戸締りのアルゴリズム
詩作で頭を働かせると、なんだか身体も温もってくる体質になりまして(*´▽`*)
お久しぶりな詩の詰め合わせコーナーなのですが、相変わらず季節を完全に無視した出来上がりになりました…申し訳ない…
今回は言葉の添え木様と願い花様のお題で作った詩四編と、Hoshiboshi様主催の「秋の星々140字小説コンテスト」に投稿した小説を一つ、お送りいたします。
アルゴリズム
アルゴリズムで詩を作る
正確に詩を作る
今のところ不可能らしいこと
なんかよくわかんないけど
お大事にしやがってください
AIドクターは自信満々に答える
アルゴリズムが答えたのか
私たちのデータが答えたのか
なんかよくわかんないけど
詩を作る
月とオリオン座流星群(願い花様のお題)
オニオンスープに映る
月とオリオンの星団は
3000年前から
どこへも行かず
彗星の塵で繋がり合う
オニオンスープの湯気に
月の頬が赤くなる
オリオン・ザ・流星群
落ちてきた星の胡椒でスパイシー
戸締まり
ガラスと鏡の狭間で
床に扉を見つけたら
扉の奥の螺旋階段が
手招きしていたら
下へ下へ、底を目指して
底の下へ、気付けば屋上
首をかしげて扉を出て
戸締まりする
何回目の夢の戸締まりか
思い出したのは一瞬
また、いつでもおいで
聞こえたのは一瞬
ハロウィン
インコの僕は
隣の籠の君へ、応答願う
トリックオアトリート
換毛期で眠そうな君へ
返ってこなくても
言ってみたかっただけだから
でも、そわそわ、羽毛が震える
はっぴぃはろうぃん
眠気を帯びた小さな返事
僕は羽ばたきしちゃうさ
トリックオアトリート!
秋の星々140字小説コンテスト応募作品(テーマ「深」、水原月として投稿)
祖父の遺した文庫本を読んでいたら、銀杏の葉が挟まっていた。
幼い頃、秋になると銀杏の葉を集めて、古本屋を営んでいた祖父にプレゼントした。深い黄色によく染まった銀杏の葉は、本のお守りになるから。
乾いた銀杏の葉を、慎重に手のひらに置いた。元気か?という祖父の声が、聞こえた気がした。