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教科書で出会った物語 『秘密』?

国語の教科書といえば「やまなし」「白い帽子」「夏の葬列」「きつねの窓」…忘れられない物語が沢山ある。教科書は気付かなかった面白い物語を知る大事な機会だったから、私も新学期に配られるとその日のうちに読んでしまう子供だった。

その中で一つだけ物語をあげるとしたら、安房直子さんの「秘密」だ。この物語は(私の記憶が確かなら)耳鼻科に女の子が駆け込んできて耳に入ったモノを取ってほしいと必死に訴える話だ。私は途中まで「せっかちでうるさい女の子だなぁ」程度の気持ちで読んでいたと思う。が、耳に入ったモノと急がせる理由が分かってからは女の子と同じくらいヤキモキした。目の前に広がる砂浜。白い鳥。読み終わった後も暫く物語の中から出たくない、というかその余韻に浸っていたい。文章で読んでいたのに今でもその光景が頭に浮かぶ。

と、今でも鮮明に覚えてます感で書いているけれど実は題名を間違えて記憶していた。これを書きながら確認のため覚えている内容で調べたところ「秘密」ではなく「鳥」だった。なんてこった。今までどこかで偉そうに「秘密って題名の物語がさぁ〜」などと言ってませんように…。

そしてもう一つ。これは恋の物語だった。子供の頃からミステリーを多めにSFや童話、ちょっとホラー、純文学などを読んできたけれど恋愛小説は全く読んでいなかった。と思っていたのに、一番心に残る教科書の物語が恋の話だったなんて。何だかとても驚いた。私にも恋にドキドキする年頃が…いや、物語の展開と結末にドキドキした記憶しか無いな。そんな可愛らしい年頃は無かった。たぶん。

教科書で出会ってずっと心に残っている物語。自分だったら…と心に浮かぶ作品があるなら探してみて欲しい。もう一度読んでみると意外な発見があるかも知れない。いや、名作揃いだから余程のうっかり者じゃない限り「そうそう、これこれ!」と懐かしい気持ちになるでしょう。読んだ頃の記憶も思い出したりしますよ。

余程のうっかり者である私は、他にも記憶違いが無いか探してみようと思います。せめて大好きな「白い帽子」のタクシーは空色で松井さんですように…

こちらの企画をきっかけに調べてみて良かったです。メディアパルさん、素敵な企画をありがとうございます。

#教科書で出会った物語


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