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好き過ぎて息ができない #3000字に込めた偏愛

3000字で行き過ぎた愛を語ることが流行っているらしい。私も書いてみよう。

最初に思いついたのは声優さんへの愛だったのだが、3000字も費やすほどの熱量が私にないとわかった。どんな声が好き、声優さんでは誰が好き、以上。これでは偏愛とは言わぬ。

もっとキーボードが追いつかないぐらい、怒涛の勢いで語れる何かはないものか。探していたらあった。見つけた。

グザヴィエ!!!!!


noriさんがみんフォトから私の絵を選んでくれて、読みに行ったら共感しまくり、初めましての方なのにめっちゃ長いコメントを書いてしまった。止まらないのですよ、書きたいことがあり過ぎて。そのぐらい好き。偏愛確定。

ソースを提示するのももどかしいので、私の記憶だけを頼りにいまから愛をぶちまけます。

さあ語るぞ、グザヴィエ!


カナダのケベック出身で、フランス語と英語を話します。子役でCMやアニメなどの声優をやっていた。役者を目指していたがオーディションになかなか受からない。だったら自分で映画作ったらぜったい主役できるじゃん?という理由で映画監督に。過干渉すぎる母親と息子の、すれ違いながら求め合う親子愛を描いた『マイ・マザー』が1作めながら注目を浴び、その数作後に19歳で撮った『Mommy』(これには出演せず)で何やらでっかい賞を受賞して一躍有名になった。その後は監督と役者を兼業しながら活躍しているスーパースターなわけですが、みんなあんまり知らないでしょ?知ってました?グザヴィエ・ドラン。いいのよ知らなくて。むふふ。

まず彼のビジュアルが好きです。背はそんなに高くなくて、世間ではイケメン扱いだけどなんというか、アニマルっぽい顔してる。あらいぐま的な?わしゃわしゃしたくなるお顔。キュート。
声というか、話し方も好き。ちょっと舌足らずで甘えん坊、鼻にかかったような声でもごもご喋る感じ。ケベックは公用語がフランス語だと思うけど、だからフランス語のほうが得意な印象。英語ももちろんネイティブなんだけど、英語で喋るときのほうが少したどたどしく聞こえる。それがまたいい。キュート。

彼の監督作品は全て好き最新作は『マティアス&マキシム』で、これは『君の名前で僕を呼んで』に感動したグザヴィエがどうしても作りたくて作った映画だそうです。『君の名前〜』について語ったnoteはこちら。

私、この『君の名前〜』で好きなのが、主人公とその家族が多国語を話すところなんですよ。英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語。相手やシチュエーションによって変えてて、それがなんとも楽しい。日本語吹き替え版だとそこの魅力がなくなっちゃうからぜったい見ないつもりだったんだけど、主人公二人の声が津田健次郎と入野自由みゆだと知って、2回観たよね。みゆくんは事務所の意向か何かでBLドラマCDには出ない。それがツダケンとカップルを演じるだなんて、見なきゃ末代まで後悔します。ツダケンは『呪術廻戦』の七海建人ね。みゆくんは子役のときの『千と千尋〜』でハクを演じたのが有名で、私が好きなのは『おそ松さん』のトッティことトド松役です。わからない人は置いていきますよ?(もう半分以上の人が離脱してると思うけど)

グザヴィエが『君の名前〜』に心を揺さぶられた理由はいくつもあるだろうと思いますが、ひとつ、彼自身がゲイであることは外せないでしょう。彼が撮る映画のほとんどにゲイが登場します。自分で演じるときもゲイの役。『マティアス&マキシム』もそうで、誰にも明かしてこなかったのに、あることがきっかけで幼なじみとの関係性が変わっていくというお話。

エンディングがとてもよくて。彼の映画の特徴的なところかと思いますが、最後のカットがどの作品もすば抜けて印象深い。ぴたっと止まって、即暗転。『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』という映画もね。これには彼は出演してないのだけど、子供の頃から芸能界にいて、ティーンのときにドラマで大ブレイクしたあと落ち目になってる役者が主人公なんです。ゲイであることを隠しつつ、母親との「甘えたいけどうるさい」関係に悩んでいるあたり、グザヴィエが自身の姿を投影しているのは間違いない。これのラストも最高にいいんですよ。全体的に暗い話の最後の最後に希望が見える。『マティアス〜』もそんな感じです。


監督としての彼の才能とセンスに!


