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「可能性の在庫」を抱えて倒産するあなたへ

先日、ハッとするポストを見た。

これは「『自分はやれる』とか言いながら、実際にはぜんぜんやり始めない『やれるやれる詐欺』の、人多いよね」という文脈を受けてのものだ。

やれば、できる。

それは簡単には否定できない。

「やってみたらぜんぜん大したことなかった。もっと早くやっておけばよかった」

世間はそんな言説に溢れている。これはもちろん生存者バイアスが大いに効いている が、それでも一定の信憑性はあると受け止められている。

それでも、実際にやってみる人は少ない。というか、ほとんどいない。


確かに、何かを新たに始めるのにはさまざまな障害がある。

道具が必要だったり
時間が必要だったり
家族の理解が必要だったりする。

しかし、そんな御大層な理由ばかりではない、というのが先のポストの主張だ。

「実際にやってしまうと、本当にやれるのかどうかの答え合わせをすることになってしまう」

そして、

「その結果、実はできないことが判明したら、自分の可能性が一つ減少してしまう」

これらを、財務の言葉に置き換えると

答え合わせの前の「やれること」 = 在庫 = 資産
実際にはできなかった「やれること」= 不良在庫 = 特別損失

となるだろうか。

これはちょっと引くくらい残酷な事実だ。金融機関に勤務しているとそれがよくわかる。


自分自身を、まるで会社のように考えていく。

それは、人間だからこそ許されていた甘やかな事実を全て取り去り、本当の自分を剥き出しにしてしまう。

あなたはそれに耐えられるだろうか?


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僕は以前、商売をする上で守るべきものを裏ラジオで話した。

その中で、在庫について触れている。

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