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旅行記 / 道南・道東 真夏の北海道の名所を巡る [後篇] (2022/07)

前篇からのつづき。後篇は富良野観光の話からスタートです。


前篇では乗車がメインだったかと思いますが、後編はちょっとだけ観光成分多めで進めていきます。いや、あんまり変わらんか…?

ラベンダーで有名な富良野から本土最東端の納沙布岬、広大な釧路湿原など印象深い場所をいろいろと巡ることができました。それでは始めましょう!

何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:根室本線、富良野線、釧網本線、石北本線、千歳線、石勝線
● 主に行った場所:中富良野ラベンダー園、ファーム富田、納沙布岬、釧路湿原、六花亭帯広本店
● バランス:[観光] ・・★・・[鉄道]

◆Day 3◆ 花のまち・中富良野

美瑛から富良野まで南下します。美瑛では最後の方は少し雲が出てきていましたが、富良野は充分に晴れていました。日頃の行いですね!

まず駅前でレンタサイクルを調達。富良野では、よく名前を聞く「ファーム富田」に行ってみたいと思いつつ調べてみると…え、最寄り駅は中富良野駅なん!?今さっき列車で通ったやん。

…どうやら片道10km弱の移動が必要なようです。しかも動ける時間は3時間ちょっと。これは大変!知識ゼロで行くとこうなります。下調べしすぎると面白くないですが、しなさすぎるのも良くないですね。


まあこれはこれで仕方ないので、ラーメンで腹ごしらえするとしましょう。「富良野五郎ラーメン」で背脂味噌ラーメンをいただきました!旨い!

ちなみにトイレの消臭剤はラベンダーの香りでした。さすがです(?)。

それでは10kmの移動スタート!もし途中でパンクでもして動けなくなったらこの後の旅程は即崩壊。ちょっとスリリング。

このひたすら続く直線の道がやる気を削いでくれます。

ヒイコラ言いつつ何とか最初の観光ポイントである中富良野ラベンダー園に到着。ここまでで45分ぐらい漕いだと思います。ここでは小高い丘のようなところにラベンダーをはじめ、たくさんの花々が植えられていました!観光リフトで上から眺めることもできるようです。


続いてお待ちかね富田ファームへ。ラベンダーを間近に楽しめます。そして整えられた広い花壇の花々もとても綺麗!有名観光地ともあって、多くの人々が訪れていました。花畑を眺めながら「ラベンダーソフト」もいただきました。

中富良野の写真もたくさん載せたいのですが枚数が大変なことになるので、下のtweetの写真に絞っております。あとはご自身で実際に行ってみてください!

富良野の〆として、大雪山を背景に富良野線を撮影しました。ちょうど良いタイミングで列車が走ってきてくれました。

美瑛・富良野と大満足でしたが、一つ失敗したことが。日焼け止めも塗らず半袖で過ごしてしまったのです。結果、当然ながら日焼けしまくりました。腕と首が赤いしめっちゃ痛い。これはしばらくしんどいパターン…。

根室本線の廃線となる区間に乗っておく

富良野に無事に戻ってから前日乗った根室本線の続きに乗ります。前篇でも少し触れた通り、富良野~新得は廃止が迫っている区間です。記録に残していきましょう。

廃止が(ほぼ)決まった路線に乗る、というのは初めてかも。寂しいですが乗りに来られて良かったです。

停車中に一駅ずつ駅名標を撮っておきました。下金山からはだいぶ山がちになってきました。

列車の終点の東鹿越に到着。ここから新得までの区間は2016年の台風被害で不通となったまま。代行バスが運行されています。このまま復旧されることなく廃線となる見通しです。

代行バスの車内から東鹿越駅の様子を一枚。列車から離れていくのが寂しいですね。観光バス仕様の車両で快適でしたが、やっぱり旅情は半減するなあと思いました。

途中、原野に還りつつある線路の様子を踏切から眺めることができました。写真がブレてしまいましたが…。ここもゆくゆくは旧湯ノ岱駅付近のようになるのでしょうか。

幾寅駅は映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケ地ということで、看板が「幌舞駅」になっていました!駅前には車両も展示されており、観光客もそこそこ訪れていました。代行バスで進行方向左側に座る方が撮りやすいです。

東鹿越から落合まではわりとすぐでしたが、新得までのあと一駅分が長いんですね。でもその分(?)沿線屈指の絶景ポイントを通ります。

そのポイントは狩勝峠!実は根室本線の旧線も狩勝峠を越えていて、「日本三大車窓」の一つに数えられていたそう。今では鉄路はトンネルで峠を突っ切るようになりましたが、バス代行となって再び狩勝峠を越えることになりました。不思議な巡り合わせです。

バスからよく見えたのは一瞬でしたが、十勝平野を一望できたのが良かったです!

