私のからだは斜めばかりだ

私のからだは斜めばかりだ
足の形だって歪んでいるし
背骨の歪み方を
誰にも見せられずに
今日まで生きてしまった

時折、夢に見ることがある
真っ白な天井
消毒薬の匂い
からだの真ん中を突き刺す痛み
背骨に入れた金属
そんなころからだった
かみさまとしゃべるようになったのは

次に恋人と会うのはまだ来ない春で
ネックレスの似合う鎖骨を見せたいのに
首回りが大きく開いた
薄いブラウスを着るのをためらっている

私のからだは斜めばかりだ
今まで一度も
誰にも触らせたことのない背骨でさえ
恋人にささげようとしている

二人の見る斜面は
同じ故郷なのに
違った色合いを
醸し出している

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