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チャビ・バルサ根本的問題/改めて問われるクライフの金言

頂点への道



CLグループリーグ全日程が終了しました!!

我らがバルセロナは無事に1位通過!3年ぶりのグループリーグ突破です!!3年ぶりかい!!


さあ、そんな頂点への道が開けた今宵、次に対戦相手が決定しました!バルサがビッグイヤーを掲げるまでのシミュレーションをしようではありませんか!?




ROUND 16

ここは2位通過したグループから選択されます。
当たるは、国内リーグは昨季ほどではないし、ちょっといろいろとおかしくはなっているけど現在のセリエA王者なのは間違いないナポリ!!オシメーンマジで来季バルサ来い!エトーに憧れていたのは知ってるぞ!



ROUND 8

ナポリを下しベスト8へ進んだバルサ!
次に当たるはフランスはリーグ1王者PSG!
メッシにネイマールがいなくなったとはいえ、エムバぺが残っています。あと新生ザイール=エメリとかいう17歳も出てきた!相手に不足はない!大激戦必須!



ROUND 4

ここまで来ればどこが優勝してもおかしくはありません!
セミファイナルでバルサと対峙するは、今大会1のサプライズ枠となったオランダチャンピオン伏兵PSV!!4年前のアヤックス枠!!胸を借りるつもりで向かい打とうではないですか!!CLベスト4の経験値は明らかにバルサの方が上!!今のバルサでマウント獲れるのはそこだけだけど!!シャビ・シモンズを忘れん!!



The FINAL ROUND

やっとここまで来ました。イタリア王者、フランス王者、オランダ王者。各地のチャンピオンをぶっ倒してこそのチャンピオンズリーグ!ファイナルで当たるは、もうここまで来たらわかるでしょう!ここまでは全て伏線だったのです!最後に相対する王者は2年前のチャンピオンズリーグ&ラ・リーガチャンピオン、永遠のライバルレアル・マドリード!!



チャンピオンオブチャンピオンをぶっ倒してこそビッグイヤーや!!




な~んて妄想しましたが、あっ、ここからは超まじめです。今のバルサがこんなに理想通りの組み合わせになったところで勝てる保証は何もないんです。むしろ逆で、どのチームにも「バルサだったら勝てんじゃね?」とか思われてる絶対!!







バルサ、致命的問題点とは?

■フレンキー・システムと戦術・フレンキーの違い

現在のバルサは、文字通りなんですけどフレンキーの存在1つで大きくチーム状況が変わってしまいます。

5レーンや相手の最終ラインの人数に合わせて対面構築する現在のバルサですが、これがなぜフレンキー・システムなのかというと、「最終ラインへのボール運び屋」と「6人目のピース」という対面構築上もっとも欠かせない役割を2つも被っているからです。さすがに負担が大きすぎるか。

バルサの前線ですが、おさらいも兼ねてなんですけど右ウイングに入るはヤマルかラフィーニャです。ここは右大外に陣取ります。逆の左ウイングはフェリックスなんですが、このフェリックスにも結構な負担があります。ちょっと先にその話をすると、5トップ時は左大外はSBが上がってきます。バルデかカンセロです。その時は左ハーフスペースに絞ります。このリスクは、左SBが5トップの一角に入っているので単純な問題なんですけど後ろの人数が足りなくなってるのとネガトラを徹底させられないと還って穴になる。シティが4CBにしている理由でもありますね。ウォーカーは別です。あれ以上のネガトラの強度の高さを持つSBは世界にはいない。
あと、相手が4バックの時は左大外でスタンバイしていますが、この時は1人で左ハーフスペースという本来の職場も同時進行で支配しなくてはならないので1人2役状態が続くという感じです。



