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肩たたき前夜、風邪の今日を頑張る

春はあけぼの、そして花粉の猛攻と白いお皿…。今年はなぜか目ばかり花粉に攻撃されて目薬が手放せません。春の目薬祭り…!

今回は言葉の添え木様のお題で作った詩三編と、オリジナルお題の詩を一編、Hoshiboshi様主催の「秋の星々140字小説コンテスト」に投稿した小説を一つ、お送りいたします。ランダムに選んだ詩と小説がちょっとリンクする奇跡…!



今日を頑張る

視界の隅で
庭が枯れてく
嘆きも枯れてく

今日を頑張る
本当に今日だけ、でいい
ほんの少し、も無理ならば
今日を休もう

明日の庭と空は様変わり
先回りは骨折り損
冬枯れは満開のさなぎ
今日の星座の下で
今日の静かな変革を
頑張る



肩たたき

カスタネットは肩の上
かったたかたった肩たたき

くすぐったい肩たたき
私はもっぱら演奏家
たっかた、かたっか、たたっかた

お客さん、カスタネットな場所はありませんか?
かたたった、たったか肩たたき
目を細めるあなたが見たくて



前夜(おリジナルお題)

暖かな霧雨の中で
明日の準備

飛び交う言葉は雫よりも小さいのに
一つ一つが燃えている
勇気と高揚のインクは白いページで
一文字一文字踊っている

明日は快晴
きっとそうさ
静かな高鳴りの中で



風邪

蒸気機関車になって
木星へ飛んでいく夜
けほ、けほ、けほ
命を燃やして蒸気を放ち
頭痛の重低音も運ぶ

カリスト、ガニメデ、エウロパ、イオ

終点の木星、木星です。どなた様もお忘れものが無いよう…

落ちていくような、昇るような

地球へ舞い戻る朝
君に戻る朝



秋の星々140字小説コンテスト応募作品(テーマ「深」、水原月として投稿)

地球から200万km離れた深宇宙には、会ったことのない友人がいる。その友人は病の進行を抑えるため、時の流れが遅い星に移住したのだ。星間郵便での文通が、私たちの唯一の繋がりであり続けるだろう。
分厚い封筒に、楓の押し葉を滑り込ませる。どうか地球の小さな秋が、あの子に届きますように。



お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。