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旅行記 / 鳥海・青森 雪深い山と青森東西の街を巡る (2023/02)

今年も真冬の北東北に足を運んでみました。


…と威勢よく北東北と括りましたがメインは青森県です。八甲田山の樹氷を生で見てみたいというのが最初の動機で、そこから前後の旅程を肉付けしていきました。そんなこんなで乗ったことのない由利高原鉄道、歩いたことのない三沢へ行くことになりましたが、肝心の樹氷は果たして…?


何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:東海道新幹線、羽越本線、奥羽本線、大湊線
● 主な私鉄路線:京浜急行電鉄、由利高原鉄道、青い森鉄道、大阪モノレール
● 主に行った場所:弘前城、酸ケ湯温泉、青森屋元湯
● バランス:[観光] ・・★・・[鉄道]
 

◆Day 1◆ 庄内空港から日本海沿岸へ

今回は羽田空港から庄内空港へ飛んでスタート、そのためにまず夜行バスで東京へ行くつもりでした。しかし、南岸低気圧で夜に雪予報になってしまい大事をとって新幹線で前日入りすることに。途中で立ち往生&大幅に遅延…なんてしたら全て崩壊ですからね。

これが結局良い選択だったようで、東名ではどうやら通行止めがあったとのこと。仮に問題なく行けていたとしても安心感が違いました。出費はわりと嵩みましたが…。


それにしても、21時頃に京都を出ても当日中に東京に着けてしまう新幹線のすごさを再認識しました。車内もガラガラで嬉しい。でも臨時のぞみを3分間隔で出すほどの需要はあるんでしょうか…?

泊まったのは川崎で、朝から京急で羽田へ向かいました。まだ6時前ながら駅前のバス停の列が長い。荷物を置いて場所取り?している人もいました。皆さんこんな朝早くからどこへ行くのでしょうか?

無事に羽田空港に到着。思わぬ形で京急空港線を完乗しました。そして出発ゲートは大混雑。さすがは日本最大の空港です。

それでは朝日を浴びて出発!茨城県北部に入ったあたりで地上が白くなってきました。昨晩の低気圧の影響でしょうか。そこそこ広範囲で降雪があったようです。

庄内空港へは一時間の短いフライトで、飛んだと思ったらもう着陸態勢に。雲の中を突っ切って下降し、無事着陸!


空港周辺はそこまで雪が積もっていませんでした。天気は雪でも良いかなと思っていましたがめちゃくちゃ晴れ。昨年の同じ時期にも東北の日本海側に来ており、その日も快晴でしたね。早速バスで酒田駅へ向かいました。

さあここからは鉄道の出番です。羽越本線で秋田行きに乗車。車内は閑散としていて、窓からは鳥海山がよく見えました!

続いて穏やかな日本海が見えてきました。青々として綺麗で、真冬の日本海とは思えぬ穏やかさです。

鳥海山の麓を走る由利高原鉄道

さて羽後本荘から由利高原鉄道に乗ります!前年9月にリニューアルされたというノスタルジックトレインが停まっていました。乗客は意外と多かったです。先ほどの羽越本線がガラガラだったのでびっくり。

ちなみに一般車両(?)には下の写真みたいなラッピングがされています。「おばこ」は秋田弁で少女の意味だそうです。(Wikipediaより)

ノスタルジックトレインの車内では、アテンダントさんが一駅ごとに何かと沿線案内などをしてくださりました。

それにしても窓際は日差しで暑い!案内を聴きつつ、窓の外の雪景色を見て揺られながら終点の矢島に到着。車外もそんなに寒くなかったです。なお、観光列車のような位置付けである「おもちゃ列車」は改修中とのことで残念ながら運転されていませんでした。

矢島駅といえば、テレビで一躍有名人になった(?)まつ子さん。次の列車までの待ち時間にお話しさせていただきました!「人生」についていろいろ諭されました。時間は待ってくれないと。頑張ります…。

矢島を出発して羽後本荘に戻りました。雪景色の中に真っ直ぐ伸びる線路!そして引き続き見事な青空。撮り鉄にはもってこいの条件ではないでしょうか。

往路では気にかけていなかったのですが、子吉駅は千葉の江見駅みたいに、駅舎に郵便局が併設されているんですね。簡素な駅ですが面白いです。

羽後本荘から羽越本線に乗り換え、秋田からは奥羽本線へ。しばらくは座れないほどの混雑でした。前年の同日からちょうど一年、今年も同じく晴れていて同じく奥羽本線に乗っています。実は列車まで同じという…。謎の巡り合わせです。