フレンキーに話を戻します。
以前も紹介しましたが、対面構築はそれぞれが1対1で上回るを前提としたシステムです。可変システムや5レーン登場による配置の複雑化に伴い、数的優位を作るということにイニシアチブを重きに置くと他の部分に歪が生まれる。他といっても1つだけじゃないです。現在のバルサでも例えば左SBがまじのウイング化しますが、ここで剝がせないと裏にポッカリ空いたスペースを突かれる。誰か1人でも質で優位を生み出せたらマークがズレるが、それができなければ数的優位ではないため詰む。などなど。最前線に世界最高峰の質をそろえるシティもバランスはギリギリだと思うし、ロドリいないと勝てないというのも対面構築上のギリギリのバランスを取っているからこそ不在ならば破綻するみたいな。それを現状のバルサがやってもね、と。

その絶妙な舵取りをしているのがフレンキーです。6人目としてのエリア内に侵入し、フィニッシャーとして役目を終えるというのが崩しにおける重要局面。特にバルサの対面構築ではフェリックスしか上回れる計算ができないため、フレンキー投入は絶対条件です。本来は数的同数で優位性を作るための対面構築で質的優位を作れないので数的優位を作らざるを得ない、結局元通りどころか最前線に人数掛けすぎて後ろペラッペラ。

フレンキーはもう1つのタスクとして前線へのボール運び屋という運送業も請け負っていますが、シティでは偽CBがやっている役割ですね。バルサは左SBは上げますが、残り3枚は基本的に上がらない。カンセロが右SBでも右大外はウイングがいるのでオーバーラップするのもそんなにはないです。ただチャビの場合は守備を考えてか頑なに個々の配置で工夫をしない。というか、4バック中左を上げざるを得ないのでこれ以上上げてしまったら2枚しか残らないので止めとこうと。本来ならクンデに任せたら結構ハマりそうなんですけど、 質で違いを生み出すことが難しい前線ではリスクのほうがでかすぎる。「フレンキー・システム」という、フレンキーをチームで活かす戦術ならフレンキーを活かすことで周囲も相乗効果があるのでいいんですが、現状では「戦術フレンキー」みたいな、その存在が戦術のコアであると不在時は機能不全になってしまいます。実際にそうなっていたし。それは肯定しちゃいけないよね。



■「BACK」解体

昨年のバルサはとにかく「守備」でした。バルデ、アラウホ、クリステンセン、クンデですね。近年のバルサでは考えられない守備強度を誇り、1年前のこの時期ではまだ9失点でした。

今季は打って変わり、積み重ねる失点の連続。イニゴやカンセロの加入はありましたが、メンバーではなく戦術的影響なんですよね。

昨年のバルサなんですが、ポゼッション時の選手配置です。

守備は4-3-3の陣形ですが、ポジトラまでは同じ陣形です。ここが今季との違いですね。昨年は左のガビちゃんがトランジションの補強的意味合いで偽ウイング化していました。


トランジションはガビちゃんの配置がアナウンスです。ネガトラに関してはガビちゃん1人で頑張ってくれなんですけど、ポジトラからポゼッションが安定してきたなの合図こそが、ガビちゃんが内側に寄ってくるんですね。偽SBも偽9番もやっていないので3人の中盤だと数的優位を作れません。だからガビちゃんにヘルプに入ってもらわないと間に合わない。その合図が出てやっとバルデが上がれる←これが肝!!



これ、あまり気付かれていないんですけど、昨季のバルデはスタート位置は基本低かったです。つまりは始めから4バックは後方に揃っていたことになります。バルデも個人としては守備力あるわけではないんですが、そこにいるってだけでも意味はあるんです。そこにいるだけで4バックの位置的バランスと秩序は保たれるわけだから。


「BACKの解体」の意味は、この4バックの基本配置は4バックのまま。それが今季は前線の対面構築化でバルデを始めから配置的にウイング化させる=後方部隊が4→3に変更される。

この違いです。これはバルデ1人で100mほどの配置変化になるのでかなり変わってきます。つまりネガトラで戻れないということです。昨季であれば「あっこれはポゼッション安定してるから行けるな」のタイミングでしか上がりませんでした。というか、そのタイミングでガビちゃんが内側に入るので左大外が空いてバルデが上がれる。

