見出し画像

三方よしの最も大きなポイント

近江商人(おうみしょうにん、おうみあきんど)または江州商人(ごうしゅうしょうにん)、江商(ごうしょう)とは、
中世から近代にかけて活動した近江国(現在の滋賀県)出身の商人で、
大坂商人、伊勢商人と並ぶ日本三大商人の一つです。

この近江商人の理念で最も有名なのが

「三方よし」

三方よし「売り手よし、買い手よし、世間よし」
と言う理念ですね。

売り手の都合だけで商いをするのではなく、
買い手が心の底から満足し、
さらに商いを通じて地域社会の
発展や福利の増進に貢献しなければならない。

ちなみに、三方良しの理念が確認できる最古の史料は、1754年に神崎郡石場寺村(現在の東近江市五個荘石馬寺町)の中村治兵衛が書き残した家訓であるとされています。

これを伊藤忠商事創業者・伊藤忠兵衛 (初代)が広めたと言われています。
「三方よし」は第二次世界大戦後の研究者が分かりやすく標語化したものであり、昭和以前に「三方よし」という用語は存在しなかったそうです。

近江商人の当時の思想・行動哲学は下記のようなものがあります。

◆始末してきばる
「始末」とは無駄にせず倹約することを表すが、単なるケチではなくたとえ高くつくものであっても本当に良いものであれば長く使い、長期的視点で物事を考えること。
また「きばる」とは本気で取り組むこと。

◆利真於勤
利益はその任務に懸命に努力した結果に対する「おこぼれ」に過ぎないという考え方であり、営利至上主義の諫め。

◆陰徳善事
人知れず善い行いをすることを言い表したもの。自己顕示や見返りを期待せず人のために尽くすこと。

どうでしょうか。

利益はただのおこぼれに過ぎないと思い、
自己顕示や見返りを期待せず人のために尽くす。

あなたはこれができますか?

会社員だとしたら、
自分の活躍に対する承認や賃金を期待することなく
会社や世の中のために尽くす。

そんなことできますか?

実際にできてますか?

おそらく、無理ではないかと思います。
会社や家庭内でも、自分の能力や活躍を認めて欲しいと誰もが感じていると思います。
その見返りに賃金を求めるのは当然だと。

ですが、近江商人の理念はそうではなかった。

たとえ誰もみてなくても利益が見込めなくても、善行を行えと言っているのです。

今の資本主義の世の中では、ありえない思想です。

儲かると聞けば善行を行い、
やっても無駄なら行わない。

資本主義はそういう短絡的な危うさを含んだものなのです。
基本が現実の物質的な見返りを求めるものになってしまう。

街のゴミを拾っても、自分ばかりが拾っているのでは損をすると思ってやめてしまうのです。

自分が得をしたいし、損をしたくない。

そんな自己中心的な心を育ててしまう。

とはいえ、資本主義が悪いとは思いません。
そのおかげで大きな恩恵を受けたことも確かです。

一方で置き去りにしてしまった日本人の、他人を思いやる心、
地域や周囲の人たちを一緒に繁栄すると言う心がどんどん抜けてしまっているような、そんな気もします。

日本人の、近江商人の商売の基本は思いやりに満ちたものだったと思います。

自分だけが儲かっても、本当の幸せとは違うと言う本質を知っていたのかもしれません。

あなたも経験ありますよね。

どんなに楽しいことも嬉しいことも、分かち合う相手がいなければ一人虚しく過ぎ去るだけだということを。

ともに切磋琢磨して、道を切り開く。
その友が多ければ多いほど、私たちは喜びも掛け算になるのです。

資本主義×近江商人の理念

これをうまく体現できれば、日本が世界経済でも揺るぎない盤石な土台を作ることが可能になるのでは、と感じています。

まずは、あなたが、身近な会社や家庭の中で、
誰かと一緒に成功するということを意識してみると良いかと思います。

今まで一人でなんとかしようと思っていたことを
誰かと一緒になんとかしようという感じにする。

仲の良い相手にならそんな提案もできますよね。

正直、世界経済も資本主義が行き詰まってきたから、サスティナブルとか持続可能な社会、という表現をし出したのだと思います。

日本からしたら、当たり前に行っていたことを欧米諸国がこれからの経済のために目を向け始めている。

日本には古来から「お天道様が見てる」という思想がありました。人が見ていなくても、神や仏が見ている、という教えです。

自分だけが儲かれば良いという阿漕な思想は、始まった時からすでに終わりに向かっています。

それよりも、長く人を支える思想というのは、利他の精神であり、自分及び多くの人が同時に幸せになるような、そういう思想なのです。

日本には古来からそれがあった。

欧米諸国や近隣諸国の、目覚ましい経済発展に目をクラマス必要はありません。

日本人は、昔からの日本人らしく商売をやっていたら
大きくは目立たないかもしれないけれど、いつまでも続く、サスティナブルな商売を確立することができるのでは、そう思います。

ネコパンダ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?