何事もほどほどがいちばんだと思った、就活のハナシ。
重たい話を書いているので、少し箸休めをしたい。
終身雇用が幻となって久しいが、私も御多分にもれず何度か転職をしている。
経験した仕事を、チャート化してみた。
個人情報なので、色々フェイクを入れていることはお含みおき頂きたい。
20代前半だけで3社ほど経験しているが、その辺りは倒産も含めたまたま全て会社都合退職なので、ここでは詳細は割愛したい。
私の見る目が無かったか、はたまた疫病神の才能があったのかもしれない。
20代半ば、あるアパレル企業に中途入社した。
振り返ってみて、ここのチャートはこうだ。
まだ若く、好きを仕事にしたい、その一心だった。
元々業界経験があり、ほぼ最短コースで昇進した。
一販売員から旗艦店の店長も勤め、希望部署に空きが出て本社勤務も経験した。そこで管理職にもなった。
やりがいはあった。
接客技術を磨けば売れるし、育成に励めば下が育つ。
仕事は好きだから、毎日終電までがむしゃらに働いた。
今思えばおかしな話なのだが、慣れとは怖いもので。
残業代という制度が無く、定時8時間の労働に対し、13〜4時間がデフォルトだった。
そしてボーナスは会社の業績次第。
業界的に冬の時代、10年勤めたが、ボーナスは入社3年目以降一度も手にしたことはない。
ちなみに退職金などという制度も無い。
人が仕事を辞める理由は、3つと言われる。
①仕事内容
②人間関係
③報酬
逆を言えば、2つが満たされてれば耐えられてしまうのだ。
仕事は好きだったし、人にも恵まれていた。
時給換算すると労基の中の人がもぞもぞと蠢き出すが、さすがに10年もいると月収は悪くなかった。
ボーナスという概念が無いため、年収はお察しだが。
辞める決め手は、いよいよ会社の経営が危なくなったことだ。
人を削るようになったのだが、退職金制度が無いため希望退職を募ることは出来ない。
まずターゲットになったのは、親の介護をしている社員や、乳幼児を抱えた女性社員だ。
飛行機の距離に、転勤辞令を出す。
当然、退職する。
そうやって、人を削っていった。取引先への支払いも、遅らせる交渉をするようになった。
ああ、この会社、もう終わるな。
30半ば、転職は最後かな。
そう思って辞めた。
辞めて間もなく、帝国データバンクに社名が晒された。
人間、不満を経験すると、その逆を求めるもので。
もうやりたいことはやった。
じゃあ欲しいものは何か、安定だ。
潰れない会社、手厚い福利厚生。
愚かすぎる私は、今まで無かったものに全振りした。
結論から言おう。
1年ちょっとで辞めた。
語れるものは何もない。
ひとつ言えるのは、どんなに会社が安定していても、やりがいがゼロでは何のモチベーションにもならない。
福利厚生の手厚さが群を抜いていたが、社員を洗脳して手駒にする社風がどうしても無理だった。
年次が浅いながらそれなりに結果も出していたが、最後はえげつないパワハラで体を壊して辞めた。
幸い早く見切りをつけたので、まだ30半ばだ。
真逆の2社を見てきたことで、自分の向き不向き、求めるものの優先順位を整理できた。
とはいえ、コロナ禍での就職活動。
今まで経験したことのない数の、お祈りメールを頂いた。
祈られすぎて、一周回って自分は神か仏だと思うことにした。
中途は即戦力が求められるから、ある程度経歴の活かせる所をベースに受けていたが、たまたま気になって見つけたあまりパッとしない、未経験業界の求人を受けてみた。
名前も聞いたことのない小さな会社だったが、これといったネックも無かった。
感覚でしかないが、面接の中でここだと思った。
お互いマッチし、その日にアッサリ決まった。
早いもんで、前職の期間を軽く超えた。
結論、本当にバランスが良い。
自由だが、成果が求められる。
規模は小さいながらも、きちんと利益を出し続ける仕組みを構築し、社員に還元している。
求人に無かった、驚くほどの福利厚生。
求人情報がパッとしないのは、会社的にそれが当たり前で、特段打ち出すことだと思っていないからだ。
ボールドもびっくりの驚きの白さだ。
「アットホームな会社です」
「風通しの良い社風です」
偏見だが、これを謳う企業は、余程他に魅力が無いことが得てして多いと思う。
小さい会社だろうが、求人がパッとしなかろうが、意外と受けてみないと分からないものだ。
仕事内容だけの話なら、正直アパレルが一番楽しかった。
ただ今も任せて貰えるやりがいはあるし、スキルアップもできる。なにより悲願のボーナスがちゃんと出る。
バランスって本当大事なんだなってお話。
ここでしっかり食らいついて、成長したいと思う。
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