見出し画像

文献)ワイン中の生体アミン:頭痛を理解するために Biogenic Amines in Wine: Understanding the Headache

Biogenic Amines in Wine: Understanding the Headache
South African Journal of Enology and Viticulture
Vol. 29 No. 2 (2008) 
DOI: https://doi.org/10.21548/29-2-1444
A.Y. SmitW.J. du ToitM. du Toit

キャッチ―なタイトルだったので読んでみました。もう少しきちんとまとめられているのかと思ったのですが、うーん、ちょっと辛いなあ。ひたすらにいろんな文献の結果が羅列されているだけでした。文献集みたいな感じ。
とはいえ、結論として、

「The concentration of biogenic amines is dependent on wine type and style, but the presence of biogenic amines seems to be attributed to the presence of lactic acid bacteria in all cases.」

と、書かれてる点は大きい。

そして、このTable1が興味深い!!

DOI: https://doi.org/10.21548/29-2-1444  Table 1

「Carusoら(2002年)が行った研究では、ブドウとワインから分離された5属50株の酵母をスクリーニングした。Carusoら(2002)の研究では、ブドウとワインから分離された5つの異なる属の50の酵母株が生物起源アミン産生についてスクリーニングされた。B. bruxellensisが最も高濃度の生物起源アミンを生成し、S. cerevisiaeがそれに続いた。S.cerevisiaeの生物起源アミン生産能力は、菌株に依存するようであり、この種の一定の特徴ではない。したがって、S. cerevisiaeの一部の菌株、特に自然アルコール発酵中に存在する菌株は、生物起源アミンを産生する能力により、ワインの腐敗微生物とみなすことができる。S. cerevisiae、Kloeckera apiculata、Candida stellata、Metschnikowia pulcherrimaおよびB. bruxellensisは、Granchiら(2005年)の別の研究でも試験された。表1は、これらの酵母が産生する全生成アミンの指標で、両試験ともB. bruxellensisが最も高濃度で、次いでS. cerevisiaeであった。アグマチン、次いでフェニルエチルアミン、エタノールアミンがほとんどの種で最も多く生産された。

酵母が乳酸菌とは異なる生物起源アミンを生成することは明らかである。ワイン酵母の生化学、遺伝学、生物起源アミン産生の制御に関する文献はほとんどない。ポリアミンであるスペルミンとスペルミジンはプトレシンから生成される。プトレシンそのものとは異なり、これらのポリアミンは酵母の最適な生育、特に減数分裂の胞子形成と二本鎖RNAキラープラスミドの維持に絶対必要であることが判明している(Cohnら、1978)。ODC活性が低下した酵母変異体は、十分なオルニチンをプトレシンに脱炭酸せず、その結果、合成されるポリアミンが少なくなるため、成長が遅くなる(Cohn et al., 1980)。Cohnら(1980)はまた、酵母のプトレシンは主にスペルミジンおよびスペルミン生合成の前駆体として機能することを示唆している。酵母のODCは、ポリアミン生合成経路の重要な制御酵素である(Guptaら、2001)。酵母のODC活性は、活性のためにチオールとピリドキサール5'-リン酸を必要とし、スペルミンとスペルミジンの存在によって急速に低下する(Tyagi et al. (Tyagiら、1981)」

って、ことは、この2つの論文を読まないとですね。

Caruso, M., Fiore, C., Conturse, M., Salzano, C., Paparella, A. & Romano, P.,
2002. Formation of biogenic amines as criteria for the selection of wine yeasts.
World J. Microb. Biot. 18, 159-163.

Granchi, L., Romano, P., Mangani, S., Guerrini, S. & Vincenzini, M., 2005.
Production of biogenic amines by wine microorganisms. Bull. OIV. 78, 595-609.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?