引き続き根室本線に乗って根室を目指す

代行バスは新得に到着。降りてからすぐにバスに戻り、東鹿越に向かう人もいました。

新得町は連続テレビ小説「なつぞら」のロケ地とのことで、ホームには横断幕が掲げられていました。

それでは釧路行きの特急おおぞらでさらに東へ向かいましょう。指定席でもそこそこ混んでてビビりました。いや逆にガラガラだと鉄路の危機ですけどね。

帯広、池田と市街地を通って進みます。途中の厚内を出ると太平洋が見えてきました!この夕暮れ時、ひたすら続く平坦な海岸線を見ていると何だか心細くなります。

海岸沿いの原野と湿地の図。物凄い大自然。そして漢字も当てられていないカタカナ地名を見るとなおさら北海道感があってテンションが上がります!


だいぶ陽も落ちてきたところで釧路に到着しました。海岸には大きな工場が立ち並んでいます。ここで花咲線に乗り換えます!なお「花咲線」は、根室本線の東端である釧路~根室の区間の愛称です。

モンキー・パンチ先生の出身地が沿線の浜中町とのことで、車体にはルパン三世のラッピングが!カッコいいですね~。

もう外は真っ暗。車窓の風景はまた明日のお楽しみにしましょう。

釧路から2時間半かけて根室へ。これがなかなか遠くて疲れました。特に、上尾幌から尾幌がそこそこ遠い。名前が似ている上幌延と幌延みたいです。90分ぐらいの長距離通学の学生さんもわりといました。お疲れ様です。

気温は17度!関西の夏ではあり得ない気温。涼しいどころか肌寒い。

駅前を歩くと北海道名物?のロシア語併記の道路標識も見ました!地理的な近さを実感できます。

今日は早朝からいろいろと観光と移動をして疲れました。ゆっくり寝ます。

◆Day 4◆ 本土最東端の納沙布岬へ

よく寝た…のかは分かりませんが、外に出ると朝からウミネコが元気に鳴きまくっていました。私にもそのパワーを分けてほしい。

まずは根室駅前から納沙布岬行きのバスに乗ります!

ちなみに観光周遊バスのようなものも走っていたのですが、私は普通の路線バスで納沙布岬へ向かいました。進行方向右側に海が見え始めたかと思うと左側にも見え始め、徐々に先端に向かっているのが実感できました。

道中よく目に留まったのが、街の至るところにある北方領土返還の呼び掛け看板です。昨今の情勢を見ているとより複雑な気持ちになります。仮に今も日本人が普通に居住していたらどんな感じだったのか?…などと考えたり。


地名も難しく、「珸瑤瑁」という場所も。「ごようまい」だそうです。絶対読めん。

そしてついに納沙布岬に到着!本土最東端の地に来ることができました。

納沙布岬の周辺で、昆布漁と陸揚げした昆布を日干しする様子を見ることができました。なかなか生で見る機会はないので面白いです。

再びバスに乗って根室駅に戻ります。到着してから暇つぶしに駅前を歩いてみると黄色いポストを発見!昨晩は真っ暗で全然分かりませんでした。

改札まで時間があったので改札口で並んでおいたのですが、しばらくすると大勢の乗客がぞろぞろやって来ました。どうやら観光周遊バスに乗っていた人々のようです。路線バスで先に着いておいて良かったかも?

乗り込んだのは快速はなさきです!キハ40とキハ54の2両編成でした。私はキハ40を選択。「北海道の恵み」シリーズの色鮮やかな車両です。ボックスシートの座席ですが、中央に机があるので飲食しながらでも楽しめそう。

座るのはもちろん進行方向左側。この先に現れる海岸線を間近に眺められるからです!