八郎潟から曇ってきて、青森の碇ヶ関でみぞれ気味に雪が降ってきました。ちゃんと雪国に来た感が出てきてテンションが上がります。

弘前で人気の味噌ラーメンと雪燈籠まつり

弘前でそこそこ暗くなってきたので晩御飯を物色。いつかテレビで観た味噌ラーメンを思い出し、食べに行くことにしました。

中三(なかさん)デパートに入った瞬間に広がる味噌の香り。これは…!ということで、「中みそ」で辛味噌ラーメンをいただきました。調子に乗って大盛りにしたらなかなかの量。美味しい!満腹で腹ごしらえバッチリです。

それでは夕方からのメインイベントへ。念願の弘前城雪燈籠まつりにやって来ました!前年の同日にも弘前に来たのですが、開催中止となってしまってリベンジを、と思っていたので嬉しいです。ただし、例年開催されていた冬花火はありませんでした。

追手門から雪像やら燈籠やらが早速登場してワクワク。お堀の「冬に咲く桜」(下のツイートの写真2枚目)は、桜をピンクにライトアップして雪を花びらに見立てています。枝に雪がもっと乗っていればより綺麗とのこと。確かに前年と比べたら雪は少なかったですね。

高台からミニかまくらがズラッと並んで見える(写真3枚目)眺めは壮観。周りの皆さんもおぉ…と声を上げていました。19時からは冬囃子の生演奏も開始!ねぷたのお囃子からオリジナル曲まで充実していました。

やっと来られた雪燈籠まつりをゆっくり見て回ったため、青森行きの電車に乗り遅れそうでした…。逃したら一時間待ち、危なかったです。

◆Day 2◆ 八甲田山か酸ヶ湯温泉か

樹氷を見たい!と思って組んだ今回の旅程。八甲田山山頂へはバスとロープウェーを乗り継いで登ります。朝もバッチリ起きて、ウキウキで青森駅前のバス案内センターに行くと…肝心の八甲田ロープウェーが強風で運休中とのこと!これは不運。とりあえず予定通りバスに乗って行ってみますが、後は運転再開を祈るしかありません。

バス停は観光客で大行列。こんなに混むとは知りませんでした。チェーンを巻いた観光バスが登場して、観光客がぞろぞろと乗り込んでいきます。私はだいぶ遅れて並んでいましたが、何とか窓側に座ることができました。

市街地は雪ですらなく雨でちょっとテンションが下がります。まあこの辺で天気が悪いということは、八甲田の方はもっと厳しい状態なんでしょうね。次第に標高を上げていくと雪に変わってきました。

バスは十和田八幡平国立公園内へ。路面もなかなかの雪。道路の両脇は雪の壁になっています。雪の大谷を思い出しますね!

八甲田ロープウェー乗り場に到着しましたが、ご覧の通りの悪天候。吹雪による視界不良もあってしばらく運休しそうです。ここは一旦、酸ヶ湯温泉でゆっくりしてから戻ってきたときに再開してるのを期待しましょう。

酸ヶ湯は気象観測で積雪量が毎年めちゃくちゃ多いことが有名であり、妙な親近感があります。もちろん実際に行ったことはなかったので、仕方なしの代案といえどちょっと楽しみでもありました。バスはさらに標高を上げて、終点の酸ヶ湯温泉に到着しました。確かに雪深い…。

それでは早速酸ヶ湯温泉に浸かりましょう!まずは混浴で有名な「ヒバ千人風呂」でめちゃくちゃ温まりました。続いて半時間ほど休憩してから「玉の湯」へ。何度か湯船に出たり入ったりしていたのですが、しばらくして強酸性の泉質のせいか皮膚がピリピリしてきました。ほどほどにしておきます。


時刻は11時半。外は吹雪で視界が悪かったものの、建物の中でまったりしている分には快適ですね!朝から温泉三昧でダラダラできて最高です。ロープウェーはもう終日運休となりましたが諦めもつきます。

お昼は館内にあるレストランでいただきます。メニューを見て目に留まったピザとりんごジュースにしました。何か無性にピザを食べたい気分だったんですよね。食べたい時に食べると尚更美味しい!

13時半のバスで酸ヶ湯温泉を出発。吹雪は収まって止みました。八甲田山はまたリベンジしに来たら良いでしょう。樹氷ならぬ、道路脇の樹雪(?)を眺めて代わりとしておきました。バスは新幹線のはやぶさカラーでした。

ちなみに前日は快晴で、青空の下で綺麗な樹氷を見られたそうです。確かにあの山形の青空からも推測できます。悔しいですが、天気は運なので諦める他ありません。また訪れる口実ができたと思っておきましょう。

バスは三内丸山遺跡も経由しました。ここもちょっと興味があるので、ゆくゆく訪問したい気持ちです。今度はここと旅程を合体させるか…?

