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【臨床生理・病理】「がん」ってなんなの?③ 〜タンパク質の設計図〜

はい!ねこのてです!

 少し前から、「がん」を理解してもらうために、思い切って細胞レベルから話をしています。
この細胞レベルの「機構」を本当にすごい事だと私は感じていて、それを読んでくれる方にぜひ伝えたい!そして、拙い記事かもしれませんが、なるべくわかりやすく記事にしたいと思って書いてます。

 前回は、「細胞内の核の中にあるDNAという「設計図」によって作成されたタンパク質が作成され、このタンパク質によって細胞は様々な機能を有している」という話をしました。そして、この動きのことを「中心教義」または「セントラルドグマ」と言いましたね。
 今回は、その設計図であるDNAについて少し詳しく見ていきます。

 ヒトの細胞はおよそ37兆個と言われていますが、お母さんのお腹の中での私たちの始まりは、たった一つの受精卵だったと思います。それが、細胞分裂を繰り返し、いつしか赤ちゃんとして生まれ、そして成長し成人となります。
ということは、37兆個、細胞はコピーされているのです。その元となった設計図が皆さんご存知「DNA」。

このDNAは
A-T-G-C-C-C-T-A-T-……………………………C-C-T-A-A-A-……………(※適当です)
の様に4つのパーツがびろびろと連なっていて、これが2本連なって螺旋状に存在しています。そして、相性の良いパーツが手を繋いでいるのでしたね。

 細胞にとっては、4つのパーツの並び方こそが設計図そのものなんです。そして、この並び方を「塩基配列」と呼んでいます。
 皆さんこの並びを見て、「あーはいはい、あのタンパク質の設計図ね!」ってならないですよね?でも細胞はなるんです。この並びが意味する情報を「遺伝子」と言います。

 さて、細胞がDNAをコピーして分裂する際、こんなにびろびろと長いと邪魔じゃないですか。だから、まとめておこうとするんです。
ほら、電気コードとかついついぐるぐるしちゃうでしょ?それですそれ。

びろびろDNAをまとめたものがこちら↓

https://bio-sta.jp/beginner/genomedescription/より引用

DNAが緑色の平べったいものに巻きついてコンパクトになってませんか?すごい収納上手なんです!このびろびろDNAを巻き付けている緑色のものはタンパク質なんですが、「ヒストン」と呼びます。それで、DNAがヒストンに巻きついて、コンパクトになったものはこういう形をしています↓

このエックスみたいなやつ。これを「染色体」と呼びます。
たくさん言葉がありますよね。用語が多くて混乱を招きかねないので、一度文章にして整理します!


 細胞の中にあるDNAは、「塩基」と呼ばれる4つのパーツが細胞にしか意味のわからない順番、つまり「塩基配列」をもって連なったもので、この順番に含まれている情報を「遺伝子」と呼ぶ。そして、この長いDNAは「ヒストン」というタンパク質に巻き付けられてコンパクトなっており、それがひとまとまりになったものを「染色体」と呼んでいる。

ってな感じです。お借りした絵でダメ押し!

https://bio-sta.jp/beginner/genomedescription/より引用

 こういった遺伝情報を元に、それぞれの細胞にとっての「特徴」の源とも言えるタンパク質を使って、体は組み立てられていくのです。その動きこそが「中心教義」「セントラルドグマ」
少しずつ話が繋がってきますか?
「がん」とは、この中心教義の流れに異常が起こる病気なのです。


今日はここまでです!!どうもありがとうございました。

次回はいよいよ最初の山場!「転写と翻訳」をテーマに記事を書きます!!


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