うななん

日々考えることの書き散らし。

うななん

日々考えることの書き散らし。

最近の記事

【もうひと眠り】

眠りは浅く 幸せは遠く 緑が濃くて アイスが冷たい 汗ばんだ手と髪 青春の匂いがする ぎゅってしたくなる ノイズをクリアに ビートはちょっとあげて 鼻歌交じりで 未完成のままで ジャンプする 高く 着地する 足が痛む でもすぐにジャンプする 何度でも 届くまで 何度でも 日焼けの跡が いつの間にか消えてて もう夏が来る 青春なんかとっくの昔に ビュンビュン通り過ぎて 立ち止まる暇もなくて 涙のかけらしか 覚えていないのに ギターが鳴ったら 引き戻される 全部

    • 【幾つもの砂粒】

      オムライスにハートマーク ベタな愛情表現も たまにはいいよね お皿が空っぽになる そのスピードが答えだ 卵で優しく包んで 破れないように大事に包んで 汚れた口元をティッシュで拭う前の 光る唇に見惚れていたいんだ 狭い台所で 譲り合って後片付けしよう お茶を淹れて 楽しみにしていた映画をみよう どちらかが眠ってしまったら ベッドへ誘って 日常に溢れる幸せを 取りこぼさぬように いつも何か足りなくて 夜を彷徨う 止まない雨音を 聞いている人がいる 仲間がいるの

      • 【正義】

        熱に浮かされて 一人きりで 心細くて 補助灯の灯りも消して 暗闇の中に 夢の中に堕ちて 微睡は一瞬 身体を捩って 辛さに耐える ただひたすらに 癒えていくのを待つ 具合が悪くても 心を病んではならぬ 抗わずに闘う細胞に任せて 邪魔をせぬように じっとしている ああでも こんなにも心細い 誰でもいいから 手を握っていて欲しい 頭を撫ぜて欲しい 手に入らないものに 手を伸ばす 夢現 これが作為によるならば 耐えて 耐えて それでも耐えて 過ぎ去ってしまう日常

        • 【花吹雪】

          花吹雪が舞うまでは 花見をしたと思えなかった 花吹雪の桜でなければ 春は終わらない 満開の桜でも 僅かに舞い降りる花びらは まださよならの気配がない 川面にピンクの絨毯 春を描いた筆跡は 何度も躊躇って 正しさと過ちを推し量る 気がつけば葉桜 猛スピードで駆け抜ける季節に いつまでも置いてけぼり 風が運ぶのは 羽を広げて羽ばたいた者だけ 流れていく雲を 眺めていないで 追いかけて 走り出して 振り返らないで 心配などしなくても 帰る場所はあるから 次に風の向き

        【もうひと眠り】

          【付箋の言伝】

          きっと誰にも気付かれずに 剥がされてしまうけど 心に留めておきたかったのだ 昔の自分へ 言伝が出来るなら さらっと思ったままを 飾らずに 誰にも気が付かれないくらいで 丁度いい 見知らぬ人に剥がされて 捨てられるくらいで 構わない 心には留まっているから 書き留めたことで 映像を伴って 今までより強く深く たくさん泣いて たくさん笑って 明日へと進む私へ たくさん泣いて たくさん笑って 過去があって今があると 大丈夫よと 教えてあげたかった 未来の私にも

          【付箋の言伝】

          雑文 20240410

          ジャンヌダルクは目指してない。 需要ないとか言われてまで頑張るような矜持は生憎持ち合わせていない(笑) でも感性は揺らがない。 三つ子の魂なんちゃらなやつ。 人が良い(馬鹿)ので、頼まれるのに弱い。 ただし、ない袖は振れない。 そして最近は、疑い深い。 何度も言うけれど、ジャンヌダルクは目指してない。 一対一の対話なら良いけど、そこここに旗振りがいるのは胡散臭い。 もし真実だとしても、好みじゃない。 リリーフランキーならそんな方法は取らないと思うな。 忌野清志郎だったとしても

          雑文 20240410

          【夢ひとひら】

          風に舞う花びらを 手を伸ばして 夢ひとひら 掴めずにいるよ 声が枯れて 遠くを見ている あなたを呼び止めて 振り向いて 何度も手を伸ばす 何度も夢に見る 強い風が 桜の花びらを舞い上げて 哀しみと強い意志 折れてしまわないように ずっと待っている 偶然を 幸運を きっかけを どれでもない 掴み損なって 春が過ぎていく 待っているのは 強い意志 降り積もった花びらで 足元はピンクに まだ散ってしまないで 願いも虚しく花が散る 強い風が吹く 愛を確かめ

          【夢ひとひら】

          エッセイvol.22 家呑みあるある

           今夜は肉汁うどんとスーパーのいなり寿司etcで家呑み。  旦那様は珍しく500ml缶、私は梅酒一杯で終了。  双方お酒は然程強くないので、エンゲル係数高いけど、酒代はほぼかからないので安上がり。  つまみをたくさん並べて、わふわふと食べるために、呑むことにしているだけだ。  猫にマグロをおねだりされたりしながら、テレビで映画を観たりする、ゆるりとした週末の夜。  うちの猫は、深夜の帰宅中、私の運転する車の前に飛び出して、轢かれてしまった後遺症で片足が曲がらない。  トイレに

