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【解剖学】腹部解剖の本質を理解する③

ども、夜勤明けのねこのてでございます!

 働いたぜ・・・。なんとも言えない解放感と疲労感。くぅー明るい日差しが眩しい、、!おつかれ自分。ハロー、ワールド。
そして、わたくし記事を書くのが割と好きかもしれなくて、お昼寝前に書いちゃおう!って感じのテンションです!

 さて、そんなテンションで書こうと思っている今回の記事のテーマですが、発生学を少しまじえて、1、2回目の記事の解剖知識をより固めていくことを目的とします。
頭の中での想像が要求されるので、習得するのに少し骨のいる作業かもしれませんが順を追ってみていきましょう。


なぜ「軸」ができるのか

 これまで腹部臓器について、「二つの軸」について概説を述べてきましたが、なぜそのような「軸」が生じるかを考えていきます。

発生第4週あたりの腹部臓器を考えるため、こんな絵を書いてみました!
腹腔内に、発達途中の臓器が入っているイメージです。これらがどのように発達し、動いていくのかを考えます。

【胃】
 胃の原基は4週半ばに紡錘状に拡大してきますが、前後にも拡大して前後それぞれに小彎、大彎が形成されます。前回述べた固定点を維持したまま時計回転し、小彎は腹腔後壁方向に向かうため胃の長軸は脊椎をまたいだ彎曲軸となるのです。(下の図から、前回の胃の軸と臓器の配列軸をイメージしてみてください!)
 ちなみに胃原基後方の間膜を「背側胃間膜」と言いますが、これは胃大彎に付着して左尾側に向かい末端が「大網」となります。そして胃原基前方の間膜を「腹側胃間膜」と言い、これが「小網」を形成します。小網は肝の下面に付着していて、肝十二指腸間膜と共に胃を吊り下げます。

【十二指腸】
 発生第4週に腹側にC字型に突出してきますが、その後十二指腸原基は時計周りのねじれによって背側に移動していきます。原基についていた腹側腸管膜は背側に入るように消失し、この過程を経て十二指腸は背側に固定されていきます。
上の図でいう、3つ目の絵ですね。

【肝】
 肝の原基も発生の過程で「時計周りのねじれ」を伴う動きを余儀なくされます。
ですが、肝は「柔らかい」臓器でした。腹腔の隙間を埋めるように変形していきます。腹腔の右上に移動していくにつれて、肝臓はその形を変えていきます。肝臓の長軸が、腹腔の形に沿った彎曲軸になるのが想像できると思います。

【膵】
 十二指腸原基の背側に「背側膵芽」が、腹側に「腹側膵芽」が位置しています。
これも同様に「時計回りの動き」をイメージすると、腹側膵芽が背側膵に癒合する過程がイメージできると思います。膵鉤部は背側に位置しますが、腹側膵由来の理由はこれです。超音波検査では、エコーレベルの違いとなって表現されることがありますよね!
膵に着目して、もう一度この図を見ながら想像してください。

見る方向を変えると、こんな感じのイメージ。

発生過程の「時計回りにねじれながら腹腔内臓器が立体的に動くイメージ」を持ち、それをこれまで述べた「配列軸」「臓器の軸」のイメージとつなげてみてください。それを一度理解出来れば、モダリティの違いに惑わされない「一元視」がぐっと近づきます!!

ちな、前回の話も載せときます↓


「箱」の本来の形とは・・・!?

「腹部解剖の本質を理解する①」で、私たちは腹腔を単純な「箱」に例えて単純化して考えていました。もう「軸」の話はある程度済んだので、腹腔の本来の形に戻しましょう!腹腔の形を以下にまとめます。

【腹腔の形のポイント】

仰臥位において第3腰椎が最も高くて、第5胸椎が最も低い。そのため、上腹部は頭側に向かってどんどん低くなっていく。
・胸郭に覆われた部分の腹腔は胸郭外の腹腔に比べて広く後方に向かって大きく広がっていく。

絵にするとこんな感じですね。足側から少し煽ってみています。

ここにこれまで学んだ「軸」を意識して、臓器を入れていきましょう。
すると、、、

こうなっていきます。

これまでやった、「軸」が腹腔の形と合わせて見えますか・・・?追いやられた肝臓が形を変えて脊椎をまたぐイメージが湧きますかね?

拙い文章で恐縮ですが、これらがなんとか伝わっていれば嬉しいです。

はいっ!!てなわけで、次回は軸を意識した「目」を持つことで、画像を見る目にどんな変化があるかを紹介していきたいと思います!!ほぼ最終回っすかね!

お疲れ様でした〜〜!!





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 以上の解剖知識は以前紹介したこの本一冊でまかなえました。今回の記事の参考文献と言って良いです。画像を理解するには、その背景にある解剖知識は必須で、その場だけでない系統的な解剖知識をつけるには本当におすすめの本です

これらの本もよきでした!

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