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未婚とお金と孤独 ~お金がないから結婚しない?~

 未婚率が増えているというニュースをよく目にするようになった。
内閣府『令和4年版 少子化社会対策白書』によると、2020年で50歳になった時点で一度も結婚をしたことがない人の割合は、男性28.3%、女性17.8%!
男性は約3割、女性は約2割でやっぱり高い…。

[図表1]50歳時の未婚割合の推移(出所:「令和4年版 少子化社会対策白書」)

 結婚しない理由は、なんとなく見当が付くよね。お金がないとか、相手が見つからないとか。結婚の意向はあるものとして、ちょっと調べてみたら、やっぱりそうだった。

https://toyokeizai.net/articles/-/657799?page=3

「相手に巡りあえない理由」が一番多いけれど、その理由が男女でまったく違う

女性、求める条件に合わない(よく見聞きする話。年収800万円以上とか、イケメンとか高望みもありそうだけど)。人を好きにならない(身も蓋もない…)。

男性、相手が自分を好きになってくれない(清潔感を保つとか、TPOに合わせたファッションにするとか努力の上でなら仕方がないか…)。身近に未婚者がいない(男性が多い職場環境とか土地柄もありそう)。

https://toyokeizai.net/articles/-/657799?page=3

 結婚しない理由は、男女のすれ違いが切ない…。双方ともに考えの転換とか、歩み寄りも必要そう。

 今回取り上げたかったのは、未婚の理由が、相手が見つからないじゃなくて、お金が無いがなくて結婚しない、できない方。

一人だと金銭的に生活が苦しいなら、二人で稼げばいいのでは?
 子供の養育費がかかるから、お金がないと結婚しないは確かに養育費・教育費はかかるから、これで躊躇することは分かる。自分もしくは相手が子供を望んでいるのなら。
 でも、私の周りには子供が欲しくて結婚したというより、好きな相手と一緒になりたいとか、一人じゃ将来が不安(孤独)みたいな理由も多かったと思う。結婚したら必ずしも子供を持つ必要はないと思うけれど、世間では結婚すれば子供を持つものだとの固定観念で、ただなんとなくそれが一般的だからという理由で「結婚=子供を作る」のであれば、再考した方が良さそう。子供の養育費が負担で結婚を断念するのなら、子供を持たない、もしくは、結婚後に金銭的余裕がいつまでに出来れば子供を持つことを考えようでも良いのでは?
 自分一人の生活で金銭的には手いっぱいであれば尚更、結婚した方が金銭的に楽だと思う。二人で働いた方が、収入が上がるでしょう?身体的に働けないのなら片方が養うことになるけれど。そうじゃなければ、二人で働いて一緒に住んだ方が金銭的にも余裕が出るし、孤独でもなくなる人が多いと思う。子供を持てるほど若くない中年の未婚者は、特にそう思うけれど。
 子どもを持つことに対する義務感について調べてみたら、アジア諸国はその傾向が強いとの結果が。

 稲作が中心な国が多いと感じるけれど、昔は米作りは家族総出だし、それで子供を持つことが義務になっていたのかもしれない。今は子供を持つことは個々の判断だから固定観念に縛られずに、一人で金銭的に生活が苦しいなら結婚(同棲も)してお互いに稼いだ方が楽だと思う。

一人暮らしと二人暮らしの生活費を調べてみた
一人暮らしの1ヵ月あたりの生活費の平均は18万円程度
。もちろん住んでいる場所やライフスタイルで異なってくると思うけれど、総務省統計局が公表している2022年の単身世帯の家計調査結果から、民営借家(アパート・マンション等)で一人暮らしをしている方の1ヵ月あたりの生活費の平均は以下とのこと。

総務省統計局「家計調査(家計収支編)調査結果」(2022年)

 じゃあ二人暮らしの場合はというと、総務省「家計調査 家計収支編」(2020年)によると、2人暮らしの平均消費支出は月額245,278円。

 手取りにおける生活費の割合を、以下のデータを使って考えてみると。
男性の30代前半の年収中央値は425万円、20代後半の年収中央値が369万円なので、30歳の年収中央値は397万円。同じように女性も計算すると346万円。男女の合計は743万円。

 一人暮らし男性の30歳の年収中央値397万円のおおよその手取りは300万円~340万円。間の320万円をもとにボーナスを40万として、残りの280万円を12か月で割ると、1か月23.3万円。生活費に18万円かかるとすると、残りは5.3万円。給料における一か月の生活費の割合は約77.3%(女性の場合は男性に比べて給料が低いのでもっと厳しい)。
 二人暮らしの場合、男性は上記と同様。一方で女性の30歳の年収中央値346万円のおおよその手取りは262万5,000円~297万5,000円。間の280万円をもとにボーナスを30万として、250万円を12か月で割ると、1か月約20.8万円。男女の月給の合計は一か月約44万円(ボーナス除く)。生活費に約25万円かかるとすると、残りは19万円。二人暮らしにおける給料における一か月の生活費の割合は約56.8%。一人暮らしより、二人暮らしの方が金銭面では断然に生活が楽になる結果に。
 若いと子供が欲しいかもしれないけれど、年齢的に子供が持てない中高年になれば、結婚しない理由のお金がないからという金銭面の問題については、結婚した方がマシということになる。
 
 また今後、未婚率が上がり深刻化してくると思われるのは、孤独という問題。金銭的に何とか暮らしていけたとしても、一人暮らしに孤独は付いてくる。
 孤独耐性は個人差も大きい感じがするけれど、寂しさにつけ込む犯罪が増えたり、孤独のあまり人によって自分に攻撃が向いたり(自殺率の増加)、他者へ向いたりする(無差別通り魔等)可能性がある。
 先日、「頂き女子りりちゃん」という、25歳の女性が逮捕され懲役13年・罰金1200万円を求刑されていた。ざっくっり説明すると、インターネット上で「頂き女子りりちゃん」と名乗った女性が、複数の男性から現金計約1億5500万円をだまし取ったなどとして、詐欺罪に問われたのだけれど、その騙しのノウハウをパパ活の情報商材として売っており、それを買った女性達が男性達からだましてお金を貢がせた事件だ。ここでターゲットになったのは「おぢ(おやじ)」とりりちゃんが呼んでいた孤独な(未婚の)中年男性。「コロナで収入が減り、借金を抱えている」などとうそをついて、現金をだまし取る手法がマニュアルに記載されていたようだ。結局のこところ、中年男性は寂しさや孤独につけ込まれて騙された。また騙した女性達の中心はホスト狂い(ホス狂い)でホストに貢ぐ金目的という、こちらも心の隙間を埋めるためというか…。中年男性からホス狂いの女性を経て、ホストにお金が流れるという構造。
 お金がないから結婚しないについては、お金だけが問題なら、子供を持たないのなら逆に共同生活した方が金銭的には楽だし、孤独になって自殺や犯罪に繋がるなら、結婚じゃなくても事実婚でも誰かと一緒に暮らした方がよいのでは?っていう、お話しでした。

 意見はいろいろあると思うけれど、それじゃ、まったねー。


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