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ゲームデザインと、それをどう伝えるか

ここ1年くらいバードヒーローというゲームを作ってまして、
それがある程度お見せできるものになってきたので、
試遊版として公開することにしました。
正式なリリースはもう少し先で、まだまだ作ってたりしますが・・。
ほど良い区切りなので考えてきたことをnoteに書いてみようかと思います。ざっくりと「ゲームデザイン」と「ゲームを伝える」というテーマです。
ゲームデザイナー視点とプロデューサー視点の話です。
興味がある方はどうぞ。

バードヒーローの概要

プレイヤーが鳥に乗るアクションゲームです。
ボクセルで描かれた3D感とキャラの動きがリアルで、ストップモーションアニメのような可愛さのあるゲームになってます。
鳥で飛ぶアクションと鳥から降りてフルーツを集める2つのアクションを交互に行うのが特徴のゲームです。

iOSとAndroid対応として開発中です。
現在、Android版のみ試遊版を公開してます。

バードヒーローのゲームデザイン

このゲームのコアとなるのがフルーツエリアでのアクションです。
コアのゲームデザインがしっかり出来ていると、ゲームが長く遊べたりローコストでも面白いゲームになるんです。
ここでは
1.ブロックを踏む。
2.フルーツを取る。
3.鳥に乗る。
という3つのやることがあって、それらが重なることでゲームの深みが増すように作っています。

フルーツエリアでのアクション

コンボでブロックを踏む

連続で同じフルーツのブロックを踏むとコンボとなり、フルーツがたくさん出るルールです。一見パズルみたいですが考えさせる要素は少なくて、アクションに制約がつく程度のものです。
ジャンプするたびに足場のブロックが少なくなり、だんだんと難易度が上がっていきます。
さらにコンボを狙うほどにアクションの難易度がアップするんです。

時間差フルーツ

ブロックを踏んで出したフルーツがしばらくして落ちてきます。
この「しばらくして」落ちてくるのがなかなか嫌らしくて…。
フルーツが落ちてきたときにはプレイヤーは他の場所にいたり、
フルーツを取りたいときに足場が無かったりします。

最後に鳥にのる

最終的に鳥に乗らなければいけません。
鳥の種類によって待機している飛行パターンが異なります。
動き回る鳥はやっかいですし乗るタイミングが一瞬の鳥もいます。

最終局面はこうなる

それぞれのアクションは難しくはないのですが、この3つが重なってくるとそうはいきません。
コンボを狙うほどに足場が少なくなり、多くのフルーツを最後に取ることになったりするんです。

コンボを狙うほどに難易度がアップする

プレイヤーがたくさんのフルーツを取ろうとするほど難易度がアップするんです。上級者ほど歯ごたえがあるものになってきます。
レースゲームでスピードを出すほどテクニックが必要だったり、
パズルゲームで連鎖が組めるほど先を考えるようなことに似てます。

前にこのことについて記事を書いたのでお暇なら見てください。



ゲームをどう伝えるか

今回のゲームはゲームシステムが先にありました。
だからそのゲームシステムに、どうやってキャラが設定を肉付けして楽しめるものにしようかと後付けで考えていきました。

システムが先にあったのには理由があって、
今回のゲームの元ネタは僕が昔作った「こねこあっぷ」なんです。
猫がUFOにのって雲の上に行くというゲームです。
(そこそこ売れたんですよ)

こねこあっぷ

今の時代は「どんなゲームかがわかりやすい」ことが必要だと思うんです。
ゲームの黎明期や一昔前のスマホがでてきた時期であれば、
ユーザーがこれはどんなゲームだろうと興味をもって見に来てくれました。
しかし今は世の中にはゲームが溢れていますよね。
その状況でゲームを手にとってもらうにはどうすればいいのか?

市場にゲームの数が増えるほど「新しいもの」「説明のいるもの」が不利になると考えています。だから「できるだけ伝わる要素で構成しよう」と!
この辺りの考えは前にnoteに書いたので暇な人は読んでみて。

で、具体的にどう考えていったかというと。

バードヒーローの設定

何に乗るゲームにしようか?

初期はUFOやドラゴンを考えていたのですが、
ゲーム的にキャラクターのバリエーションを多く作りたくて、UFOだとバリエーション作っても面白くないんですよね。脈絡がなくて…
またドラゴンはバリエーションが作りにくい。
そういう理由でどちらもボツになりました。
鳥だとみんながイメージできるものがたくさんいるし、画面もカラフルになるし。そういう理由で鳥に決定しました。

大樹を舞台にする

雲の上のお城に行くというファンタジー案もあったけど、
鳥ならこっちの方がゴールを連想しやすいですよね。
大樹のてっぺんには巣があるんだ、と。

タマゴ泥棒からタマゴを守る

このゲームは結局はタイムを競うゲームなんです。
プレイヤーの動機として「速くゴールにたどり着く」があります。
それを設定に盛り込む必要があったので「ゴールにはタマゴがあって、泥棒からタマゴを守る」という形にしました。
これでレースゲームですと説明されるよりも、ルールが自然に伝わるようになったかな。

以上、こんな感じで作ってきました。
正式リリースはもう少し先になりますが、そのときは遊んでみてください。


おまけ

ゲームをヒットさせるためには「宣伝」と「ゲームの中身」のどっちが重要か、みたいな話がありますよね。またゲームで作られている要素すべてが「作家性」だとか「個性」だと思ってる人。

僕はそう考えるんじゃなくて
「宣伝」と「ゲームの伝わる要素」と「伝わりにくいゲームの大部分」と考えた方がいい気がします。
ヒットさせるためには作る側が「伝わる要素」を用意した方がいいんです。
そして伝わる要素が強いものにできればヒットに近づくんじゃないかと。
伝わる要素が少ないものを無理やり宣伝してもやっぱり売れなかったりします。

あと、オリジナリティのあるもの、革新的なもの、ってありますよね。
それらはまず伝わらない!ので注意した方がいいです。
だってみんなが知らないものなんですから、伝わるはずありません。
これ結構落とし穴だと思うんですよ。
革新的なものを売り要素のメインに持ってくるとか・・危険です。
オリジナリティはプレイした人が感じるもの、でいいんです。

まあこういうものに正解はないですから、
なんとか頑張って作るしかないんですけどね。
以上、今回はこのへんで。




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