忙しいアピールをする人は、決して仕事を手放さない
毎週月曜日にミーティングがあります。部の課長級以上が集まる、いわゆる幹部会です。
その席では、先週の報告と今週の予定を発表し、そのあと意見交換などがあります。
そこで飛び出すのは前向きな意見もありますが、部下や会社に対する愚痴も少なくありません。僕なんかは、部長が役員と知っていながら「経営陣が悪いですねこれは!」とわざと言ったりして楽しんだりしてます。悪いですね。
管理者が定期的に集まって意見というか本音に近い思いを伝え合うのは、それなりに効果があると思っています。上位役職者がバラバラなのは部下たちにとって最悪の状態ですから、管理者が目線を合わせる機会があることは重要です。
そんな中、高頻度で話題に上がる課題があります。
仕事が多すぎる、という主張です。
これは、会議に参加しているA氏が常々アピールしてくることで、自分が管理しているチームの仕事量の話ではなく、A氏自身の仕事量の話です。
A氏は「俺の仕事が多過ぎる。勘弁してくれ」と高頻度で懇願してくるのです。
確かに、A氏は遅くまで働いているようです。一番最後に退勤するパターンも多いと聞いています。
「聞いています」としか言えないのは、僕が本部でトップクラスに早く退勤するからです。ほぼ毎日定時に帰っています。僕の部下も大差ありません。
その一方で、A氏は遅くまで業務をし、部下も帰りが遅くなっています。そして、それを会社の体制のせいにしている。
業務が違えば、勤務時間も変わるかもしれません。でも、それは言い訳でしかない。なにより、僕が着任する前は、僕の部署は本部でもっとも遅くまで仕事をしていた部署だったのですから。
そうなると、当然の疑問が湧いてきます。
A氏の仕事は、本当に過剰なのか?
そして
A氏は、本当に忙しいのか?
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会社員というのは、会社に雇われて、与えられた仕事をし、給与を受領しています。それで生活をしています。
会社員の仕事は、与えられるものであり、自分で生み出しているものではありません。
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