私好みの魅力を感じてやまないにも関わらず!


役者としてのグザヴィエが!


最高キュート色っぽい嫁に欲しいってどういうことですか!?!?!?


私をそんなに悶えさせて何がおもしろいのだグザヴィエ!!!!!



『ホテル・エルロワイヤル』という誰か忘れた監督の映画に、ほんのちょい役で出演してます。シンガーのプロデューサー役。はっきり言って彼じゃなくても誰でもいいようなキャラクターです。グザヴィエは鼻持ちならないスノッブな青年で、若き成功者らしく三つ揃えのツイードスーツを着ているわけですが、その(私には可憐に見える)お姿を拝みたいがために、わずか数分の出演シーンを何度も映像を巻き戻して見ました。映画なんていまタイトルがわからずググったぐらい私にとってはどうでもいい内容だったけど、グザヴィエが出ているというただそれだけの理由で星5つです。

あと、『ある少年の告白』という実話を元にした映画に、これはわりと欠かせない役で出ているのも何度か繰り返し見ました。息子がゲイだと知った両親が「矯正施設」に入所させるという、いまとなっては考えられないストーリー。グザヴィエはその施設の「先輩」で、「ゲイなんて治らないんだから、カリキュラムだけうまくこなして出所すればいいんだ」と主人公を慰める役。どんな気持ちでこの役を引き受け、そんなセリフを言ったのか想像すると涙を禁じ得ません。

さて、ここまではほんの序章ですよ!

私が本当に推したい彼の作品は!!!

『Tom à la ferme』(トム・ア・ラ・ファーム)英語表記だと『Tom at the farm』です!!!!!


グザヴィエ監督による、グザヴィエ主演の映画。フランス語。もちろんゲイ役。トムという名前の主人公が、急死した彼氏のお葬式に出かけるところから始まる話。彼氏の実家は農場を経営しており、偏屈な母親とその100倍偏屈な兄が住んでいる。この兄が「弟の元彼」であるトムをとにかく毛嫌いしているのだが、母親は亡くなった息子の恋人は女性であることを疑っておらず、兄はトムにただの友人として母と接するようしつこく言い含める。トムは話の流れからしばらくその家に滞在することになるのだけど、農場の仕事を手伝うなどしているうちに兄との関係に少しずつ変化が生じてくる。

こうやって書いてるだけでもまた見たくなってますが、この映画のトム役のグザヴィエがねえ。小汚いのですよ。ウェーブのかかった金色に染めた髪が中途半端に肩まで伸びて、あまり似合ってないライダージャケットなんかを着て、半分狂ってるような兄に喧嘩をふっかけて追いかけられ、泥水の溜まった土に顔を押さえつけられ、あまつさえ唾まで吐きかけられて、でもなぜだか惹かれ合い、

タンゴをね!踊るの!二人で!

そのときのグザヴィエの顔つき!

あんな色っぽい顔、女優さんでも見たことない!恍惚の見本。背中を大きくそらしてね。

そのあと夜にひとけのない屋外でビールを飲むシーンがあるんですが、グザヴィエが兄のジャケットの匂いを嗅ぎながら、

「彼と同じ匂いがする……彼と同じ声……」ってまた恍惚とするの!やめて!その顔反則!

キスシーンもベッドシーンもないのに、ムラムラする映画です。「ひかりTV」では星3つと低評価なのが嬉しい。

キミたちにはこのグザヴィエの魅力はわかるまいて。


ふう。

足りねえ。(3153字)

最後まで読んでくださってありがとうございます。あなたにいいことありますように。