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詩の季節、月評期間になりました!

私の詩集が出てから、一か月になりました。ここのところ、生活スタイルが詩の方に寄ってきたので、そのこととご報告も兼ねて書いてみます。

詩集を出してから

まず、出した! という喜びももちろん大きかったのですが、ツイッターをなるべくチェックするようになりました。先輩詩人のことば・感想ツイートなど、大変勉強になり、私もこの詩壇の中にいるのだと再認識できました。今はイラストの仕事と、第2詩集に向けて執筆をしています。出版までは時間もかかるし、地道な作業ですし、華やかではないのですが、次につながっていく作業。友達からもよく言われているのが「早苗ちゃん、第1詩集で全部出しちゃったじゃん、次、どうするの?」でした。第1詩集を出したことで、自分の軸がだいぶ定まって、自分のことは自分でよくわかるようになりました。次は他の人になって書きたいと思い、次は、25歳~32歳くらいまでの女性・そして男性に成り代わって詩を書いています。「ゆらぎ」がテーマです。コロナ禍での環境のゆらぎ、周りに心がかき乱されるゆらぎ、女性の身体的なゆらぎを書いています。

生活が変わった

もちろん今まで通りイラストの仕事は続けているのですが、執筆をしていくことや知り合いの個人書店に声をかけたり、図書館に声をかけたりも並行して、イラストの仕事量がかなり負担になってしまったので、先輩ママイラストレーターに相談に乗ってもらい、もろもろ話した後、量を減らして、クオリティをあげることに重点を置きました。イラストの仕事はフリーランス、そしてストックと言って、描いたものにタグをつけてダウンロードしてもらう仕事なので、仕事量も自分次第なのです。一人作業ですしね。イラストの時間は早朝、その他3時間は執筆・詩集や詩論を読んで勉強することにしました。

ありがたい先輩たちからのお手紙・メール

合評会や同人誌、ポエケットなど、たくさんの先輩たちとつながりがあったので、詩人の先輩方と多く交流を持っていました。そんな中、複数の方からお手紙をいただいたりメールをいただいたりして、貴重な感想をいただきました。生きる喜び、くらげのメタファー、少女から女性に変わるというゆらぎがこの詩集に「凄味」を与えているといった内容で、とってもうれしかったです。

新聞の月評に

発売から1か月が経ったら月評期間です。ドキドキしますし、詩人が一番勉強できる期間ともいえます。

まず、先日(2021年4月22日)の読売新聞朝刊に書影と、インカレポエトリについての記事が載りました。評していただいたのは私ではなかったけれど、現役の大学生が評を受けていることには希望がありました。書影もありがたかったです。

そして、同じ日の毎日新聞夕刊、親しくさせていただいている和合亮一さんの「詩の橋を渡って」という詩の月評に、インカレポエトリと共に、『聖者の行進』も載せていただき、評していただきました。情報を知ったのが次の日の朝だったので、昼休憩にもろもろの用事を済ますべく、新聞の販売所に行き、新聞を買いました。「給水塔」という詩に触れていただき、

「二つの苗字は体内に吸収されるね」。言葉の糖分を思った。

と評をいただきました。和合さんも今の若い詩人の活躍に期待しておられるようですし、とってもうれしかったです。

言葉の糖分。甘さとよろこび、少しの儚さのようなものを感じ取っていただいて本当にうれしいです。コロナ禍だけではないのですが、この詩集を編んだ時に、どこかしらの「糖分」のような、甘さと少しの儚さ、そして滋味に満ちたものを読んだ人に味わってほしいと切に祈りながら編んでいました。実は、最後の「春の波」という詩は、最初の緊急事態宣言が出る1日前に完成した詩なんです。「私、生きてる」というリフレインを何度も重ねたこの詩は、「それでも生きていく」という私の覚悟でもありました。コロナ禍が続くこの時、みんなが絶望と緊迫感に追われ、疲れていたり落ち込んでいたりしていると空気で感じ、その時に考えたのが「言葉の糖分」です。

これからどんな月評が来るか、どのように詩人の皆さんに読んでもらえるか、とても楽しみなところです。詩が文藝で熱度を増している昨今、出版して本当によかったなあと思いました。

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