あったかはちみつミルクの罠②
〜前回までのあらすじ〜
『カードキャプターさくら』にどハマりした小学生時代の私。
作中に出てくる「あったかはちみつミルク」を作ってみることにしたYO⭐︎
これで気分はさくらちゃんだNE⭐︎魔物と戦ってレリーズしちゃうヨッ♪
意気揚々と台所へ向かった。
用意するものは牛乳とはちみつだけ。
作り方はあっためた牛乳に蜂蜜を入れて混ぜるだけ。
鼻息ハスハスしながら
レンジがチンするのを待った。
ピーピーピピー
ホットミルク完成。
はちみつの容器を逆さにして
大さじ1〜2杯ほど入れて混ぜる。
まあ分量とかマンガに描いてなかったけど、大体こんなもんっしょ♪
ぐるぐるぐる
・
・
・
できた・・・!!!
(こ、これを飲めば私もさくらちゃんだ!さくらちゃんになれるのだ・・!)
だが、
数秒後には絶望に苛まれることを
この時の私は知らない。
心して一口目を飲む。
ごくごく。
・・・・・・・・おや・・・・・・・・?
M A Z U I ・・・・・・!
まずい。。。
そんなはずはないッ!
だってあんなにさくらちゃんは美味しそうに飲んでたんだよッ??!!
桃矢お兄ちゃん(イケメン)が作ってくれた[あったかはちみつミルク]が
美味しくないわけないんだからッッ!!!
私はすがる思いで
はちみつを足してみたり
牛乳を足してみたり
試行錯誤した。
結果:
どうやっても不味かった。
ホットミルク独特の臭み、
蜂蜜特有の独特の臭み、
臭み×臭みが
とんでもない不協和音を奏でていた。
個々で飲んだり、
はたまた、珈琲という仲介役がいたら
それはもう美味しい飲み物になったのだと思う。
小学生の私はそんなことを考える頭脳もなく、
臭み×臭みの生暖かい液体を前に
ただただ、
絶望した。
「あっためた牛乳と蜂蜜だけ」という組み合わせが
とんでもなく悲しい飲み物を生み出してしまった。
私はカードキャプターにはなれなかったのだ。
時は数年後。
少し大人になった私は幼馴染の
Aちゃん(幼稚園から一緒でアニメやゲームなど共通の趣味がある可愛い系女子)
と一緒に
カフェでご飯を食べていた。
相変わらず、話題は恋バナをメインに
過去の思い出話や
今ハマっているアニメやマンガなど
たわいない話を
時に爆笑を挟みながら話す。
私「そういえばさ、Aちゃんカードキャプターさくら好きだったじゃん?
私も小学生の時、鬼ハマりしてたんだよね〜。」
Aちゃん「え?Cちゃん(私のこと)もそうだったんだっけ。中学生くらいの時はあんま話題にしてなかったから、そこまでハマってたのは知らなかった〜」
私「実はそうなのよ。」
中学生にあがってからは、
Aちゃんが「カードキャプターさくら」に鬼ハマりし出して
さくらちゃん熱をあげ出したので、
小学生の時にハマったのちに
すっかりさくらちゃん熱が覚めてしまった私は
なかなかAちゃんとの話題に
「カードキャプターさくら」を出せずにいたのだ。
あらすじも途中までしか知らなかったし、
続きを読んでみようという気ももう起きなかったのだ。
何より、桃矢お兄ちゃん(イケメン)の年齢ももう追い越してしまっていたのだ。
私「でさあ、マンガの中に出てくる飲み物、小学生の時に家で作ったことあるんだよね・・」
そこまで言うと、
すかさず
Aちゃん「「 あったかはちみつミルクだ〜!! 」」
話がわかる幼馴染だ。
その後、
私は驚きの一言を耳にする。
Aちゃん「あれさ、、、
クソまずいよね〜〜〜!!」
・・・私だけじゃなかったーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!
仲間いたーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!
私 「そッ・・そうなんだヨッ!!!!!家で作ってみたは良いものの、
なんというか、、臭み?がひどくて!!」
Aちゃん「飲めたもんじゃないよねw w」
二人で爆笑。
よくよく聞くと、さくらちゃんにハマっていた当時のAちゃんは
「あったかはちみつミルク」の話を読んで
すぐに家で実践してみたのだそう。
だが想像してた味とは程遠く、
「なにこれ!?まずッ!!!!!!」
っとなったらしい。
小中学生の女子が考えることは
大体一緒だった。
現在、Aちゃんとは住む場所も離れており
30代になってからはほとんど会えていないが、
次にあったらまた
「あったかはちみつミルク」というパワーワードを用いて
思い出話に爆笑を咲かせたいと思っている。
ちなみに、
もしかしたら
超高級なハチミツと
有名な農場の美味しい濃い牛乳を使って作ったら、
おいしい「あったかはちみつミルク」が
再現できるんじゃないかと
密かな希望を持っていることは
内密にしておこう。
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