これから
私が所属しているHEARシナリオ部で書いた作品です。
月に一度テーマを決めて、部員で作品を書き合います。
フリーで朗読・声劇で使用できる物語です。
配信などでご利用される場合は文末の規約に従ってご利用ください。
■HEARシナリオ部公式(他の部員の作品も読めます。現在、150本以上)
■その他の ねこつうが書いたHEARシナリオ部投稿作品
■エッセイも含めたその他の ねこつうの作品の目次へ
(SE)車に乗っている音
語り 満月が綺麗な夜だった。大きな道路を、二人の乗った車は走っていた。辺りいったいは、更地になっている。
(SE) ぴぴぴぴ、ぴーーー
男 ん? あー。
女 なになに?
男 ちょっとね。
女 なに? いまの。
男 よいしょっと……センサー切り忘れてた。
女 センサー?
男 そうそう。車間距離センサー。
女 え?
男 ……
女 車間距離って、前も後ろも、何も……
男 うん……
女 これって……
男 うん……津波のあとから、こういうこと結構あるんだよな……
女 …………(ため息)
男 俺は、慣れちった。怖がるのも失礼だしな……だけど、ミホは……
本当に……いいのか?
女 お義母さんから、電話で、言われたわ。「この子は、馬鹿ですよ? ミホちゃん、本当に、いいの?」って。
男 あ、いつの間に(笑)。
女 「あの子が、酷い事したら、早めに捨てていいからね」って。
男 相変わらず、ひでえなー。お袋はー(笑)
女 それと「だいぶ戻ったけど、こっちは、不便な事もやっぱり多いよ。そっちで生活を続けた方がいい気がするんだけど……本当にいいの?」って、お義母さんが……
男 …………うん
女 「覚悟の上です」って、答えたよ……
男 ……ありがとう………………
(SE) 車の音
(BGM)
震災で亡くなった方々のご冥福を心からお祈りいたします。
作品ご利用に関して
・この作品は朗読、配信などで、非商用に限り、無料にて利用していただけますが著作権は放棄しておりません。テキストの著作権は、ねこつうに帰属します。
・配信の際は、概要欄または、サムネイルなどに、作品タイトル、作者名、掲載URLのクレジットをお願いいたします。
・語尾や接続詞、物語の内容や意味を改変しない程度に、言いやすい言い回しに変える事は、構いません。
・配信の際の物語の内容改変をご希望される場合は、ねこつうまでご相談ください。
・また、本規約は予告なく変更できるものとします。当テキストを用いた際のトラブルには如何なる場合もご対応いたしかねますので、自己責任にてお願いいたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?