にこやかに中指を

生きてただ生きていて 

踏まれ潰れた花のように 

にこやかに中指を

なんて歌詞をかける星野源さんを好きになった。あーーーーーーーーーースキーーーー!!!!!!!ってなる感覚とは違うが、嫌味なくすんなり入ってくる彼の人間らしさとか、極めて普通な雰囲気が心地よかった。イケメンの概念が世間と彼によって作られているのも好きだった。最初からイケメンだったか。はたまた人前で歌い続けることでイケメンになったのか。彼は果たしてイケメンなのか。
出所は不明だが、女性のおかずになりたいなんて話す彼も面白い。深夜ラジオの下ネタも爽やかに面白く語る。真面目にエロを語るのはかっこいいとすら思ってしまうほどだった。

アイデアを聞いて改めて好き。朝ドラの主題歌なんだから、そりゃ愉快な音楽を奏でるだろうという期待を超えて、彼は人間のポジティブな面もネガティブな面も肯定して、メロディにしていた。バンドマンの彼氏に音楽にされる気分ってこんな感じかのかな。画面の向こうに恋してるみたいで、なんか、嬉しかった。

大森靖子さんもあらゆる女の子の、女の子を超えてあなたを肯定する歌手である。おちた気持ちが救われた感覚にもなるし、一緒にどん底まで降りてきてそっと寄り添ってくれる。タバコを吸いながら罪悪感だとかもう中毒になるのかな早死にするのかな癌になるのかな、なんてネガティヴで泣く気にもなれなくて「背中のジッパー」を聴きながら、人間はここまで落ち込めるのかとびっくりしていた。人生最大級の穴の中へ落ちてしまった真っ暗だった夜を共にしてくれた。いまでは、可愛い女の子たちと可愛いだけじゃない、なりたい自分も今の自分も、未来も過去も全部、肯定してくれるようなメロディを奏でている。大森靖子は超歌手を名乗る。めっちゃ歌手なのにアイドルの共犯者だとか作曲、作詞、審査員だとかやってる歌手を超えた超歌手。星野源はなんとも言えない肩書きのない星野源でしかない、彼もまた超歌手と同じ高みにいる、星野源が好きだ。