うちの猫をお迎えした時の話③



お迎えを決めた薄い三毛のメス猫をキャリーケースに移動させ、
Nさんとお子さんにお礼を言って、帰路につくことにした。

帰り際、Nさん家のおばあちゃんが
「こいづ食わいん(よかったらお家で食べてね)」と野菜を下さった。ありがたい。


子猫を乗せた車を発進する。
ゆっくり、ゆっくり、進む。

田んぼ道や上り坂、下り坂を

ゆっくり
ゆっくり
進む。


なぜこんなにゆっくり進むのかというと、
息子と子猫を乗せてるがゆえの安全運転ではない。



ミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミーミミーミーミーミーミーミミーミーミーミーミーミーミーミーミー




鳴いているのだ。

猫が。


キャリーケースに移動させ、兄弟猫たちがいるあの部屋から離れた瞬間から
車の移動中ずっと。



夫「鳴いてるね・・ずっと」
私「うん・・・・・」


夫は道端に車を停めてくれた。


夫「あいつ・・あの猫ちゃんも・・この子と一緒に、連れて帰ろうか。」


走り回ったり取っ組み合いをしたり、兄弟の中で1番愛嬌があって元気だった
グレーの靴下猫を夫は気に入っていた。


夫「戻るなら、今しかないよ」




グレーの靴下猫は私も可愛らしいと思っていたし、
何よりあの瞬間にすでに懐いていた。


だがNさんの近所の方もこの猫を気に入っていたそうなので、少し迷った。


そうしている間にもキャリーケースの中の猫は鳴き続けている。
このままでは家に着く前に小さな猫ちゃんの喉が枯れてしまう。
生後一ヶ月で喉痛めたらかわいそうだよ・・


迷ってはいられない。


私と夫は心を決めた。


私はすぐNさんに電話をした
「すす、すいません。先ほどお伺いしたタカハシですがっ・・・!
ね、猫を、も、もう一匹、連れて帰ってもいいですかぁっ・・?!」


補足させていただく。
私は電話というものが苦手なのだ。
どんなに親しい相手だろうと家族であろうと、
無論、他人であれ。
どんな場面でも電話というものに緊張してしまうのだ。
HSP気質の方ならお分かりいただけるであろう。



キョドりながら突然電話した私にNさんは
電話口で笑いながら「いいですよ〜笑 待ってますんで〜」と快諾してくれた。
ありがとうNさん。



Nさんん宅に舞い戻り、先ほど野菜を下さったおばあちゃんにも
「へへっ。戻ってきちゃいましたw」とばかりに照れ笑いしながら会釈を垂れ、
再度猫部屋に入室した。


連れてきた三毛猫が1匹になった瞬間鳴き止まなくなったことと、
猫がさびしくないようグレーの靴下猫も迎え入れたいという旨を話すと


Nさんは「先に迎えてくれた人優先だから、全然良いよ〜」と快諾してくれた。
ありがとうNさん。


母猫と子猫たちを可愛がってくれていたNさんの娘ちゃんに

「寂しくなっちゃうけど、ごめんね。いつでもうちに会いにきてね。」と伝えた。


(その後、Nさんと娘ちゃんはうちの店に来てくださり、何度か成長した猫たちと会うことができたのでよかった。)



次回④名付け編
ぜってえ見てくれよなッ!




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