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針ほどの月明かりー27ー

公園の前を背の高い男の人が二人走り抜けた。通りの向こうで転んだクラーケンが男の人たちに囲まれているのが見えた。

ー今だ。今ならまだ逃げられる。

恐怖で固まっていた手をぐっと握りしめる。手に込めた力が身体を巡り動かなくなっていた足にも届く。

「真白、走るぞ。」

僕は真白の手を掴んで走り出した。もう絶対に戻りたくない。絶対に。

え!?サポートですか?いただけたなら家を建てたいです。