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会いたくて

小さなころから動物は得意ではなかった。
動物好きな母がどこかで撮ってくれた
うさぎを抱くわたしの表情は、とても険しい。
たぶん3、4歳くらいのことだけど
うさぎを渡された時の感覚は思い出せる。
怖かった。

その後も犬や猫と一緒に暮らすことなく育ち、
遊びにいった友人宅や
仕事でお邪魔したお客様宅でも
苦手を悟られないよう
うまく乗り切ってきた。

そんななのに、あの夜の公園で
たくさんの猫にあったあとは
毎晩、家と公園を往復するようになっていた。

猫たちはみな地域猫で
それぞれステキな名前がついていた。
写真の猫は、手前がイナズマ、奥がシマジロー。
イナズマの背中には白い⚡️模様がある。
もーちゃん、ボス、ごま母さん、クロ、
デブデブ、モフモフ、ミケちゃん、
ハチワレ、1号、3号、そしてモドキ。

公園で生まれた猫もいるけれど
モドキはどこでいつ生まれたのかわからない。
公園では唯一の茶白猫で、
どうやら猫より人が好きらしい。

猫たちは夜ごはんをもらうために
19時ころから公園に集まってくる。
わたしは毎日、少しでも早く仕事から家に帰り、
急いで夕食をすませて公園へ通うようになった。

怖くてさわれもしないのに
ただ会いたくて。

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