大湊線を乗りつぶし

戻ってきた青森駅で時間を取れたので、「のっけ丼」を食べに行きました。のっけ丼は自分で具材を選んで作る海鮮丼。数枚の金券の付いたチケットを買って、のせたいお魚の枚数分の金券と引き換えるシステム。宮崎飫肥の「あゆみちゃんマップ」を思い出します。

自分でいろいろと選べるのが嬉しいです!もちろん美味しかったですよ。

少し早めの夕食を終えて青い森鉄道で東へ向かいます。それにしても東北の鉄道って車内がめちゃくちゃ暖かいですね。おかげで眠気に襲われました。

野辺地(のへじ)から大湊線に乗り換えました!終点の大湊まで下北半島を南北に結ぶ、他のJR線とは接続しない飛び地路線です。夕陽が綺麗とのことですが、果たして?

列車は直線を快走!でも夕陽どころか、海が本格的に見えてくる前に暮れてしまいそう。まあさすがに厳しいですね…。今度来た時に期待しましょう。
※再訪は予想外に早くなってしまい同年7月。チラッと海の向こうに夕陽を見られました!その時の話はまた今度書きます。

下の写真は陸奥横浜駅。写真に写っている駅舎はリニューアル工事ののち、横浜町に譲渡されるとのこと。

乗客は10名ほどながら、大湊の一駅手前の下北までは全員が乗り通していました。そこそこの距離の移動となりますが需要はあるようです。

列車は終点の大湊に到着。もうすっかり真っ暗になってしまいました。誰も歩いていません。

今日は大湊に宿を取りました。小腹が空いたので近くのコンビニまで歩いてみましたが…車は少しだけ走っているものの、やはり人通りはほとんどありませんでした。

◆Day 3◆ アメリカンな三沢を歩く

朝の大湊は弱い雪がちらついていました。せっかくここまで来たので近くを観光してもいいのですが、今回は大湊線がメインだったのでまたの機会に。大湊から快速しもきた号で一気に南下することにしました。

線形が良く通過駅もあってどんどん進んでいきます。野辺地から先の青い森鉄道にもそのまま乗り入れるため、乗り換えなしで快適。


列車は三沢に到着しました。最終日であるこの日は三沢観光へ出かけます!外は細かい氷が降っていて寒い。まずは身体を温めるために駅の近くにある「元湯」へ向かいました。

ここはかの有名な星野リゾートの施設でありながらも、気軽に日帰り入浴ができるありがたい温泉。トロトロの泉質で、湯の山温泉を思い出しました。平日の朝から温泉に浸かれるのは最高です。風呂上がりには館内でしばらくゆったり休憩していました。


三沢駅は市役所などのある市街地から少し離れた場所にあるため、そこまで行くにはバスなどを利用する必要があります。私はもちろんバス移動です。

三沢と言えば航空自衛隊や、何と言ってもアメリカ空軍の基地が有名です。そんなわけで市街地には洋風な外観の建物や、電線が排された通りもあってどこか異国の雰囲気がありました。


お昼には「赤のれん」で三沢名物のバラ焼き定食をいただきました!牛肉のバラとタマネギでシンプルに。自分で焼きながらアツアツをいただくことができます。ご飯がもりもり進んで満腹になりました。

近くにある三沢基地も見に行ってみました。もちろん一般人は立ち入りできないので外から見るだけ。意外にも車両の出入りはたくさんありました。

周辺にはアメリカンな店舗ももちろん多く、アメリカ直輸入の食品や雑貨を売っているスカイプラザに立ち寄ってみました。外観からしてこんな感じ!中はさすがに撮影できないので、三沢に行かれた際にでもぜひ。

雪が降る中ひととおり歩いて三沢観光はおしまい。こんな雪国に米軍施設やアメリカンな看板がある、という自分には縁のないものの連続で、何となく不思議な感覚になりました。面白かったです!

三沢空港のレストランでは着陸機を眺めながら、三沢名物のチーズロールをいただきました。チーズを餃子の皮に巻いて揚げるだけというシンプルさ、これだけでどんどん箸が進みます!

それでは三沢から伊丹へ飛行機で帰りましょう。定刻通り出発したものの、しばらく前から降り出した雪が滑走路に積もっているとのことで、点検してから離陸しました。もし飛べんかったら、という不安も過りましたが無事に帰れそうです。ちなみに米軍の航空機も窓から見えましたよ!

離陸しても周りは風雪で何も見えません。こんな状況でもよく操縦できるんですね…すごいです。機体を揺らしながら雪雲の中を抜けたら雲一つなく、西側は綺麗な夕焼け!地上と上空でここまで変わるんですね。雪雲の低さを実感することができました。ひときわ明るい街が見えてきたら着陸、今回はこれにておしまいです。


今回は山形から秋田を通って青森へ行ってみました。八甲田山の樹氷は残念ながらまたの機会のお楽しみとなりましたが、鳥海山の麓から三沢までの広範囲を様々な角度で見て回ることができました。やはり東北は冬に行くのが面白いですね!

次は、3月に三陸と阿武隈に行った話を書きます。

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