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ふと、いつもと違う道を歩きたくなった。カラフルな看板や人の流れから外れて少し暗い路地を歩…
私の店からほんの少し離れた路地裏に『秘密屋』はあった。前回来た時と同じ黒い服を着た細い男…
ちらちら揺れるヘッドライトを頼りに細く畝る山道を登っていく。あまり整備されていない道路は…
公園にある美術館に喫茶店が隣接されている。いつもは静かな店内も今日は課外授業で訪れたのか…
「だからさぁ、ねぇ、ちゃんと聞いてる?」 長く柔らかそうな髪を耳にかけ、ヒロコさんは話し…
午後の日差しが暖かい。夜には人通りも少なく薄暗い路地もこの時間は散歩や学校帰りの子供達が…
カラフルな看板や人の流れから外れた少し暗い路地。白い布をかけたテーブルに『秘密』と書かれた小さな行燈が1つ置かれている。 「あのぅ…」消えてしまいそうな小さな声がして座っていた男は顔を上げた。違う。こっちじゃない。いつもの『秘密屋』さんでは無かった。最近よく見かける若い男が金髪になっていた。以前より外人っぽく見える。「細くて背の高い男」には違いないが、『秘密屋』のイメージには明るすぎる気がして、女は次の言葉に詰まった。 「あ、いらっしゃいませ!」笑顔で元気よく挨拶されて、