          エッセイvol.22 家呑みあるある

          んー。 なんか急激にしんどくなってきた。 しんどさの要因は1対1じゃないこと。 相手が集団になると、それぞれの思惑があって、不安が拭いきれない。

          んー。 なんか急激にしんどくなってきた。 しんどさの要因は1対1じゃないこと。 相手が集団になると、それぞれの思惑があって、不安が拭いきれない。

          【菜種梅雨】

          凍える程ではないけれど 寒い雨が降り続いて みな一様に憂鬱だと言う 幸せに思っていた 雨に包まれて 何者かにそっと護られているようで 湯掻いた菜の花を 若い頃は分からなかった美味しさを 微かな苦味と甘さを 貴方が口にする 叙情的な言葉達を 聞き漏らすまいと耳をこらす 額に入れて飾って インクの匂いのする本に挟んで 湯船で鼻歌に歌って 泣いていると何故 分かってしまうのだろうと ほつれた糸をかがる夜 カセットテープの緩んだリールを 鉛筆で巻き取るように 手繰り寄せた

          【菜種梅雨】

          【短編小説】 春の光

           桜色のいと小さき爪は、小さいながらも彼のそれによく似ていて、私の人差し指をキュッと握ってくる手が愛おしい。 「もう少しで4000キログラムだったって、助産婦さんに言われて」  両親とも細身な体型なのに、目の前の赤子は相撲取りのようにふくふくとしている。  頬は紅らんで、少しカールがかかった豊かな髪を撫ぜてやると、好きも嫌いも、是も否もなく、ただただありのままを吸収しようとする無垢な視線にあたって、疾しさから目を逸らしたいが、陶器のように白い白眼と、艶やかな大きな黒眼に、吸い

          【短編小説】 春の光

          【目覚めたらハグを】

          人間はいつか死ぬよね 知っているけれど 考えすぎたらおかしくなるから 考えないで生きるように 出来ているのだよね 無意識でいられるのは 幸せだと思う 無頓着でいると 失うまで気付けない 夜更けに自分の生と向き合う いつか来る終わり 難しいけれど 後悔のないように生きて 心ない誹謗中傷に 見張られている生活に 全てが嫌になって 閉じ籠って泣いて 食べて 寝て 起きて 辛くても働いて 少し落ち着いたら ちゃんと大丈夫 手にしている幸せを 確認したら大丈夫 全てを

          【目覚めたらハグを】

          【明日のこと】

          明日のことを 何も考えずに夜更かし いいとか悪いとか 全部度外視茶飯事 布団に入れば 秒で眠れる そんなの解ってる 足りていないんだ まだ足りない あんなに摂取したのに あんなに摂取したから 足りない 足りていない 整理出来ていない 長いデフラグ まだかなって 聞いてくれたから 頑張れた もういいよって 見捨てられたら 足がすくむ 些細な言葉尻なんだ 意味が同じでも そんな風に揺らがずにいたい 小鳥が悲しそうに囀っても 夢の続きは 夢が見せてくれた 思って

          【明日のこと】

          【ギフト】

          夢の中でさえ 僅かに露呈した動揺を ひた隠しにして 笑顔を作る私 貴方の不敵な笑みを その真意を 流れるようなカメラワークが 最後に映した人 そのフォーカスが 全てだった 思うよりも控えめで 察しが良くて 祝福されていることを知って 泣いていた 彼女に嫉妬した そんな資格は持ち合わせていないけれど 見えていなかったものが 見えたのはおそらく偶然じゃない それはギフトだ 使命を全うせねばならぬ 藍色を纏っていた彼女 いつか逢えたらいいな 心からの祝福をもって お

          【ギフト】

          【短編小説】 ノートに記すのは

           春と風で形容されるなんて不思議な人ねと瞳は言った。  妻のことをどんな人かと聞かれたから、季節で言えば春、もしくは風のような人だよと答えたら、奥様にも興味が湧いたけれど、奥様をそんな風に形容する貴方にも俄然興味が湧いたわと言い、女物の上質なビジネスバッグから、ノートを取り出した。 「メモを取る程のことかい?」  あからさまに、取材でもされそうな勢いにたじろいで、店内用のマグで提供された目の前の熱いコーヒーを早々に飲み終えて、さっさとオフィスに戻りたいところだが、そうはいかな

          【短編小説】 ノートに記すのは

          【虹色の花束を】

          選んだり選ばれたり その尊さを寿ぐ 形にして遺す その想いがきっと 誰かの幸せになる 美しいものが 損なわれることなく 守られて 守ることで強くなって 輝いて ああ今朝の虹 祝福が降り注いでいたの 愛しみを花束に 心からの祝福を 友人の祝福に 照れ笑いをする顔が浮かぶ 柔らかく 春の日差し 柔らかく 春の雨 人生の門出を 遠くからそっと祝う

          【虹色の花束を】