「癌と闘わない」mikaさん/歯ぎしりにイライラしない実験
最近ある方のブログを見つけ、読み耽っている。なんでも、乳がんの告知から余命宣告を受けたが、そこから10年以上も生き延びていらっしゃるらしい。がんが消えたのではなく共存しておられるようなのだが、驚いたのはその方、入院も手術も放射線や抗がん剤治療も、いままで一切したことがないのだ。がんを放置したまま、必要な手当と痛み止めの服用だけでこれまで生きておられる。
2016年に『癌と闘わない』という本を出し、現在ブログとインスタで多くのフォロワーから支持されているmikaさんという方。ブログの記事は2011年から現在まで膨大にあり、すべてに目を通すのは大変なので興味深いタイトルのものだけを選んで読んでいる。3日かけてやっとゆうべ2015年まで来た。2022年にたどり着くまであと7年分。最新記事と並行しながら読み進めている。
30代後半で乳がんの告知を受け、放置の末、40代半ばで余命を告げられた。残り少ない人生をどう過ごすか真剣に考え、出した答えが「積極的治療は今後も受けない」だった。反対するご主人と息子さんをなんとか説得し、ご主人と二人で開いたヘアサロンの仕事を辞め、胸部にぼこぼこと浮き出たがんからの膿や出血を手当てする日々。痛むときは、ホスピス科の主治医から処方されたモルヒネ系の薬を服用する。そうして過ごすうちに寿命とされた歳を過ぎ、何年かのちには断薬できるまでに回復して、いまではヘアサロンに復職している。
身内や友人にがんを患った人が少なくないのと、私もいつ患者になるかわからないので参考までに読んでいる、というわけではない。いや、最初はそのつもりだったが、いくつかの記事を読むうちにmikaさんの哲学とでも呼ぶべき芯の通った生き方に惹かれ始めた。はんなりした京言葉で綴られるやわらかい文章とは対称的な、「自分の足で生きなはれ」というクールでシンプルなメッセージが私に心地よく響くのである。
「無治療で10年以上も生き延びている」と聞けば、がん患者や家族はその中身を知りたがる。ブログを始めた頃のmikaさんは、コメントに寄せられる質問に丁寧に答え、ご自身のやり方を、患部の写真を公開してまで惜しげもなく披露している。その上で「自分の体と心には自分自身で向き合うべきやと思う」、「こんな患部を毎日見るのが嫌な人は、手術を受けたほうがええと思う」などとおっしゃる。自分は抗がん剤の副作用で体が弱っていくのが嫌やったから、考えて納得して無治療を選択したけど、別に誰にも勧めへんし、ある日突然死ぬのが怖い人には向かへんのちゃうかな。
すっかりmikaさんのファンになった。気になる方はブログを読んでみてください。
TRINITY(トリニティ)というwebサイトに1年半ほど連載されたエッセイもあります。まとまった文章が読みたい方におすすめ。
mikaさんのブログを途中までかいつまんで読んでみた私が感じたことや、それを元に実践してみたあることをこのあと書いていきます。
最後まで読んでくださってありがとうございます。あなたにいいことありますように。