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やってきたもの/密封/止まらない/一歩間違えたら(140字小説)

私が所属しているHEARシナリオ部で書いた作品です。
月に一度テーマを決めて、部員で作品を書き合います。
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面白い話がかけるかどうかは別として、書くことは苦にならないのですが、140字小説……短く書くのは苦手分野です……
140字でまとめられる方は、本当に凄いと思います。

◆やってきたもの

演説が行われていた。でも、よく聞こえない。
「ねえパパ、なんでみんなは、あんな話を聞いて、こんなにも興奮しているの?」
「実は、パパも聞いていて、なぜ、みんなが興奮しているのか、よくわからないんだ。とんでもなく危険なものがこの国にやってきているのではないかと、パパは少し心配だ」

◆密封

「なんでこんなに厳重に密閉してあるの?」
「ある遺跡から発掘されてね、何人も関わった研究者が死んだ」
「呪われてるの?」
「呪いじゃないな。物凄く微量なある種の毒物が出てる事がわかっていてね。
ただどんな仕組みで、何千年も劣化しないで、毒物を出し続けてるのか皆目わからないんだ」

◆止まらない

夜の横断歩道を渡ろうとしたら顔色の悪い男が現れた。
「どの車も止まってくれない。スピードを上げて走ってくる。手を挙げているのに、誰も止まってくれない。まるで僕が見えないみたいだった。あの時、僕はとても急いでいて、無理に渡ったんだ……」と言い終えると、私の前から彼は消えた。

◆一歩間違えたら

私はその施設で働いている。いろんなタイプの奴がいる。
ある者がふいに私に声をかけた。
「スタッフではなく、人間として、あんたは俺のことどう思ってる?」
「一歩間違えたら、大人物になってたと思ってる……」
「一歩も間違えずに、ここに来ちまった!」
彼は笑った。
そんな人たちが、ここにはいる……

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