れていたその半年程経ったある日のことでした。
運転しなれた高速に乗って20キロほどした時にその異変は起きました。
「あれ?手が痺れてる感じするけど、気のせいかな?」
次のインターまでまだ距離あるし…いつものように左車線で安全運転してれば大丈夫!そう自分に言い聞かせ、運転を続けました。
しかし、手の痺れは気のせいではなくどんどんひどくなり、焦る気持ちで動悸も強くなるのを抑えられません。
「どうしよう、高速で交通事故なんて大変だ!」
そう考えている間にハンドルを握る手は、痺れどころか自分の意志で動かせない程に強く固まってしまったのです。
ハァハァと荒い呼吸で、やっと見つけた高速道路の広い路肩にハザードランプをつけて停車した瞬間、冷や汗が吹き出しました。
「私の身体に何が起きてるの??」
今思えばこの日が、長いトンネルを進む始まりの日だったのです。