ワイン中に含まれる生体アミンについて 文献整理中
生体アミンについては、ワイン業界で騒がれる前から、アカデミアでは論文が出ていて、読んでたんです。なので、いろいろ調べてはいたんだけれど、ようやく落ち着いて整理していきたいと思い、これも、ここにメモ代わり。
ワイン中のヒスタミンとプトレシンは、実は測定してみました。ですが、私自身が頭が痛くなったり、蕁麻疹が出たりするワインは、ヒスタミンは高くありませんでした。何が原因なんだろう。まずは、可能性を文献上で探っていきたいと思ってます。
生体アミンの種類と影響
ヒスタミン:
生成経路: ヒスチジンからの脱炭酸
健康影響: アレルギー反応、頭痛、血圧上昇など
チラミン:
生成経路: チロシンからの脱炭酸
健康影響: 高血圧、偏頭痛、心拍数の増加
プトレシン:
生成経路: オルニチンおよびアルギニンからの脱炭酸
健康影響: 消化管の不快感、発がん性物質の生成(ニトロソアミンとの反応による)
カダベリン:
生成経路: リジンからの脱炭酸
健康影響: 不快な味と臭い、発がん性物質の生成(ニトロソアミンとの反応による)
生成に関与する乳酸菌の種類
Oenococcus oeni:
ワインのマロラクティック発酵(MLF)において主要な役割を果たす乳酸菌です。低pH、高エタノール濃度、および栄養の少ない環境に耐える能力があります。主にヒスタミンを生成する能力があるが、菌株による
Lactobacillus hilgardii:
ワインや他の発酵食品において見られる乳酸菌です。プトレシンやヒスタミンを生成することがあります。
Lactobacillus brevis:
ワインや他の発酵食品において見られる乳酸菌です。プトレシンやヒスタミンを生成することがあります。
Leuconostoc mesenteroides:
野菜の漬物やサワークラウトの製造に関与する乳酸菌です。ヒスタミンおよびチラミンを生成することがあります。
Pediococcus spp.:
ビール、ワイン、漬物などの発酵食品に見られることがありますが、しばしば食品の劣化を引き起こすことがあります。過剰なジアセチルやエキソポリサッカライド、生体アミンを生成し、ワインの品質を劣化させる可能性があります。
ワイン製造におけるリスク管理
生体アミン生成菌の検出と制御が重要
選択された菌株を使用してマロラクティック発酵(MLF)を実施することで、生体アミンの生成を抑制
ワインのpHやアルコール濃度などの発酵パラメータを管理することも生体アミン生成の抑制に寄与
参考文献
この情報は、「Biogenic amine in wines」論文およびその他の関連研究に基づいています 。
ワイン中のヒスタミンと頭痛の関係に関する文献
Wine and Headache:
ヒスタミンはワインに含まれる自然発生の化合物で、ヒスタミン不耐症の患者に頭痛を引き起こす可能性があります。この不耐症は、ジアミンオキシダーゼ(DAO)という酵素の活性が低下しているか、酵素が欠如していることが原因です。アルコールやいくつかの薬物は、この酵素を競合的に阻害します。ヒスタミンが頭痛を引き起こすメカニズムとして、血管の拡張を引き起こす一酸化窒素が関与していると考えられています (Karger Publishers) (Karger Publishers)。
Histamine in Wine: What to do in case of histamine intolerance?:
ヒスタミンは発酵中に生成され、特に赤ワインに多く含まれます。ヒスタミン不耐症の人は、ヒスタミンを適切に分解できず、頭痛や皮膚の紅潮、消化器系の問題などの症状を引き起こす可能性があります。ワインの生産および保管中に特定の対策を講じることで、ヒスタミンの量を減らすことが可能です (Wine Balanced) (Trinkreif.de)。
Wine Headaches: The Histamine Factor:
ヒスタミン不耐症は一般人口の1%に見られ、ワインに含まれるヒスタミンが頭痛を引き起こす原因となります。赤ワインは白ワインに比べて20~200倍のヒスタミンを含むことがあります (Wine Balanced)。
これらの情報は、ヒスタミンがワインによって頭痛を引き起こす可能性があることを示しており、特にヒスタミン不耐症の人々にとって重要