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読み聞かせするには難しいクリスマス絵本3選

それぞれ訳があり、学校の読み聞かせの時間には向いていない絵本ですが、印象に残る絵本3冊をご紹介します。

聖なる夜に

ピーター・コリントン作 BL出版刊
セリフがなく、丁寧に描かれたコマが進んでいく、短編映画のような作品。です。
崖っぷちに立っていたアコーディオン弾きのおばあさんが、ひったくりにあい、さらにどん底に。最初のうちは、子どもは無言で、ショックを受けているようでした。
サンタさんは出てこないけれど、クリスマスの時期に教会で見かける、キリスト降誕の様子をあらわす人形たちが活躍します。”かさじぞう”のお地蔵さまはチームワークでお仕事をしますが、こちらはどうでしょう。

同じ著者による『天使のクリスマス』(ほるぷ出版刊)もお勧めです。
サンタクロースの助手として働く天使の、クリスマスの1日の仕事ぶりを追った心温まるドキュメンタリー番組を見ているようです。この本を読んだ子どもはクリスマスの前になると、家の中に天使が隠れていないか、棚の隅などを探していました。

クリスマスの大そうどう

ディビッド・シャノン作 小川仁央訳 評論社刊
家族に喜んでもらいたい、とお父さんが始めたクリスマスのささやかな飾りつけ。あることをきっかけに、飾りつけが派手に、にぎやかになっていきます。
『だめよ、ディビッド』『じてんしゃにのるアヒルくん』など、ディビッド・シャノンさんの絵本の多くは、”誰か”の”止められない”気持ちが正直に、時には哀しく描かれていますが、今回も誰にも止められない主人公は、お父さんです。

割と早いうちから、子どもの視線が気になりはじめます。
お父さんの熱に対して、冷めていく様子が読む側にも突き刺さります。
ここ数年、冬の節電の問題などもあって、より切実に感じます。

サイレント・ナイト

サンディ・ターナー作 らんか社刊
こちらは、クリスマス絵本界で、一番音が大きい絵本だと思います!
雪の降る静かな夜に、犬の鳴き声が響き渡ります。ずっと吠えています。
人間には見えないあるものを見つけたからです。
この絵本もコマ割りで話が展開するのですが、吹き出しは全部、犬の鳴き声なので、読み聞かせが非常に難しいです。
映像化して副音声(犬語→日本語?)を付けるとしたら、そちらも賑やかになるはずです。



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