見出し画像

君に贈るランキング / 毎週ショートショートnote

「本当、いい娘なんだよなぁ。」
何度目かのため息とグラスをテーブルに落とす。幼馴染達の太田は恋をしたらしい。
「やっぱりさ、褒めたらいいのかな。」
もうすぐ三十歳なのに上手く誘えないらしい。
「その娘が褒められ慣れてるとしたら印象にも残らないよ。」
「じゃ、逆に冷たくするとか?」
「気を引こうとわざと冷たくしてるのねってすぐにバレるよ。それより、その娘のいい所五つ言ってみて。」
「なんで?」
「五つめにいい所なら褒められ慣れてないだろうから、私ならちょっとドキッとするもの。それを伝えるの。」
「なるほど。君に贈るランキングか。」
太田は目を閉じて考える。彼女の姿を思い浮かべているのだろう。
「まず顔が可愛い。次に脚が綺麗。それから胸がデカい。お尻もキュッとしてる。二の腕がプルプル柔らかそう。とすると、五つめは二の腕だ。」
太田は目をキラキラさせている。
…ダメだ。絶対に嫌われるわ。
振られたらまた一緒に飲んであげるけどさ。


#君に贈るランキング

#毎週ショートショートnote

え!?サポートですか?いただけたなら家を建てたいです。