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フチャしてます(わたし流普茶料理)ーニンジン春巻

折々にわたし流普茶料理をつくって母と(ときどき妹も)楽しんでいる土庫澄子です 一品つくってみて「今日は普茶料理のつもりなの」というと、いまだに「フッチャ?? フッ? クッ?」「クッチャ? ナニそれ??」と返ってきます(>_<)

🍳レシピだけでよいという方は後半からお読みください 1700字あたりからです🍳

普茶料理と出会うー夏の宇治

サヤインゲンは食べても、名前のもととなった隠元禅師が広めた普茶はあんまりご存知ないですよね? フチャ?? フチャ??

わたしも知りませんでした はじめて普茶を知ったのは去年の夏 京都へ行ったときです 一泊の予定でしたが、宇治の黄檗へ行きたくて二泊しました 

なにかの本で黄檗にあるお寺のことを読みかじって以来、一度行ってみたいと思っていました

父との会話

いつだったか、元気だった父に聞いたことがあります

「宇治の奥の方、大きなお寺があるところ、オウバクって読むの?」 
父は「黄檗か? オウバクだよ 若い頃に行ったな 黄檗はいい 好きだ」と言っていました 
「なにがいいの?」と聞くと、「いや行ってみろよ」というだけでした

あべこべに父に聞かれました

「お前はなんで黄檗へ行きたいんだ?」
「よくわからないわ 一度行ってみたいとおもったのよそれだけ オウバクにお寺があるのよね? あとはなにがあるとか知らないわ」
「萬福寺な お前は変な奴だなあ だいたいお前がオウバクなんて急にいうからびっくりした お前を宇治に連れていったことないだろ? なんで知ったんだ? なにを見たのか知らないが黄檗はいいところだよ」

京都出張があると父の好きそうなお土産をもって実家に帰ります すると父は「それでお前、黄檗へ行ったか?」と聞くのでした

「ううん 行ってない」
「なんだお前、また素通りして帰ってきたのか? オウバクオウバク言ってたじゃないか? まったく変な奴だなぁお前は」

父にしてはめずらしく機嫌をそこねんばかりに詰められたこともありました

「ずっと前に聞いたのよく覚えてるわねえ ずっとオウバクへ行きたいのよでも宇治の奥でしょ? 出張の帰りにちょっと足伸ばすには奥まりすぎなのよね?」
「奥まってる? まあそうだ あそこは宇治から電車乗るからなあ じゃあお前、いつ行くんだ?」
「京都か大阪に行って一泊余計に泊まれるとき。ちゃんと行くつもり。。」
「ふんなるほど好きにしろ 行ってこいよ」

どこに行こうと行くまいと文句ひとつ言わない父が妙に気色ばって押し問答になったのが宇治のオウバクでした

京都二日目ー黄檗へ

話をもどします 昨夏の京都二日目、雨のなかドキドキしながら念願の黄檗山萬福寺へ 

JR奈良線黄檗駅の文字を見た瞬間、気色ばんでいた亡き父の横顔を思い出しました

黄檗駅からすこし歩くと宇治の奥座敷みたいなところに中国風の建物が点々と立つ広大な境内が広がっていました

トランプの端を合わせて一列に並べたようなキッチリ四角い石畳に近代的な香りがして素敵です ここではじめて普茶料理と出会いました ←やっとフチャにたどり着きました(笑)

秋から冬

その夏は雑多なことで普茶料理をすっかり忘れていました 秋もなにやら忙しく、三度三度の食事を作っていてもせいぜい旬のものを摂るくらい、あまり構わなくなっていました

冬近く、母はもともと低めの血圧が高めになり、徐々に体調を崩していきました わたしも母に似て血圧が低めですが高齢の母の体調管理が優先です 

高血圧を抑えるメニューで食事をつくるようになりました 好きも嫌いもなく毎日塩なし醤油なし油抜き

しばらくして母の血圧は正常値内におさまるようになりましたが、おなじ食事をしていたわたしの低血圧はさらに下がりました

すでに貧血気味だったのか母とは別に自分用のメニューを作る体力気力がなかったのです

11月のある日 知人のコンサートでチェロやハーモニカを聴いて帰宅した夜、わたしは急性腸炎になりました

お医者さんと治療の相談をし、セルフ食事療法にしました お湯一杯しか飲めないからはじまって一週間くらいかけてだんだん食べられるようになりました 様子を見ながら徐々に戻す食事作りがむずかしい方は入院するそうです。。

だいたい普通食になったとき、母に合わせた食事を一緒に摂る自信はありませんでした 血圧を下げる食事と血圧をあげる食事は正反対 母に合わせればまた動けなくなる!と思ったのです

食事を作るのは季節感があって大好き でもどうしよう これから毎食二人分、正反対のメニューを作るのかしら? 

血圧の高いひと向けの食事をリストアップ、血圧の低いひと向けの食事をリストアップ、見比べて重なるメニューはないみたい どちらにもよい万能メニューはないの??

そんなことを考えては諦め、キッチンに立つようになりました

ちゃんと食事をつくっても自分の体調は低空飛行一本やり 家族のケアと自分のケアは正反対で両立しそうにありません。。 ホームケアは食事でも自己矛盾を抱えこむものかしら?

ぼんやりと考えるともなく考えていたある冬の日、年の暮れ頃、京都は宇治黄檗の普茶を思い出したのです

一か八かオウバクの普茶料理、やってみようかしら?

ニンジン春巻の簡単レシピ🥕

善は急げとばかりに、その夕方つくってみたのがニンジン春巻です 

レシピをご紹介します

🍳材料(4つ)🍳  ニンジン🥕 春巻の皮 葛 ゴマ油 +お水

🔪つくり方🔪 

1 ニンジン🥕を短冊切り(母いわく、せんろっぽに切る

2 春巻きの皮をひろげ、細く切ったニンジン🥕を具にして、水にといた葛をノリ(糊)のようにつけて巻く (←焼くときに火がとおりやすいように平たく封筒みたいに巻くのがコツ✉)

3 熱したフライパンにゴマ油をひき、あげるように焼く これで出来上がり!

ニンジンが甘く、熱々でも冷めてもおいしいです🥕 この日から母とわたしの食欲はだんだん旺盛になり、揃って体調もアップしました 

正反対の体調をどうにもできなかった二人してひと安心でした

万能フチャ?

もしかしたら、普茶料理は高血圧にも低血圧にもよい不思議で有難い料理かもしれないと思い、次の日もまた次の日もフチャしました

なにをつくってもポイントは季節のもの、葛にゴマ油です 母とわたしは同じ料理をつくり同じ料理を食べて回復していきました

こうしてニンジン春巻は、我が家のフチャの定番、一番人気のおかずになりました

飽きない、甘い、いつも美味しい なんにもしてないのがいいのよ(母)
たしかにニンジン甘いね🥕 揚げるよりいいかも?(妹)

春巻をゴマ油であげるように焼くと、揚げたときのパリパリ感とは一味ちがう独特のコシがあって香ばしいです

この春、コロナのニュースが流れはじめた頃、待ちに待ったインゲン豆の苗を庭に植えたのは言うまでもありません 母いわく、フッチャはいいわです 

カンタン不思議のフチャ料理、よろしかったらつくってみてください

🔪🍳🥢🍚  🔪🍳🥢🍚

追記:ヘッダー画像はきのう作ったニンジン春巻🥕 あしらいは地元で育った露地野菜、庭の穂シソです

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