根室の次、東根室は日本最東端の駅。降り立ちはしませんでしたがバッチリ写真に収めておきました。

昨晩通ってきたところを西へ戻ります。やっと景色を見ながら楽しめます!

花咲線屈指の名所・落石海岸と厚岸湾

沿線の所々で牛や馬の放牧がなされていました。さすがは北海道!

そして敷き詰められた昆布。

続いて沿線屈指の名所である落石海岸へ。載せるほどの写真も撮れなかったので載せませんが、何もない台地上を走っていくシンプルさが車内からでも分かってワクワクします。ここは列車を空撮した写真が有名ですね。

浜中や茶内にはルパンとその仲間たちがいます!茶内では対向列車の遅れの影響で長めに停車していました。その間に駅舎や車両の写真を撮りまくり。

さらに進むと海面近くまで下りてきて、海を間近に眺めることができます。ここが厚岸(あっけし)湾です!

圧巻の眺め。こういう景色を見てみたかったんです!

他にもいろいろ見どころがあって常にスイッチオン状態だったので、内陸に入った途端に疲れがドッときてうとうとしていました。ボーッとしていたらいつの間にか釧路に到着。

釧網本線のノロッコ号で釧路湿原を縦断する

釧路駅ホームに停まっていたのはこれから乗る「ノロッコ号」です。これに乗って釧網本線を北へ向かいます。

4号車18列は読み通り最後尾かつ一番後ろの座席で、後ろを振り向けばすぐ後方展望状態!最高です。

トロッコなのでもちろん窓ガラスなど無く、心地よい風が車内を吹き抜けていきます。窓の外の釧路湿原もより鮮やかに見える気がしました。晴れてて良かった。

アテンダントさんがタンチョウやらエゾシカやらを発見して逐一アナウンスしてくれます。よくそんな簡単に見つけられるんですね…すごい。

窓の外に広がるのは圧倒的に広大な自然!忙しない生活をしている人間にはとても新鮮で、思わずため息が出るほどでした。いや常に出てたかも。

並走する釧路川を行くカヌーボートもありました。こうしたアクティビティも楽しそうですね。

湿原ノロッコ号は塘路駅までの運行で、すぐに終わってしまう印象でした。せっかくなのでもう少し長く乗っていたくもありますね。さらに先の標茶駅まで行く冬の湿原号にも期待しましょう。また今度来ます!

塘路駅前でソフトクリームを買って次の列車を待ちました。近くの展望台に登ってみましたが、列車と湿原をうまく一緒に撮るのは難しかったです。

網走行きの列車は座席が埋まるほどの混雑。18きっぷシーズンということも相まってか、意外と利用があるようでした。

釧路湿原を抜けてオホーツク海を目指す

窓側には座れそうにないので、代わりに前の方で立って前面展望をします。ひたすら続く直線で駅間も長い!ノロッコ号で訓練した成果もあってか(?)、タンチョウも2羽追加で発見。

摩周で降りる人が多く、ここでやっと座れました。清里町の辺りからは進行方向右側に山が見えてきました。これが斜里岳でしょうか?

初日の道南いさりび鉄道からそうでしたが、車内が蒸し暑いんですよね…。まあ窓を開けるのが冷房みたいなもんでしょうか。温暖化が進んだら本州と同じようになってしまうんかな、などと思いつつ。

そしてついに…。

夕暮れのオホーツク海が見えてきました!これは良い!

所々にピンクの花が咲いています。はまなすですね!特急列車の「はまなす編成」を思い出しました。この砂浜で暮れゆく海をただ眺めるだけでも充分リフレッシュできそうです。


しばらくオホーツク海沿いを走って終点の網走に到着しました。ここからは特急オホーツクで石北本線をひたすら西に進みます。乗り継ぎ時間は8分、夕食は…。あ…。

夕食が消滅する痛恨のミス!お菓子すら持たずに乗り込んで発車してしまいました。札幌まで5時間半、このまま何もなしか!?

私が乗ったのは車両の真ん中の方でしたが、183系は最前列から前面展望もできるようです。そしてハイデッカーグリーン車も気になる。


途中の北見はカーリングで有名ですね。大きい街、と思っていたらすぐに「エゾシカなどの野性動物が多数出没する区間に入る」とアナウンス。このアナウンスが入るやいなや、対向の特急大雪3号が鹿で遅延とのこと!