それが今季はポジトラの段階で大外がいません。対面構築化で左ウイングのフェリックスが左ハーフスペースに行くので必然なんですけどバルデが上がらなければなりません。配置上、後ろを留守にしなくてはならない。
対面構築化というとシティもやっていますが、シティの前線にSBを組み込むということは基本やらない。SBにCBを置いているというのもあるんですが、100mの配置違いによる大移動にネガトラを考えると、SBを高めの配置にすることはデメリットの方が多すぎる。


あとは、バルデもSBであってウイングではないんで質的優位による局面打開は出来ない。この役割はバルデには相性が悪かった。カンセロの方がまだゲームメイクができるのでウイング配置でも最低限は出来るんですが、あくまで最低限。無理ある配置でバランスを乱しているということです。




■生み出せぬ前線での質的優位

結局これに尽きる。バルデが上がらざるを得ないのはいいとして、簡単にボールを失って逆襲を喰らうのが良くない。

何度も言いますけど、対面構築化は質的優位で上回るのが前提です。シティならばハーランド。ハーランド1人で相手2枚は引きちぎれるからヤバいのにジェレミー・ドグまで獲ってこらこら。アーセナルも両ウイングのサカとマルティネッリは絶対局面打開するマンです。

バルサの場合はメンツ的にいない。レヴァのフィットネスが落ちているのは明らかで、もう高いレベルを要求できるタイプではないです。ただ、ゴール前では経験でなんとかしてくれるのでそこだけに専念してほしいんですけど、そのためには他の選手に頑張ってもらわないといけない。左はバルデなんでそんなに期待できず、スタートはウイングのフェリックスは、基本配置は左ハーフスペース。右ウイングにヤマル、ラフィーニャがいますが、求めているタイプじゃないんだよな。


やっぱココにぶち当たるんですよ。


「デンベレ不在問題」



チャビ・バルサにとって1番のアキレス腱は実はデンベレやったということ。レヴァを最前線で固定するならウイングに個による破壊力を求めなければなりません。5トップ化による左大外役がバルデなのがアカンにもつながる話なんですが、ポジショナルプレー及び対面構築化においてウイングというのは最も重要なピースなのです。ここまでの3つの話はクライフの金言によって1つの結論に繋がります。




■クライフが語る、最も大切なポジションとは?

「ウイングはスピードがなければならない。起用でなければならない。1対1で抜く力を持ち、何よりチームプレーにおける頭の良さがなければならない」

「われわれはショートパスにうんざりし、ウイングにボールを渡すためサイドバックがライン際を走り回る姿にうんざりする。あれではまるで陸上競技のリレーだ。ボールに消耗させられているだけじゃないか。大体においてサイドバックはウイングよりテクニックが劣る。だから彼らがよく考え、ボールをコントロールするための時間を与えてやることが大事。そのためにも、ウイングはサイドバックがボールを運んでくるのを待っているべきではない。ウイングはサイドに開き、新しいスペースを作り出さなければならない。それによってサイドバックは頭を上げ、状況を見て、考え、チームにとって最高のオプションを選べるようになる。」



ドリームチームでもSBのことを度外視した戦術(そもそもとして343だったのだが)に大外はウイング1枚に全てを託したクライフ。ペップが今シティでやっていることは、クライフの哲学通りのことであり、そしてバルサの監督時代に実現不能であったドリームチームの再現及びそれを超えるチームを生み出しています。それに引き換え、現在のチャビがやっていることは、バルデの大外上がりやフレンキーの攻守リンクマン役含め、クライフの哲学とは言えない。実際に上手くいっていないのも事実として成績に出ているのであって、金なくて補強できないとはいえ、形だけはやっているようで実態は哲学からかけ離れたことをやっている。。。。





バルサよ、チャビよ。改めて原点を、クライフの哲学を取り戻すのだ。






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