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ラノベ編集者はどんなイラストレーターさんをチェックしているのか?

こんにちは。

半年前までラノベ編集をしていたねこぴょんです。
編集時代を振り返って記事を書きますが、現役でないのでいろいろ状況が変わっていたらすみません。

1回目は編集が目を留めやすいイラストについて書きます。

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作品に最も合うイラストレーターさんを見つけるため、
編集者は普段から素敵なイラストレーターさん探し&リスト化に余念がありません。

では日々SNSなどで多くのイラストを目にするなか、
どのような方をチェックしているのでしょうか。

イラストの要素からいくつか書きだしてみます。

1⃣とにかく可愛い

特に文庫では依然ラブコメが強く、カバーのヒロインはとても重要です。
ですので可愛いヒロインが描ける方は真っ先にリストアップします。

特に「瞳」と「表情」をよく見ます。
表情一点突破で、ピンポイントにチェックした方も多数。

可愛いは正義。
可愛いヒロインが嫌いな人はいません!

2⃣色遣いが素敵

一般的な色合いに加えて、少し違う色遣いを足される方は目に留まりやすいのでチェックします。

東方シリーズが流行りだすまでは比較的一般的な(?)色遣いが多かった印象がありますが。

それ以降、大胆で面白い色遣いをされる方が増えたように思います。

最近は海外にルーツがある方が描かれるイラストを拝見する機会が増え、
日本の一般的なキャラ配色に自身の文化の色を加えたことに起因するような「差」も目を惹きます。

そのような方の絵は新刊コーナーで多数作品が並ぶなか、
「お」とうまく引っかかりを作ってくれそうです。

RGBで描かれた鮮やかなイラストに魅了されつつ
CMYK(印刷の際の色の仕組み)で再現できない…と悩むこともありますが。

3⃣構図やシチュエーションが最高

普段から面白い構図やシチュエーションのイラストをたくさん描かれている方は、器用でチャレンジ精神豊富。

さらなる成長も期待できますし、いろいろご相談できるイメージがあります。

思いきり下から見上げるアングルでヒロインを描かれていたり、
ヒロインが佇む静謐な空間そのものを丸ごと描かれていたり。
圧倒的表情や大迫力で動きのあるバトルシーンなども。

読者さんを魅了できる世界を描ききれるのは才能です。

4⃣なんでも描ける

制服姿の美少女はもちろんですが。

ファンタジー世界のエルフさんや格好いい少年、渋いおじさん、人生経験を醸し出すおばあさん。

様々なイラストをアップしている方は要チェックです。

お年寄りを描くのが上手い、またはディフォルメが上手い方にイラストが下手な方はいない印象があります。

クリーチャーや中世の服に小道具、
背景が描ける方もB6判ノベルでものすごく貴重です。

5️⃣毎日何か描いている

SNSのタイムラインに毎日何かイラストが流れてくる方。

生産力の高さは魅力です。
たくさん描かれる方は上達スピードも速いです。

6️⃣オンリーワンの特徴がある

先に小説があるため、オンリーワンの方よりイラストの幅が広い方のほうがお仕事を依頼しやすいですが。

それでも、強く印象に残るイラストレーターさんは「その人しかいない」と思える作品に巡り会えると真っ先に依頼しますので大切です。

時々あまりにパワフルでイラストレーターさんを選ぶ作品を頂くこともあったりします。

原稿を拝読しながら「あのイラストレーターさんにイラストを描いて頂けたら面白そう!」とイラストを思い浮かべながら考えることもあります。

7️⃣モノクロもうまい

ラノベはモノクロ挿絵が多いので
モノクロがうまい方もチェックします。

短いページのマンガを描ける方なども見ています。

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いかがでしょうか。

編集者はみんな自分だけのイラストレーターさんリストを持っていて、日々更新しています。

「最高のイラストレーターさんを見つけたけど、ピッタリな作品来ないかな」

なんて考えていることもあります。

ちなみに、秘かに目を付けていたイラストレーターさんが他社でラノベデビューされると…。

自分の目が間違っていなかったと確信できつつ。
地団駄踏んで悔しがったりもします。

ともあれ。

一例に過ぎませんが、ラノベのイラストを描くことに興味がある方は上のような項目もチェックされるといいかもしれませんね。

他にもうひとつ重視している点がありますが、
長くなりましたので別の機会に!

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