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♬ tjさん作曲 『7(G)』

ピアノから聴こえてくる音の中で、私がいちばん好きなのは、10度の響きだ。
3度も6度ももちろん好きだけど、ちょっと離れて10度になると、温かさが加わる感じがする。
それが、ピアノの中音域~低音域で鳴ると、もっと温かさと優しさが増して・・・
例えばベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」の第2楽章や「テレーゼ」の序奏の部分とかのように、優しく温かく包み込んでくれるような10度の響きに出逢うと、ああ、ピアノを弾いていて良かったなぁと、ぼんやり思う。

tjさんの「7(G)」も、そんな気持ちになれる曲。

もちろん、私にとってこの曲の魅力は〝10度〟だけじゃなく、他にもたくさんあって、むしろそちらの方が大事なポイントなんだけど、それを文章で表すのは難しい。(試みて挫折)

この曲を聴いて〝癒される〟っていうコメントが多いのは、おそらく私と同じように感じている人がたくさんいるからなんじゃないかなと思う。
〝癒される〟って、音楽を聴いた時の感想としてはちょっと具体的な表現だから、なんとなく興味深い・・・
                    
この曲は、実際に弾いてみると、見かけのシンプルさとは裏腹に、無題16よりも、無題20よりも、弾くのが難しい。
まるで少しでも油断したらこわれてしまうデリケートな何かをあつかっているよう。
けれど、深読みしたくなる所がたくさんあって、ストーリーが浮かんでくるし、弾けば弾くほど心にしみ入る感じがする。

YouTubeの演奏動画です。良かったらお聴きください。↓

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