猫のひげを切ったらどうなるの?
哺乳類の動物にはおおよそ「ひげ」が生えています。
猫も立派なひげを生やしていますが、爪のように切ったらスッキリするのでは?と思ったりしたことがある人もいるかも知れません。
じつは猫のひげはとても重要なのですが、今日はこの猫のひげについてお話します。
人のひげの役割
人にもひげは生えていますよね。
人の場合、薄い濃いは個人差がありますが、男女関係なくひげは生えています。
ただ、男性ホルモンに影響を受けるので一般的に見た目は男性が濃い傾向にありますが、女性も男性ホルモンが少なからずあるのでうぶ毛は生えているものです。
人のひげの役割は諸説ありますが、類人猿からの名残で、パートナーである女性を獲得するための1要素だったと考えられています。
また、獲物となる猛獣への視覚的威嚇のためとも考えられているようです。
現代では、ひげのない男性も好かれたりし女性の価値観も多様性があることや、生きるために獲物を狩りするといったことがなくなったことで、大昔に比べれば男性のひげはさほど機能的な意味がなくなっているのではないでしょうか。
個人的に、ひげをしっかり整えているダンディーなおじさんを見るとカッコイイと思います。同性ですらそう思うので、もし自分が女性ならドキドキするのかなと思ったりします。
そうすると、太古の血が潜在的に覚醒しているとも言えそうですね。
さて、次は本題の猫のひげについてお話します。
犬と猫のひげ 見た目の違い
ペットの代表で犬と猫がいますが、犬も猫もひげはあります。
ただ、犬と猫とではひげの機能が全く違うのです。
まず、見た目ですが、犬は「細くて柔らかくそれほど長くありません」が、猫は「太くて固く長い」のが特徴です。
触って見るとよくわかりますが、猫のひげは頑丈でちょっとした衝撃でも折れ曲がりません。
よく、「猫のひげを切ってはダメ!」と言われますが、なんとなくわかっている人もいると思います。
猫のひげを切ったらどうなるか?
過去に猫のひげを切ってしまった
私は子供のときに何も知らず、猫のひげを切ってしまったことがあります。
いたずらやおもしろおかしくではなく、爪をきるのと同じ感覚で、長くて邪魔だろうという考えで切りました。
その後、猫の様子がおかしいことに気づきます。
何故か壁に頭を激突させていたり、まっすぐ歩けなくなったり、明らかに入れないような狭い隙間に入っろうとしてはまってしまったり、、
はじめは、まさかひげを切ったことが原因だとは知らず、病気になってしまったものと思い、母親が仕事から帰ってきたとき半泣きで状況を話すと、母親も心配になり、次の日動物病院に連れて行こうと言いました。
そのとき、母の口から「あんた、猫のひげ切った!?」と急かしたように言われ、邪魔だから切ったことを話すと「それが原因だよ!」と言われました。
ここで、初めて猫のひげを切ってはいけないことを知ったのです。
その後の猫は、ひげが生えてくるまで行動が不安定でしたが、徐々に慣れてきているのがわかり一安心しました。
構造上の大きな違い
犬も猫もひげは、生きていく上で必要なセンサーなので切ってはいけませんが、犬と猫を比べた場合、猫のほうがより繊細な構造をしています。
まず、犬のひげは人のひげと同じような構造をしていて、皮膚の中に毛根があり神経とはつながっていません。
それが、猫のひげは毛根が神経とつながっているのです。
ひげ自体には神経は通っていないので、切っても痛みはありませんが、毛根が神経とつながっているので、強く引っ張るとかなりの痛みを感じます。
ひげは空間認識センサー
犬と猫のひげの役割は、自分自身のまわりの空間を認識するためです。
特に猫の視力は人の10分の1程度と言われいるので、目はあまり良くなく、暗闇ではあまり見えていません。
そこで、空間を認識する重要なセンサーが「嗅覚」と「ひげ」なのです。
さっきの解説でもお話しましたが、猫のひげは毛根が神経とつながっているので、とても繊細なセンサーになっていて、微弱の空気の動きも察知できるほどです。
猫のひげが自分の頭より先に出ているのも、まわりの障害物に当たらないように、ひげで察知するために長く硬いわけです。
犬も同様に、ひげは空間認識に重要な役割を果たしているので、むやみに切ってはいけません。
動物にとってひげとは生きていく上で大切なセンサーだったのですね。
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