アイドル状の物体 / 毎週ショートショートnote
ー近況を報告せよ。ー
…順調に進んでいます。彼らはもはや我々の言いなりです。…
ー戦わずして侵略出来そうかー
…造作もないでしょう。嗅覚の鋭い犬という生物が我々に気づいていますが「ワン」としか言えないようなので脅威とはなりますまい。…
ー食物が豊富な星と聞いたがー
…ええ。我々好みの食物が豊富にありますし、彼らは必死で私好みの物を探してきます。特に縦長パウチに入った液状の物が格別です。早く司令官にも食べて頂きたい。あっ、すみません、奴らに見られていますので失礼します。…
通信を切ると私はすぐに一番小さなしもべの所へ走った。
しもべは私を見ると笑顔でパウチの封を切る。司令官には悪いが格別の味を堪能する時間なのだ。
「ちゅーる、美味しい?」
しもべは私が食べ易いように少しずつ押し出す。うむ、ご苦労。そして旨い。
「ママ、猫ちゃんが何も無い壁をじっと見てたよ。」
「ワンワン!(そいつ侵略者ですよ!)」
黙れ、ワン公。おやつの邪魔だ。
え!?サポートですか?いただけたなら家を建てたいです。