列車はスイッチバックで有名な遠軽に到着。進行方向が変わります。ということはしばらく停車するので…。

停車している間に自販機でアルフォートとコーラを得ました!これで小腹を満たせます。助かりました。

沿線が基本的に原野か原生林なので明かりも何もないところをひたすら走ります。そして突然の急停車!線路内に鹿を確認したとのことです。多数出没する野生動物に出会った瞬間です。結局、道中で2回急停車がありました。


上川からは街明かりが増え、人里に戻ったような感じです。旭川まで来たらもう帰ってきたも同然。まだ札幌まで1時間半かかるけど…。もう疲れて寝ていました。4日目はこれでおしまいです。

◆Day 5◆ 帯広の六花亭本店へ

今回の旅もついに最終日。もはや初日のことが遠い過去のように思えます。乗り鉄はエクストリームスポーツです。

特急おおぞらで、3日目にも通った帯広へ向かいます。この時点で石勝線にまだ乗れていなかったので、ただ乗るためだけにこの旅程を組みました。

南千歳で千歳線と分岐して東へ進んでいきます。所々に複線化用地に見える場所がありますが、これはどうやら排雪スペースのような気がします。実際どうなんでしょうか。

川端駅を出て、山がちなゾーンに入ってきました。そして新夕張から新得がめちゃくちゃ長かったです!トンネルも多い。乗る方もパワーが必要な区間でした。

さて帯広に着いて何をしたかと言うと、かの有名なお菓子屋さん「六花亭」帯広本店に行ったのでした!マルセイバターサンド、一度はご覧になったor召し上がったことがあるのでは?

店内に喫茶室があるのですが、そこは水曜日が定休日で残念ながら入れず。でも、立ちながらお菓子をいただけるスペースは開放されていたのでそこで楽しむことにしました。

コーヒーをお供に、アイスサンドと無性に食べたくなったモンブラン。両方美味しかったです!ついついお土産も弾みました。なお、お土産をいちいち持ち歩いていられない!という時は宅配便で発送してもらえます。

帯広での目的を無事に達成できたので、来た道を戻るとしましょう。

新千歳空港から猛暑の関西に戻る

帰りは特急とかちにしました。「北海道フリーパス」で指定席を6回使えるということを前篇で書きましたが、その6回すべてを違う特急にすることができました!車両は同じでもいろいろ乗れると楽しいです。

でも座席の窓割りには2日目に引き続き失敗しました。うーん難しい。

星野リゾートで一躍有名になった(?)石勝線内のトマムでは対向の特急と交換。乗車もそこそこありました。夏休み中とはいえ水曜日でこの感じなら土日はもっと混むかも…?

新得~トマムの間にある根室本線との分岐はトンネル内にあるようで写真は撮れませんでした。


南千歳で下車し新千歳空港へ向かいます。乗り込んだ快速エアポートは方向幕がLEDではない「幕車」でした。まだあるんですね。

数分で新千歳空港に到着!冬に行った分と併せてついに北海道の現存路線を制覇できました!めでたしめでたし。

駅にある本州と北海道の大きさ比べの図。改めて、北海道ってめちゃくちゃデカいですね…。

神戸行きの帰りの飛行機はAIR DOでした。北海道、また来ます!次は流氷のシーズンかな?しばしのお別れです。定期的に命の洗濯に来たい場所ですね。

北海道はよく晴れていましたが、関西上空に来ると積乱雲がモコモコと発生していました。そして積乱雲の中を突っ切る時にめっちゃ揺れる!ちょっと怖い。

神戸に降り立ってまず抱いた感想は…なんやこのクソ暑い土地は!4日ぶりの猛暑の関西、恋しくも何ともありませんが、まあ無事に帰って来られたので良しとしましょう。今回はこれでおしまい!


真夏の北海道、一言でいうと最高でした。そのスケールの大きさをはじめ、大自然など私の生活圏には存在しないものをたくさん見られると嬉しいですね。さっきも書きましたがまた近いうちに訪れようと思っています。

次は、三河と銚子を歩き回った話を書きます。

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