[人生手帳]#1 愚痴で死を早めたおばさん
皆さん、こんにちは
幸せノートのネコせんせいです。
[人生手帳]では、幸せになるための知恵や助言など、人生に役に立つコンテンツを紹介しています。
母の背中を見て学んだこと
人から「不平不満をあまり言わない人ですね」と、僕はよくいわれます。
そう見えるのは「不平不満を言わない」という生活を何十年も続けているからです。これも母の背中を見て学んだことです。おかげで、妻や子供たちとも「言い争い」や「けんか」などがありません。
母からは今までたくさんのことを学びました。「母の教え」として今でも生活に役立っています。今回は、その教えの中から幸せになるために役立つ、「考え方のスキル」について話をしてみます。
スキルとは教養や訓練を通して得た能力のことです。考え方を変えるにはある程度の能力や技術、ノウハウが必要だということです。
今回説明する考え方のスキルは「不平不満を感謝に変える思考法」です。この思考法を習得すれば、あなたもこれから「不平不満に悩まされる」ことが少なくなり、今よりずっとポジティブに生きられるはずです。
不平不満を感謝に変えると、次のようなことが得られます。
・ストレスが少なくなり、気が楽になる
・相手を受け入れやすくなり、人間関係がよくなる
・自分の弱点がわかり、成長しやすくなる
このように、不平不満を感謝に変えるだけで、健康増進、人間関係回復、自己成長などにつながります。
愚痴を言い続け早死にしたおばさん
僕は今でこそ温厚な人と思われていますが、幼い頃は結構鋭いことを言っては驚かれるような子供でした。
あなたの近くにも、そういう子供はいませんか?
大人の話に割り込み、「それって、うそじゃない?」とか、水を差す子。
口数は少ないんですが、斜め目線で見るような子供でした。
僕が世間を斜め目線で見るようになったのは、家族や友人の影響ではありません。近くに住む、あるおばさんのせいでした。
そのおばさんは毎日のように愚痴をいう人でした。夫婦けんかをした翌日には必ず母に愚痴を聞いてもらっていました。
「うちの旦那がさあ、今日もお酒を飲んでさあ。」
僕は何年もずっと母のそばでおばさんの愚痴を聞いていたものですから、知らない間に世間を「斜め目線」で見るようになったのです。
そんなある日、僕の心を180°変える事件が起こりました。
ある日突然、その愚痴おばさんが病気で亡くなってしまったのです。
なんと40代の若さでした。
衝撃を受けた僕は、そのときにこう思いました。
やっぱり愚痴を言い続けることって、本当に良くないことなんだと。
そのおばさんは愚痴を言い続けたために、亡くなったんだと。
アメリカの心臓外科医、メイヤー・フリードマン氏の研究によれば、「人の悪口をよくいう」人も心臓病のリスクが高まるとしています。
おばさんの死にショックを受けた僕はこう思いました。
人を斜め目線で見るような生き方を続けたなら、自分もおばさんのように早死にするのではないかと。そして、愚痴を聞き続けていた母は、なぜ元気なのか、何か聞き方のスキルがあるのではないかと。
一つ聞いて二つ捨てる
疑問に思った僕は、ある日母に聞いてみました。
「母ちゃん、何であそこまで、おばさんの愚痴を聞き続けられたの?」
母はこう答えました。
「一つ聞いて、二つ捨てるんだよ。」
その意味はこういうことでした。
相手が訴える「問題点」だけに集中して、それ以外は聞き捨てるということでした。
つまり、相手の悩みの因果関係を確認したら、それ以外の悪口・ひぼう中傷は聞きすてるということです。
母は多分、不平不満が出てくる人間の心理構造について、なんとなく気がついていたのだと思います。それで、愚痴を聞くときはこう聞いたら良い、という知恵がついたのでしょう。
不平不満には必ずしも悪い面だけあるのではなく、良い面もあり、その良い面を利用することで、不平不満も解消できると。
不平不満を言う人の話をじっくりと聞いてみると「ひぼう中傷」もありますが、「相手の欠点や弱点」が含まれています。不平不満を言う人はこの「欠点や弱点」を指摘しているわけです。
例えば、レストランで従業員のサービスにクレームを言ったとします。
クレームを言われたお店の主人は気分が悪いはずです。ただ、自分も気がつかなかったサービスの欠点が知れたというメリットが得られます。
サービスの質を改善することで、さらにお客さんが増えたなら、そのクレームを言ったお客さんのおかげで、お店の利益が上がり、結果的にはハッピーエンドになります。
そうなんです。
不平不満は、現状を改善するという観点から考えると、メリットになりえるのです。
実際、多くの企業がクレームをサービス改善に役立てています。
消費者の不満をアプリで積極的に集め、ビジネスに利用している会社もあります。
不平不満はこうして改善する
不平不満はこのようなプロセスで考えてみてください。
・不平不満が出たら、事実と感情を分離して考える
・悪い感情は引きずらないと決める
・不平不満の内容を検討し、問題点と改善点を考える
・改善点は共有し、過ちがあれば素直に謝罪する
今までは不平不満をどのように処理してよいかわからなかったので、さまざまな悪影響を生み出していました。
不平不満を処理するためには、いったん事実と感情を分別することが重要です。誰でも不平不満を抱くことがあります。思うこと自体は悪いことではありません。ただ、思いをひきずってしまうと、あなた自身にもよくないし、周囲にも迷惑をかけます。
言っている本人だけでなく、聞いている人たちにも、悪口やひぼう中傷は悪影響を及ぼすという確固した認識も持ってください。
次に不平不満が出たり、聞いたら、その内容をじっくりと考えてください。
不平不満の要点は何か、何を問題だと言っているのか?
問題を解決するための方法は何か?
このように検討した上で、問題点と解決策を整理します。
ここまで整理できたら、相手と内容を共有します。
もし、自分に落ち度があったら、必ず誤り、その誤りに相応するベネフィット(補償)を与えることも忘れないでください。
このような思考のプロセスは、企業でも十分に応用できます。実際に多くの企業が同じようなプロセスでクレームを処理しています。
このように考え、不平不満を処理していけば、自分自身が成長できるだけでなく、相手との関係も改善することでしょう。
それでは、最後にまとめです。
1.第3者に対する不平不満(悪口)を聞いた場合
悪口を言う人が、第3者をどのような見方(視点)で見ているかを学んでください。それを学ぶことで、あなたは人を見る目が広がります。
2.自分に対する不平不満を聞いた場合
自分のどこに、不平不満をいだいているのかを確認してください。
妥当な内容であれば、改善することであなたはさらに成長します。
不当な内容なら、まず相手を説得できるか考えます。
説得できるなら相手に対して丁寧に説明し、説得できなければ無視して聞き流してください。
3.自分が不平不満をいだいた場合
自分がどこに、不平不満をいだいているのか、探ってみてください。妥当な内容なら、相手に、丁寧に話してみてください。
相手に感謝されることで、自分自身の自尊心も高まることでしょう。
嫉妬や悪感情などの不当な内容であれば、自尊心のレベルが確認できたと思ってください。そして自分自身を癒してください。
癒すことで傷ついたあなたの自尊心も少しずつ修復されることでしょう。
それでは皆さん良い一日を。
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